日本耳鼻咽喉科学会会報
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98 巻, 9 号
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  • および診断におけるMR-Angiographyの有用性について
    富谷 義徳, 千葉 伸太郎, 森山 寛, 菊池 康隆, 太田 正治
    1995 年 98 巻 9 号 p. 1367-1372,1497
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    内頸動脈の走行異常を認める18例を経験した. このうち15例が女性であった. 左右差は認めなかった. 診断時の平均年齢は68歳であり, 10例に高血圧の既往を認めた. 確定診断を得るために13例にMR Angiogra-phy (MRA) を施行した. その結果13例全例において内頸動脈を明瞭に描出ことができた. 本症診断には過去において主に血管造影が施行されているが, 血管造影には様々な合併症や死亡例が報告されている. 本症は高齢者に多く合併症が起こった場合に重症化しやすいと推測され, 侵襲の少ない検査がより望ましいと考えられる. MRAは全く無侵襲な検査であり, 今後本症診断のためにはMRAを第一選択とすべきであると我々は考える.
  • 0歳児における検討
    高松 一郎, 小河原 昇, 土屋 幸造, 長原 太郎, 山下 耕太郎, 佃 守
    1995 年 98 巻 9 号 p. 1373-1380,1497
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    脳障害や発育遅滞のない中等度から高度難聴の幼児に対する他覚的聴力検査としての聴性誘発反応の有用性につき比較的長期に経過観察された症例を対象に検討した.
    1983年から1990年の間に当院で0歳時に施行された聴性誘発反応は234件になる. 今回はこれらの症例のうち条件詮索反射聴力検査や遊戯聴力検査を施行された症例を対象とし, 条件詮索反射聴力検査や遊戯聴力検査の閾値と聴性誘発反応の閾値を比較し, さらに言語発達, 補聴器の装用の状況も可能な限り併せて評価した.
    結論として聴性誘発反応による0歳児の聴力の評価は非常に信頼性が高く, またその結果による難聴児の早期の発見および早期よりの補聴器の装用による聴能訓練は有効と思われた.
  • 横田 雅子, 家根 且有, 田中 治, 宮原 裕, 松永 喬, 伊藤 信彰
    1995 年 98 巻 9 号 p. 1381-1386,1497
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    甲状腺腫瘍 (乳頭癌26例, 濾胞癌7例, 濾胞腺腫7例, 未分化癌1例, 髄様癌1例) の癌化に伴う血液型関連糖鎖抗原発現を, モノクローナル抗体とレクチンを用い免疫組織化学的に検討した.
    乳頭癌では, 症例の血液型と一致したA, B, H抗原とLea, Leb抗原の発現がほとんどの症例で見られたが, 濾胞癌や濾胞腺腫では一部の症例にA, B, H抗原とLeb抗原が弱く発現しただけであった. PNA, VVA-B4レクチンによって認識されるTおよびTn抗原は, いずれの甲状腺腫瘍に対しても限られた細胞に弱く反応しただけであった.
  • 森下 篤人
    1995 年 98 巻 9 号 p. 1387-1398,1497
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    ヒト鼻汁分泌動態に及ぼすαおよびβ交感, 副交感神経刺激剤の影響を検討した. 10分間隔10回の鼻内連続メサコリン誘発と, あらかじめαおよびβ交感神経刺激剤投与後, 同誘発とを行い, 毎回の鼻汁量, フコース量, アルプミン量を比較検討した. 同誘発範囲内では鼻汁量, フコース量は常に検出されたが, アルブミン量は著明に減少した. α交感神経刺激剤前投与でフコース量は増大し, β交感神経刺激剤前投与で鼻汁量, フコース量は減少した. 以上により, 鼻内連続メサコリン誘発はアルブミンの漏出の停止を, α交感神経刺激剤前投与で腺分泌の亢進を, β交感神経刺激剤前投与で腺分泌の抑制を引き起こす可能性が示唆された.
  • 大橋 伸也, 平出 文久, 舩坂 宗太郎, 藤田 博之, 吉浦 宏治, 萩原 晃, 福江 英尚, 福武 勝幸
    1995 年 98 巻 9 号 p. 1399-1406,1499
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    AIDS患者は口腔カンジダ症などの口腔・咽頭病変を好発し耳鼻咽喉科医にとって注意を要する疾患である. また欧米では感音難聴を来した報告があるが, 本邦では渉猟し得ない. 今回, 血友病Aで凝固因子製剤によりHIV感染を受け, AIDSと診断された患者が一側の急性中耳炎から高度感音難聴となった1例と, 同様に血友病Aで凝固因子製剤によりHIV感染を受け, 免疫能の低下時期に一側の突発性の高度感音難聴を呈した1例を経験したので報告した. 難聴の発現には複雑な原因が関与していると思われるが, 前者は急性中耳炎より直接的に内耳障害を惹起し, 後者は突発性難聴と同様の発症様式を示したと推定している.
  • 頸部操作における上方・下方限界に対する検討
    勝野 哲
    1995 年 98 巻 9 号 p. 1407-1415,1499
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    一期的患側頸動脈血行再建術をその再建術式により4タイプに分類し, 頸部操作における上方・下方限界に対する検討を加えた. 基本術式は, 頸部操作におけるシャントチューブ留置下頸動脈合併切除, 一期的患側頸動脈血行再建術である (TypeA, B). 腫瘍が頸動脈の上方か下方に偏在している場合, 開頭, 胸郭操作を併用することがある (TypeC, D). 頸部操作における上方, 下方限界は, 手術手技, 補助手段の工夫により拡大するので, 症例ごとの検討が必要である. また術中所見に応じた柔軟な術式の選択ができるように, 脳神経外科, 胸部外科との緊密なチームワークが大切である.
  • 末梢性顔面神経麻痺患者における早期予後診断の可能性と顔面神経被刺激部位の検討
    甲州 秀浩
    1995 年 98 巻 9 号 p. 1416-1425,1499
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    正常人15人30側, 末梢性顔面神経麻痺患者108人を対象とし, 電気刺激と磁気刺激による複合筋活動電位 (CMAP) を比較し磁気刺激の臨床的有用性を検討した.
    麻痺発症後7病日以内に磁気刺激CMAPの記録が可能な患者は, 麻痺発症後2週以内のENoG最低値は20%以上の症例のみであり, 2カ月以内に全例麻痺が治癒した.
    顔面神経の磁気刺激部位について, 正常人において磁気刺激と電気刺激CMAPの潜時差は, 約1msecであり, 麻痺患者における臨床経過と磁気刺激CMAPの回復経過から顔面神経の被刺激部位はFischがBell麻痺の障害部位であると述べている内耳道底部近傍と考えられた.
  • 下田 雄文
    1995 年 98 巻 9 号 p. 1426-1439,1499
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    聴こえに関する加齢の影響を検討するために, 高音漸傾型オージオグラムを持つ65歳以上の老年者を5歳ごとに区分し, 純音聴力および語音弁別能, SISIスコア, 方向感機能, SSBクリッピング語音明瞭度の各種検査値を求め, 対照の若年内耳性難聴群の尺度に照合して陽性率を算出した. その結果, 老年者の場合, 内耳の機能低下による純音可聴域値の上昇と, リクルートメント現象の発生による語音聴取への影響は70歳代までは横ばいであるが, 後迷路障害による影響は加齢により着実に進行する. そして, 80歳以上になると内耳障害と後迷路障害はさらに増大し, 語音弁別能は両者により高度に低下するものと推論した.
  • 1995 年 98 巻 9 号 p. 1440-1449
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 98 巻 9 号 p. 1450-1458
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 98 巻 9 号 p. 1458-1471
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 98 巻 9 号 p. 1472-1484
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
  • 時田 信博
    1995 年 98 巻 9 号 p. 1486-1489
    発行日: 1995/09/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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