日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
77 巻, 7 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 清水 章治
    1974 年 77 巻 7 号 p. 485-504
    発行日: 1974/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    目的:
    花粉症について主として抗原の面を中心的に総合的検討することにより,その病態と特徴とを明らかにし,アトピー型アレルギーの発症機序の解明を試みた.
    実験方法:
    1.花粉症の発症頻度と病像の特徴を室内塵アレルギーと対比させながら,臨床的な面から分析検討した.
    2.花粉症患者のPK抗体価,血清IgE濃度を抗原別に比較検討した,結果:
    1.過去4年間に当科において診断された花粉症患者は鼻アレルギー患者のうち26%にあたる123例で,20才台での発症が多く,抗原性の強い花粉によるものほど若年時に発症しやすかつた.その73%に眼鼻症状がみられ,症状の上からは11%が花粉喘息と考えられた.
    2.抗原別には草本花粉>樹木花粉>室内塵の順に抗体価が高かつた.血清IgE濃度は健康人のそれと比較して大きな差はなかつたが,経時的にみた13例では発作期に大多数のもので上昇がみられた.
  • 坂田 英治, 梅田 悦生, 高橋 邦丕, 大都 京子
    1974 年 77 巻 7 号 p. 505-513
    発行日: 1974/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    目的:メマイや平衡障害症例にみられるいろいろの症状は,前庭•平衡系の障害が,中枢にあるのか,あるいは末梢に存在するのかという問題と共に,前庭•平衡系が片側性に障害されているためか,それとも両側性に障害されているかによつて,かなり画一的に分類されるのである.言い換えれば,病変がどこに存在しようとも,例えば,両側性障害では,その示される症状は酷似するのである.この報告は,以上にあげた諸点を明らかにするのが目的である.
    分類:垂直系障害とは,前庭•平衡系において複数の障害が左右対称性に,または灘慢性に,ないしは文字通り中心部に存在する場合であり,水平系障害とは病変がいつれか一側に偏在する場合を扱つた.
    成績ならびに結論:自覚するメマイ症状,四肢•躯幹に現われる平衡障害症状,眼球にみられる諸症状いづれについてみても,垂直系障害では左右対称性であり,垂直半規管系の面(矢状面)に主として現われるのに反し,水平系障害では水平半規管の面に現われるのがふつうである.
  • 鼻汁中の抗原抗体複合物によるラット肥胖細胞脱顆粒の検討
    宮下 久夫, 石川 哮, 島田 哲男
    1974 年 77 巻 7 号 p. 514-519
    発行日: 1974/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    目的:鼻アレルギー患者誘発鼻汁中のIgE mediateの抗原抗体複合物の存在を,ラット肥胖細胞の脱顆粒現象を応用して検討した.
    方法:7例のブタクサ花粉症患者の誘発鼻汁を,EDTA及びphosphate bufferで処理し,ラツト腹腔内より採取した肥胖細胞とin vitroで反応させ,光顕下で脱顆粒の割合をコントロールと比較した.患者血清とプタクサ抗原についても,同様に試みた.
    結果:誘発鼻汁を用いた場合は,平均16%の脱顆粒を認め,コントロールでは,6%であつた.用いたラット肥腔細胞によつては,脱顆粒にコントロールと差異を認めないものがあつた.血清の場合も,鼻汁とほぼ同様の結果が得られた.
  • 都川 紀正
    1974 年 77 巻 7 号 p. 520-533
    発行日: 1974/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    研究目的:絶えざる抗原刺激を受けているヒト口蓋編桃に他のリンパ系組織と異なつた独特な免疫機構があるか否かを免疫組織学的に検討した.特に(1)二次小節の特徴と変化,(2)リンパ球の移動,(3)非炎症期および炎症期での各種免疫グロブリンの組織内局在に注屋し観察した.
    研究方法:二次小小節の特徴と変化およびリンパ球の移動を観察する為にH-Eを用い検討した.IgG,IgA,IgMおよびIgE各種免疫グロブリンとtransport pieceの組織内局在を観察する為に螢光抗体法を用いて検討した.
    研究結果:
    1)二次小節には活動二次小節,被膜形成二次小節,硬化二次小節の3型がある.
    2)口蓋編桃は抗体を産生する.螢光抗体法を用いてIgG,IgA,IgMおよびIgE各種免疫グロブリンの陽性局在をみた.IgG,IgAおよびIgE産生細胞は形質細胞であり,IgM産生細胞はリンパ球様細胞である.
    3)IgG,IgA陽性分布は非炎症期より炎症期の方が活発であつた.
    4)IgM,IgE陽性分布は非炎症期より炎症期の方が少なかつた.transport pieceは認められなかつた.
    5)螢光抗体法にて年令,扁桃の大きさ,炎症発症病日で各種Ig.局在に大きな差を認めなかつた.
    6)急性扁桃炎,陰窩性扁桃炎群と扁桃周囲膿瘍群で各種Ig.局在の差を認めなかつた.
  • 水越 鉄理, 加藤 功
    1974 年 77 巻 7 号 p. 544-547
    発行日: 1974/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top