モルモットに10mg/kgのメタンフェタミンを投与し, メタンフェタミンが聴覚系に与える影響を観察し, 次の結果を得た.
1. ABRの各波潜時および波間潜時は, メタンフェタミン投与後120分までに短縮する傾向が認められた.
2. 下丘の活動電位ではメタンフェタミン投与後60分まで, 蝸牛神経の活動電位では約90まで持続する潜時の短縮, 振幅の増大が観察された.
3. 酵素抗体法によるメタンフェタミン投与30分後の光学顕微鏡下の所見は, 下丘では神経細胞と軸索に, 蝸牛ではコルチ器を中心にラセン神経節細胞, ラセン靱帯に強い陽性反応を示した.
4. 血清中の薬剤濃度は短時間で上昇し, 時間経過とともに指数関数的に減少する傾向を示した.
抄録全体を表示