日本耳鼻咽喉科学会会報
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77 巻 , 11 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 高原 滋夫, 小西 静雄, 斎藤 竜介, 黒住 静之
    1974 年 77 巻 11 号 p. 905-907
    発行日: 1974/11/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    故田中文男岡山大学名誉教授の側頭骨病理所見をご生前の臨床所見と対比して報告した.同教授はわが国における内耳病理研究の先達の一人で1あり,近年わが国でも米国にならつてTemporal Bone Banks Programが具体化しようとしており,この報告が一つのmodelcaseとしての役割を果せればと考えた.
    臨床的には昭和17年満59才の時右耳に突発性難聴を思わせる急激な聴力損失をきたし,以後右耳鳴,歩行時軽度の左偏倚をきたすようになつた.摘出された側頭骨に見られる最も顕著な病理学的変化は右耳の球形嚢の著明な拡張である.球形嚢膜は前庭骨壁,アブミ骨板と癒着像を示し,明らかに生前の変化と考えられる.その他,両耳とも基底回転部でラセン神経節細胞および神経線維の消失,減少,不規則な血管条の萎縮,内耳道内動脈の動脈硬化像など,側頭骨全域にわたり,高度の老人性変化を認めた.以上より特発性内リンパ水腫症例であると考察した.
  • 平出 文久
    1974 年 77 巻 11 号 p. 907-916
    発行日: 1974/11/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    目的:滲出性中耳炎の際の中耳腔内貯留液の生化学的性状血清に非常こ類似していることに着目し,また滲出性中耳炎の遷延型と考えられるコレステリン肉芽腫のコレステリンは血液(赤血球および血漿)由来であろうと考えた.そこで実験的に動物の耳管を閉塞し中耳粘膜血管の透過性の充進と中耳液産生の状態,また中耳液貯留とコレスラリン肉芽腫形成との関係を形態学的に実証しようと試みた.
    方法:モルモット,リスザルの軟口蓋に縦切開を入れ,耳管咽頭入口部を露出させ,ここに数ケのsilastic spongeの小片をつめて耳管を完全に閉塞した.Majnoらのvascular labeling法を用い中耳粘膜血管の透過性の亢進状態をその時採取した中耳貯留液の性状とあわせて経時的に観察した.また耳管閉塞後比較的長期間にわたり中耳内病変を病理組織学的,組織化学的に観察した.
    結果:実験的滲出性中耳炎の際の中耳腔内貯留液は中耳粘膜血管の透過性が異常に亢進した結果血管外に流出した血漿が大部分であり,慢性期になると中耳腔内に流出した血液由来のコレステリンが源となつてコレステリン肉芽腫の形成をみることが判明した.
  • 神崎 仁, 高橋 正紘
    1974 年 77 巻 11 号 p. 917-930
    発行日: 1974/11/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    1.目的.減衰振子様回転検査法(DPRT)の定性的所見,とくに駅振リズムの異常の有無を中枢性平衡障害例について調べ,この結果を視運動眼振検査(OKP-test)所見および視標追跡運動検査(ETT)所見と関連させ検討し,DPRTの診断的意義を追求した.
    2.対象.脳腫瘍54例(内訳は大脳腫瘍10例,小脳半球腫瘍6例,中脳腫瘍6例,小脳橋角部腫瘍30例,脳幹部腫瘍2例),小脳変性あるいは萎縮6例.脳血管障害18例,の計78例.腫瘍偏は手術で診断が確認されたもの,血管障害例は症状および神経学的所見から中枢性障害と考えられるものに限つた.
    3.成績(表2.3)
    a)DPRTの眼振リズムが正常,OKP.ETT異常・小脳変性(萎縮),小脳腫瘍,小脳橋角部腫瘍(小~中等大,脳幹の圧迫症状のないもの),クモ膜下出血,など.
    b)DPRTの隈振リズムは軽度異常,OKP.ETT異常・脳幹部に二次的影響を及ぼす腫瘍(小脳,小脳橋角部.大脳など),および脳血管不全.
    c)DPRT,OKP.ETTいずれも異常:b)の腫瘍で脳曽に対する影響(脳圧亢進,圧迫などによる)がさらに強い場合,脳血管不全で脳幹の循環障害の強い場合.
    d)DPRT所見のみ異常,OKP.LTT正常.脳腫瘍例にはまずみられない所見の組合せ.稚骨脳底動脈循環不全症あるいは本症の疑われる症例にみられる.
    突発性難聴やメニエール病の中にこのグループに属するものがある.
    e)DPRTで反応低下,OKP.ETT異常.脳幹部腫瘍,後頭蓋窩腫瘍,脳血管不全にみられる.
    4.結論
    のDPRTにおける眼振リズムの異常は主に脳幹障害を示す.
    2)DPRTはOKP.ETTの所見との関係から中枢性平衡障害の部位診断に役立つ
  • 西田 正剛
    1974 年 77 巻 11 号 p. 931-943
    発行日: 1974/11/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    目的:猫の一側耳に強烈な温度刺激を与えた後の聴覚系の変化を,第8神経活動電位(AP),蝸牛電位(CM)を指標として観察.記録し,前遜系と聴覚系の根関関係の一端を解明することを目的とした.方法:1)成猫を用い,ネソプタール麻酔の下に,後頭開頭術を行い,第8神経を露出し,双極電極を挿入し,APを導出した.又CMは花円窓誘導にて導出した.
    猫の頭位を上方60°に固定し,温度刺激として60°Cの温水,及び10°Cの冷水を各々50mlずつ外耳道より注入した.
    音刺激としてはAP導出時はクリンクを,CM,導出時は1000Hzの持続純音な用い,温度刺激前後のAP,CMの変化を経時的に観察記録した
    2)気管切開術を施行し,筋弛緩剤を使用人工呼吸の下にストリキニンを静注し,聴覚系下位遠心性線維であるOlivo-cochlear bundleをブロックして,1)と同様の測定を行った.
    3)第8神経をその中枢端にて,できるだけ血流を保つたまま切断し,切断末梢側にAP導出用電極を挿入した,すなわちOlivo-cochlear bundleの関与を断つて1)と同様の測定を行った.
    結果並に結論
    1)60°C温刺激,並に10°C冷刺激後,APには1分後より振幅に著明な増大(60°C,77%10°C,75%)がみられた.
    尚潜時,持続時間には変化がみられず,又振幅の変化は可逆的であつた.
    一方CMには振幅の著明な減少がみられた(60°C 45%,10°C 45%減少).CMの変化も可逆的であつた.
    AP及びCMの変化は振幅のみであり,その増減がAPは増大,CMは減少と逆であることから,中枢の開与を考えた.そしてOlivo-cochlear bundleに電気刺激を加えた時のAP,CMの振幅変化と正反対であることから,強烈な温度刺激によりOlivo-cochlearbundleが抑制されたものと推論した.
    2)ストリキニンを使用して,あらかじめolivo-cochlear bundleをブロツクしたも規のでは,温度刺激後のAPの変化は一定せず,振幅増大25%,振幅不変50%,振幅減少25%であつた.潜時,持続時問には,変化がみられなかつた.
    一方,CMには全く変化がみられなかつた.
    3)第8神経切断後は,AP,CM共に温度刺激後に変化がみられなかつた.
    2)及び3)により,1)で得た推諭,すなわち強烈な温度刺激により聴覚系遠心性線維であるOlivo-cochlear bundleが抑制されることを裏付け前庭系と聴覚系の特殊な関係の一端を明らかにした.
  • 上村 卓也
    1974 年 77 巻 11 号 p. 954-957
    発行日: 1974/11/20
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
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