カモガヤ花粉症患者19例, 健常対照者66例のHLAクラスI, II抗原 (A, B, C, CR, DQW, DRW) の測定を行い, カモガヤ花粉症へのHLAを介する遺伝子関与の有無について調査した. 患者群は, 3例を除き, カモガヤの他にスギ, ダニ, ブタクサに2~4重複感作されていた. 調査の結果, 患者群でHLA-A26 (52.6%), HLA-DQW3 (100%) の出現頻度が健常対照者に比し高いことが分かった. この結果は, スギ花粉症の時と同じ結果であり, また, A26をもつ10症例は全例スギを含む重複感作例であった. 従って, このHLAタイプを介して遺伝的類似性があることがスギ, カモガヤ重複感作例が多い要因であると考えた. さらに, HLAの生物学的機能から考えるとHLA-A26よりHLA-DQW3が疾患と深くかかわっていることが示唆された.
抄録全体を表示