日本耳鼻咽喉科学会会報
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109 巻, 9 号
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  • 篠 美紀, 古田 厚子, 内田 淳, 大氣 誠道, 洲崎 春海
    2006 年 109 巻 9 号 p. 689-695
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    スティック型嗅覚検査法が新しく開発され,この検査法は簡便で,日本人に身近なニオイが使用されおり,ニオイの種類が多く,新しい嗅覚検査法としての実用化が期待されている.我々は,当院嗅覚外来を受診した患者にスティック型嗅覚検査を施行し,スティック型嗅覚検査がどの程度嗅覚障害のスクリーニングができるかを検討した.感度は60歳未満の群では80%以上,60歳以上の群では70%以上で嗅覚障害を診断でき,スティック型嗅覚検査は嗅覚障害のスクリーニングに有用と考える.診断効率を考えると,スティック型嗅覚検査スコアのカットオフ値は60歳未満の群では仮判定基準の8点が妥当であった.一方,60歳以上の群では,偽陰性患者を出さないためには6点がよく,偽陽性患者を出さないためには4点がよいという結果であった.静脈性嗅覚検査が陽性•陰性かを基準とすると,スティック型嗅覚検査スコアの感度は80%以上と良好であったが,特異度は50%以下と偽陽性患者が多かった.スティック型嗅覚検査は取り扱いが簡便で,脱臭装置の必要がないため,実地臨床に直ちに取り入れることができる.早期の実用化を期待したい検査と思われた.
  • 安達 美佳, 松谷 幸子
    2006 年 109 巻 9 号 p. 696-702
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    目的:紫斑病性腎炎Henoch-Schönlein Purupura Nephritis (HSPN)はHenoch-Schönlein紫斑病の最も重要な合併症であり,その予後に大きく関与する.腎病理所見はIgA腎症と同様にIgA免疫複合体の糸球体メサンギウム領域への沈着を認め,IgA腎症に類縁の扁桃病巣感染症と考えられている.IgA腎症でみられた口蓋扁桃摘出術(扁摘)の治療効果が本疾患にも観察されるのか,扁摘を施行した小児HSPN症例に対して検討した.
    対象と方法:1998年から2000年の間に,腎生検でHSPNの確定診断を得たうえで,内科的治療ではコントロールが困難であるために扁摘を施行した小児患者のうち術後6ヵ月以上にわたり経過を観察できた7例(男児4例,女児3例)を対象とした.手術時年齢は3歳から13歳(平均7.6±3.2歳)であった.上記に対し1)腎病理所見の重症度2)臨床所見の重症度,の2点を指標に,術前後の尿所見の変化を検討した.腎病理所見の重症度判定にはISKDC分類とIGL分類の2つを採用した.平均観察期間は74±6ヵ月であった.
    結果:術後12ヵ月までに全例で血尿,蛋白尿とも消失していた.経過観察中に再発を認めた症例はなく,全例でステロイドを含むすべての薬剤投与が中止できた.内科的治療でコントロールが困難なHSPNにも,扁摘は有効と考えられた.
  • 坂 直樹, 瀬尾 徹, 樫葉 恵子, 西田 高也
    2006 年 109 巻 9 号 p. 703-706
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    頸部感染巣より発症した劇症型A群溶連菌感染症(Toxic Shock-like Syndrome, TSLS)を経験した.症例は40歳男性で頸部の発赤,下痢,嘔吐で受診した.初診時よりショック状態であり,人工呼吸器管理や昇圧剤,ガンマグロブリン製剤,PAPM/BPとCLDMの投与,エンドトキシン吸着療法や持続的血液濾過透析を用いて全身状態は改善した.頸部症状もいったん軽快傾向を認めたが再び増悪し,頸部外切開を行い治癒した.TSLSでは内科的治療をまず優先的に行い,外科的治療については今後も検討する必要があると考えられた.
  • 嚥下痛-急性喉頭蓋炎-
    河田 了
    2006 年 109 巻 9 号 p. 712-715
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 吉野 邦俊
    2006 年 109 巻 9 号 p. 716-717
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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