日本耳鼻咽喉科学会会報
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102 巻 , 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山田 和之, 福田 諭, 八木 克憲, 目須田 康, 横浜 優樹, 本間 明宏, 永橋 立望, 古田 康, 佐藤 信清, 犬山 征夫, 山本 ...
    1999 年 102 巻 12 号 p. 1279-1286
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    北海道大学耳鼻咽喉科において1989年から1997年までの9年間に経験した咽喉食摘, 遊離空腸再建例49症例を対象とし, 1. 術後合併症, 2. 術後の嚥下に関連する因子, 及び摂食状況と吻合形式の関係について検討した.
    症例の内訳は男39例, 女10例, 手術時年齢は44~78歳で, 平均60.8歳であった.
    原疾患は下咽頭癌が39例で最も多く, ほか頸部食道癌4例, 喉頭癌3例, 甲状腺癌2例, 気管癌1例であった.
    再建材料別では遊離空腸単独例が45例で, 空腸吻合形式の内訳は端側吻合 (以下端側) 22例, 端々吻合 (以下端々) 18例, ρ形吻合 (以下ρ形) 4例, パッチ状吻合 (以下パッチ状) 1例であった. 遊離空腸と胃管の併用例は4例だった.
    軽症のものも含めると, 術後合併症は49例中24例 (49.0%) に生じたが, 空腸自体の合併症に限定すると空腸壊死は1例 (2.0%), 瘻孔は3例 (6.1%), 狭窄は2例 (4.1%) で, うち再手術を要したのは空腸壊死1例 (2.0%), 瘻孔2例 (4.1%) のみであった. これまでの報告と同様に, 本再建術の高い安全性が確認された.
    術後の摂食状況は端々例と端側例を中心に検討を行った.
    術後の嚥下に対しては腸管の緊張の影響が最も強いことが確認された.
    吻合形式別の常食摂取率は端々例の方が高い傾向があった. 端々例における摂食不良例は腸管の弛みが著明だった1例 (5.9%) のみであり, 腸管に緊張をもたせなかったことが原因であった. 一方, 端側例では4例 (22.2%) が摂食不良であり, うち2例に透視上端側例特有の所見である空腸盲端部のpoolingが確認された. 摂食状況からは端々吻合がより望ましい術式と考えられた.
  • 安原 秋夫, 野末 道彦
    1999 年 102 巻 12 号 p. 1287-1295
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    被検者への器具の装着を必要とせず, 自然な呼吸状態での鼻腔通気状態を短時間に測定できるシステムとしてGlatzel nasal mirrorの原理を応用した光鼻腔通気度計 (Photo Rhinometer: PRM) を開発し, その臨床応用につき検討した. PRMは呼気鼻息中の水蒸気をガラス面に結露させた像を左右別々にテレビレート (1/30秒) で画像化し, 初期1,000msecの結露面積の平均値を結露面積 (cm2), 結露開始後90msec間の結露面積変化を結露面積速度 (cm2/sec) とし, それらの値から鼻腔通気度を評価するシステムである. また, 鼻息結露面積を時間に対してプロットしたグラフ (PRMチャート) により, 左右の鼻腔通気状態を視覚的に観察評価することができる.
    鼻症状および鼻疾患の有無に関係なく, 任意に選んだ成人100名を対象としてPRM測定を行った結果, 結露面積, 結露面積速度は正規分布を示した.
    鼻腔通気度計の鼻腔コンダクタンスと結露面積 (r=0.66) および結露面積速度 (r=0.78) はともによい相関を示した.
    臨床応用として, 慢性副鼻腔炎患者5症例, 急性副鼻腔炎患者10症例につき保存的治療を行い, その経時的変化を評価した. 鼻内所見の改善および自覚的鼻閉感の軽減を認めた症例ではPRMチャートの改善および結露面積, 結露面積速度の数値の向上が認められ, 鼻腔通気状態を評価する上でPRM測定は有用であった.
  • 金澤 丈治, 西野 宏, 石川 和宏, 宮田 守, 森田 守, 喜多村 健
    1999 年 102 巻 12 号 p. 1296-1299
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    昭和58年より平成8年までの期間に自治医科大学耳鼻咽喉科を受診した根治切除不能な頭頸部悪性腫瘍患者の検討を行った. 切除不能である理由は対象症例51例中38例が広範進展例で最も多かった. 初期治療を行った症例のうち放射線単独群17例, 放射線・化学療法併用群15例の治療効果, 生存期間, 副作用, 在宅期間, 経口摂取可能期間につき検討を行った. 放射線単独群と比較し放射線・化学療法併用群の生存期間は有意に延長し, 在宅期間, 経口摂取可能期間も延長した. 一方, 副作用は両群間で同様な傾向を示した. この結果より全身状態を十分に考慮すれば放射線・化学療法併用は放射線単独よりQOLを下げることなく長期生存を得ることが出来ると考えられた.
  • 石田 克紀, 坂井 真, 飯田 政弘, 高橋 正紘, 内藤 明, 北野 庸子, 古賀 慶次郎
    1999 年 102 巻 12 号 p. 1300-1310
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    内耳奇形を原因とする小児人工内耳症例は今後増加することが予想されるが, 本邦における報告は少なく, 詳細は不明である. そこで我々が経験した内耳奇形例について報告し, 内耳奇形の形態分類, 手術手技, 合併症, 術後聴覚, 言語獲得状況について検討した. 対象は1994年11月より1998年12月までに小児内耳奇形例に対して人工内耳埋込術を施行した5例6耳である. 奇形の種類はCommon Cavity型2例2耳とIncomplete partition型3例4耳 (うち1例はUsher症候群-I型, 1例はCHARGE Associationを含む) であった. Common Cavity型を示した2症例では外側半規管隆起に相当する部分に小開窓を行い電極コードを挿入する, いわゆる経乳突腔迷路開放術を行った. そのうちの1症例では一部の電極のC-レベルをあげると左下眼瞼皮膚の顔面痙攣を生じたため電極の反応が不安定で頻回のマップ調整を要した. Incomplete partition型を示した1症例では通常の蝸牛開窓術を行ったところ, 脳脊髄液の噴出 (CSF gusher) を認めた. 顔面神経の走行異常はいずれの症例ともみられず, 術後めまいや髄膜炎などの合併症はみられなかった. 1症例において, 1側手術後に皮弁感染を生じたため有茎皮弁による再形成を行った. しかし再び皮弁感染, 壊死を生じたため, 人工内耳を除去し, 反対耳に再挿入術を施行した.
    いずれの症例でも術後の聴覚および言語獲得にはほぼ満足出来る結果を得たが, 音声表出にはまだ十分な成果を得ていない.
  • 榎本 雅夫, 硲田 猛真, 嶽 良博, 芝埜 彰, 斉藤 優子, 高橋 将範, 十河 英世, 藤木 嘉明
    1999 年 102 巻 12 号 p. 1311-1317
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    和歌山県下のスギ花粉症の現状を把握するため, 1321例の自然集団を対象として, スギ特異的IgE抗体をルミワードイムノアッセイシステムで測定した. その結果, クラス2以上の陽性者は30.9%であった. 過去の同様の調査, 13.9% (1985年), 18.3% (1990年) より明らかに増加していた. 性別では女性よりも男性に多かった. 年齢では20歳代に陽性者が最も多く, 加齢と共にその陽性率は減少した.
    スギ特異IgE抗体陽性率に及ぼす各種の環境要因について検討したが, 過去の調査では検討学的に有意差のでた項目で有意差はみられず, 陽性者増加の要因を明らかにすることはできなかった.
  • 宮崎 由紀子
    1999 年 102 巻 12 号 p. 1318-1325
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    一酸化窒素 (NO) はL-アルギニンを基質としてNO合成酵素 (NOS) の作用により産生される. 呼気中に存在し, その大部分が上気道由来である. ステロイド吸入未治療の喘息患者やアレルギー性鼻炎患者において上昇し, さらに呼気NOはステロイド吸入治療により, 誘導型NOS (iNOS) の発現を抑制することによって減少することが報告されている.
    本研究の目的はスギ花粉症患者と健常成人の呼気NO, 鼻腔NOを測定し, 両群間に有意差がみられるか否か, また鼻用局所ステロイド薬治療により変化するかどうか比較し, 鼻腔で産生されるNOの役割とアレルギー性鼻炎への関与を検討することである.
    対象はスギ花粉症患者10名と健常成人5名である. 被検者は非喫煙者で最近2週間の間に呼吸器感染の既往のない者とした. 呼気NOは口呼吸, 鼻呼吸時の呼気を, 鼻腔NOは直接鼻腔孔からサンプルバッグに採取し, 化学発光式NO測定器ML9841を用いてNO濃度を測定した. 精度は1 part per billion (ppb) であった. 鼻用局所ステロイド薬投与は2週間とし, 投与後同様に測定した.
    スギ花粉症患者における鼻呼気NO, 鼻腔NO濃度は健常成人と比較し高かった (p<0.05). 口呼気NOは両群間に有意な差は見られなかった. スギ花粉症患者では鼻用局所ステロイド薬治療により鼻腔NO (p<0.01) と鼻呼気NO (p<0.05) は有意に減少した. 口呼気NOは変化しなかった. 健常成人では口呼気NO, 鼻呼気NO, 鼻腔NOとも不変であった.
    鼻腔で産生されるNOはスギ花粉症患者において増加し, ステロイドにより減少した. アレルギー性鼻炎患者の下鼻甲介粘膜においてiNOSが陽性であったことと併せて考慮すると増加した鼻腔NOはiNOS誘導により生成されていると考えられた. また血管拡張作用や血管透過性亢進により鼻閉, 鼻汁分泌を引き起こし, NOは鼻アレルギーの病態に関与していることが示唆された.
  • 佐藤 公則, 中島 格
    1999 年 102 巻 12 号 p. 1326-1329
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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