耳小骨の3次元CTを乾燥側頭骨, 正常例 (5耳), 伝音難聴12例 (外傷, 中耳奇形, 真珠腫, 慢性中耳炎) で高速ラセン撮影しその有用性と限界を検討した.
高速ラセンCTでは, 従来のCTよりも短時間に高解像度の撮影となり, 被曝線量も少なく, 3次元処理機能も良好である.
3次元CT画像ではツチ, キヌタ, アブミ骨があたかも実体顕微鏡下に観察しているように確認された. 従来の2次元的なCTではアブミ骨の全体像を見ることは不可能であったが, 3次元CTによりアブミの細部まで描出可能であった.
3次元CTは, 伝音難聴の術前診断や, TORPなどの術後評価として, 重要な画像情報であることを報告する.
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