1. HHIAを翻訳して,HHIA日本語版を作成した.
2. 聴力,精神状態が安定している感音難聴症例を対象として,HHIA日本語版の検査を施行し,その有用性を検討した.
3. HHIA日本語版の標準化においては全問およびスクリーニング版双方ともカッパ値0.8以上の値が得られた.感情面の質問に関するカッパ値も0.8以上であったが,社会面の質問に関しては0.6-0.8の値であった.
4. 検査のスコアは一側性感音難聴の方が両側性感音難聴より低かった.両側性感音難聴では,罹患後2-10年で高くなりその後は低下していた.
5. 聴力検査との関係は最高語音明瞭度より,両耳平均の聴力レベル,特に全7周波数の平均聴力レベルとの相関が認められた.
6. 検査の活用により,難聴患者の心理的評価が可能であり,難聴の臨床において有用であると考えられた.
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