甲状腺疾患切除例 (Graves' disease 4例, 濾胞腺腫5例, 乳頭癌6例, 濾胞癌4例および遠隔非腫瘍部甲状腺6例) を用いて, 腫瘍内および非病変部内のI型及びIV型コラーゲン分解酵素活性を測定し, 以下の結果を得た.
1) I型, IV型コラーゲン分解酵素活性は癌性病変である乳頭癌, 濾胞癌が正常甲状腺, Graves' disease, 濾胞腺腫に比べ高値を示した.
2) 癌性病変において, 被膜外浸潤を認める症例は, 認めない症例よりI型コラーゲン分解酵素活性が高値を示した. 同じく癌性病変においてリンパ節転移を認めた症例は, 認められない症例よりIV型コラーゲン分解酵素活性が高値を示した.
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