放射線同時併用超選択的少量CBDCA, ピラルビシン動注化学療法を施行したT2以上の頭頸部癌患者66症例についてその治療効果を検討した.
根治照射群33例における治療効果判定は, CR率54.5%, PR率21.2%であった. 手術治療併用群33例の切除標本における病理組織学的効果判定は, 大星・下里の分類でのGrade III, IVが39.4%, Grade IIが57.6%であった. 部位別では, 根治照射群, 手術治療併用群いずれにおいても口腔, 中咽頭, 下咽頭では治療効果が高かったが, 副鼻腔では治療効果が低かった.
手術治療併用群において, 病理組織学的効果判定でのGrade III, IV群の5年累積粗生存率は84.4%であったのに対し, Grade I, II群は29.4%であり, 生存率に有意差 (P<0.01) を認めた. 病理組織学的に良好な結果が得られなかった症例では術後の追加治療が必要である.
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