日本耳鼻咽喉科学会会報
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77 巻, 5 号
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  • 坂上 千代子
    1974 年 77 巻 5 号 p. 357-369
    発行日: 1974/05/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    1.研究目的:家兎の小・,大・障害の際のDPRTにおける眼振反応特に眼振リズムについて検討した.
    2.研究方法:小・障害(9例):由をこpyramis或は半球の一部(lobulus paramedianus或はlobulusansiformis)を単独に,或は両者を詞時に障害(ablationにより)を作成,大・障害(8例):小さいlesionの場合はcortex motoriusからcortex limUicusにかけて,より大きな障害の場合はこの部を中心に更に広汎なablationを行った.障害作成前,直后,術后6週以上の経過を,DPRTで観察した.ENG記録は針電極を使用し,限科用開創器で開眼させ暗所下に記録した.
    3.成績と考按
    1)正常家兎のDPRT所見を検討し,正常値を統計的に算出した.
    2)小・,大・何れの障害においても,術直后には,眼振反応の高度低下がみられ,・幹への影響が推測された.術后1週間日には,反応は再び出現を示す例が多かつた.小・障害では眼振反応や眼振リズムに異常を認めず,大・障害では障害の広汎な場合にのみ両側眼振反応低下,患側向ぎ眼振方向優位性d1rectional preponderance,DP)がみられた,大・障害の所見の反応低下は・幹に対する影響の結果であり患側向きDPは脱落塗状と考えられる.Dysrhythmia(DR)は大・障害の術直后例で反応低下の著明でない例で急速相の障害としてみられた例があるが,その他は反応低下が主な所見でDRは示されなかつた.
  • 森満 保, 徳永 修, 加藤 寿彦
    1974 年 77 巻 5 号 p. 370-374
    発行日: 1974/05/20
    公開日: 2008/07/31
    ジャーナル フリー
    套管抜去困難症は気管切開術手技の拙劣や術後管理の誤りなどに基ずく医原性疾患であり,早急に治すべき責任と義務をかせられている.種々の方法を試み抜去に成功しなかつた症例に対し,本症は気管外傷の後遺症であり,気管再建術を行なうべきであるとの観点より,気管開窓術を行ない一気に套管を抜去し,二次的に開窓孔を閉鎖することを試みた所,非常に満足すべき結果を得ることが出来た.これまでにこの方法によつて抜去に成功した症例について,その概要を報告した.
    又長期予後について検査を行なつた所,乳幼児に気管壁をかなり切除するような気管開窓術を行なつても,気管のその後の発に悪影響を及ぼさないこと,レ線像では僅かに左布径で縮小の傾向があるが,前後径はむしろ開窓術で拡大の所見が認められること,開窓孔は次第に縮小し数ケ月で術直後の1/3以下となり,発声•呼吸嚥下などに殆んど支障を来たさなくなることなどを知つた.報告した四症例は未だ開窓孔を残しており,いずれは二次的閉鎖術を必要とするのであるが現在は全く医療の必要はなく,普通の生活を営なんでいる.
    ・来報告されているのは種々の方法を試み成功しない症例に対しては残された唯一の極めて成功率の高い方法であると考える.
  • 松井 隆史, 水越 治, 斎藤 等, 佐藤 文彦
    1974 年 77 巻 5 号 p. 375-386
    発行日: 1974/05/20
    公開日: 2008/07/31
    ジャーナル フリー
    1)Glomus Jugulare Tumorの2症例を報告.このうちの1症例は,頸部リンパ節,肺臓,乳房部に転移を認め,さらに剖検所見よ3)肝臓,頭蓋骨,硬膜,腋窩リンパ節に転移を認めた.
    2)Glomus Jugulare Tumorの遠隔転移は,国内で本症例が第1例目と思われる.
    3)現在まで国内で報告された12症例につき文献的に検討した.
    4)現在まで報告のあつた17例の遠隔鞍移症例の文献的考察をした.
  • 徳永 修, 栗田 幸男
    1974 年 77 巻 5 号 p. 387-393
    発行日: 1974/05/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    〔緒言〕視性眼反射と前庭限反射の2つの系は,III神経核,MLF,網様体など共通路を形成して密接な関連のあることが知られている.眼運動系の検索に際して,例へばOKNやETTなど近年盛んに利用され中枢疾患に対する診断面での役割も大きい.いかし,前庭眠反射としての温度眼振からも,いわゆるCP,DPの他に眼運動系に関する情報を得ることが出来,むしろ視運動系検査に較べて,被験者の意志,注視機能,眼球振盪野などの関与が少いだけに,より単純化されたものとして眼運動系な観察し得るのではないかと考える.このよ5な見地から,非共同性眼球運動麻痺の疲例について冷温交互試験を中心に神経耳科学的検討を行った.
    〔症例〕症例1:左側MLF症候群.OKNと温度眠振の出現パターソに類似性が認められ,共通路としてのMLF障害によるものと考察した.症例2:Wernicke's encephalopathy.OKNは全く解発されないにもかかわらず,温度眼振は単眼性に誘発された.冷刺激,温刺激の際に,眼振は左眼,右眼において,緩徐相方向が内転の時にのみ単眼性に障害され,一方,そのJC対眼には良好な眼振が出現した.主にMLF障害によるものと考察した.
    〔結論〕とくに温刺激では反対眼における緩徐相としての外転運動をも観察綴来る利点があり,ENGによる単眼性眼球運動説録下に冷温交互試験を行うことの意義を確認し,障害部位の診断に重要なことを述べた.
  • 冨田 寛
    1974 年 77 巻 5 号 p. 415-418
    発行日: 1974/05/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
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