日本耳鼻咽喉科学会会報
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75 巻 , 7 号
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  • 馬場 廣太郎
    1972 年 75 巻 7 号 p. 727-743
    発行日: 1972/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    古典的鼓室成形術において,外耳道への開放性乳突腔創は,術後hのtroubleが惹起され易く,その処置に多くの工夫がなされてきた.当教室では,骨橋を除表した場合や,再手術例等に,異種保存骨(Kiel bone)による人工骨橋の作成や乳突腔創の補〓をおこなう,所謂meatotympanoplastyの術式を採用し.ている.今回著者は1969年から3年間に亘る当教室のKiel bone使用例100例を対象にして,術後の経時的な臨床各種検査とKiel boneに対する移植免疫学的検索を行ない,ここに報告した.
    尚,Kiel boneの補填に際しては,乳突部及び鼓室腔の粘膜と骨病変の肉眼的所見の軽重により,術式をone stage operation methodあるいはtwo stage operation methodcに分けて施行した.
    術後の臨床的検査成績のうちまず,レ線学酌観察を,術後2年間に亘り行なつたが,約1年前後でKiel boneは新生骨と置換され,周囲骨組織と同様の濃い陰影を得るに至つた.なお,この骨質置換過程は,再手術し得た症例の病理組織像により確認した.
    次に術後の臨床的経過観察を再生鼓膜の状態及び外耳道の変化を中心に2年間追求した結果,74%の症例は良好な経過をとつており,残り26%に何らかのtroubleがあつた.
    さらに,この術後成績を手術時の粘膜及び骨病変の病理組織像とを比較検討してみると,粘膜病変が高度であつても,two stage operation methodを採用することにより,術後成績の改善が可能であつた.一方,骨病変が高度の場合は,例えtwo stage operation methodによつても不良例が多かつた.かかる成績から,粘膜病変よりむしろ骨病変が術後成績に大きな影響を与えているという結果を得た.
    この様に不良例の際因が骨病変に由来することが明らかとなつたが,今回行なつた術式は,異種保存骨(Kiel bone)を使用しているので当然,移植免疫学的検索が必要である.
    本研究では,Kiel bone移植患者30名の末梢血リンパ球培養による幼若化現象及びKiel bone抽出液による遅延型皮内反応を中心とする細胞性抗体の検索を行なつた.さらに体液性抗体の検索をも同時に施行した.リンパ球培養は,Kiel bone抽出液を添加した対象群と,PHA.添加及び無添加の対照群をそれぞれ5疑問培養し,巨細胞化の百分率を算出した.この結果,対象群は無添加群と同様にBlast-like cellの出現がみられなかつた.又,遅延型皮内反応も全例陰性であり,これら成績から,細胞性抗体の産生は否定できた.他方,体液性抗体に関する検索もすべて陰性であつた.この結果Kiel boneに対する移植抗体は産生されないという結論を得た.
    これら研究結果にもとついて,中耳は解剖学的並びに免疫学的に特殊部位であろうという推論に達し得た.
  • 森満 保, 中島 恒彦
    1972 年 75 巻 7 号 p. 744-748
    発行日: 1972/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    最近 Otomicrosurgeryの進歩によつて,中耳伝音系の修復の技術は長足の進歩を来た.した,然し先天性鐙骨固着症に対する手術とその術後聴力,更にその病理組織学的検討の報告は比較的に少ない.我々は最近本症例を経験し,その臨床的所見及び摘出した鐙骨の病理組織学的検査を行なつたので報告する.
    症例は1G才女児で,左の非進行性難聴,耳介変形を主訴として来院した.右耳は全く正常である.左耳介は耳珠と耳輪部が癒合してやや小さく,外耳道も狭い.手術時所見は鼓室粘膜,鼓索神経,正円窓窩は正常であったが,槌骨,砧骨は一塊となり,砧骨長脚を欠き,鐙骨と連結はなく,鐙骨そのものも所謂monopadal stapesに分類される変形を示いていた.初回手術ではテフロンピストンを用いたコルメラを作つたが聴力改善に成功せず,再手術を行なつた.再手術所見としては,鐙骨が前庭窓に完全に固着し可動性を失なつているのを確認した,窓縁に耳硬化症等を思わせる病的新生物はなかつた.鐙骨を摘出し,結合織片で窓を塞ぎ,テフロンピストンで鼓膜に連結せしめ,58dBより20dBへの満足すべき聴力改善を得た.
    摘出した鐙骨を病理組織学的に検索した結果,骨底周囲に軟骨組織を認め,しかもその縁辺部に軟骨膜様腰の存在を認めなかつた事から,この固着は軟骨性固着であると診断した.発生学的に鐙骨はReichert氏軟骨とotic capsuleの軟骨の2つから成るとされており,恐らく胎生期での鐙骨発育が阻害され,鐙骨とotic capsuleの分離が不充分のまま軟骨性癒合が生じたものと考えられる.Otomicrosurgeryの発達によつて本症例のような例が本邦においても激増するものと思われるので,その参考までに報告した.
  • 高倉 亨
    1972 年 75 巻 7 号 p. 749-763
    発行日: 1972/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    1)研究屋的と実験方法平衡機能に対して,視器系,前庭迷路系および深部受容器系がどのような相関性をもつているかを検討するために,家兎の鼓室内に4%キシロカインを注入して迷路を一過性に麻酔したり,深層項筋群を1%プロカインで麻酔した時の視運動眼振触発態度の変化を主として眼振数の変動をもとに,迷路破壊術も加えて検索した.
    2)結果および結論
    (i)一側迷路麻酔では前庭性眼振の強さにより種々な反応態度を示し,常に前庭性impulseの影響を受けた.
    (ii)両側迷路麻酔では前庭性筋緊張が低下して,四肢,頸筋の筋緊張が一過牲に低下し特異なを示し,視運動眼振は抑制され,特に網膜型眼振において著明であつた.
    (iii)深層項筋群のprocainizationによる視運動眼振の解発態度は両側お路麻酔時に比して軽度であるが抑制が起り,迷路麻酔時と同様に網膜型眼振において著明であつた.
    (iv)両側迷路を完全破壊すると,四肢およびが頸筋の緊張が低下するが時間の経過とともに次第に回復し,やがて過緊張が起り視運動眼振の解発も改善された.
  • 坂田 英治, 李 汝培, 栄木 恭男, 和田 昌士
    1972 年 75 巻 7 号 p. 764-782
    発行日: 1972/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    目的
    中枢神経系,とくに天幕下領域や間脳における各種の疾患において,眼球運動の性状を精細に分栃し,検討することが診断上有力な役割を果すことが少なくない.
    しかし乍ら従来は,このうち眼振にたいしては臨床家の注意は高まりつつあるが,眼振以外の自発性の異常眼運動については殆んど関心が普Eわれていない.
    われわれは過去2年間に亘り,この問題に注目し研究をつづけてきたが,その病巣局在診断的意義と病態生理の一端を明らかにし得たのでご批判を乞う.
    症例ならびに検査方法
    病理解剖や手術•さらに精細な神経学的検索によつて診断を下し,しかもこの現象をみとめた症例101例を対象とした.
    眼運動の記録は,電気的な記録法によつては不可能な注視痙攣や輻輳痙撃は映画に撮影し,その他にENGを用いた.
    時定数3秒(原波形)ならびに0.03秒(微分波形)として,水平ならびに垂直誘導をおこなつた.EMGの混入やEEGの混入をこの現象と誤認しないよう,これらの同時記録もおこなつた.
    結果
    非眼振性•自発性の異常眼運動を1)調整困難性眼運動(a:固視振動,b:追越または低越性振動,c:羽攣性振動),2)間代性眼運動(a:電光運動,b:視性ミオクロニー),3)緊張性上眼運動(a:注視厘攣,b:輻輳痙攣)に分類し,整理•整頓した.
    第1群はそれぞれ,17例,12例,27例においてみとめたが,おもに小脳疾患である.
    第2群はまた,それぞれ23例,9例でみとめたが脳幹を中心とする錐体外路系障害例である.
    第3群はまた,それぞれ7例,6例であり,上部脳幹を中心とする錐体外路系障害例においてみとめた.
    この現象の病態生理学についても考察を加えた.
  • 仁保 正和
    1972 年 75 巻 7 号 p. 783-799
    発行日: 1972/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
  • 村上 泰
    1972 年 75 巻 7 号 p. 800-808
    発行日: 1972/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
  • 菰口 英夫
    1972 年 75 巻 7 号 p. 809-819
    発行日: 1972/07/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
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