日本耳鼻咽喉科学会会報
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72 巻 , 7 号
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  • 宇野 雅明
    1969 年 72 巻 7 号 p. 1115-1128
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    モルモットの内リンパ管および〓を実験的に閉塞し, その後6カ月間, CMおよびAPの変化を観察した. CM, APはともに正円窓より記録した. CMは早いものでは, 術後2週間で軽度低下した. その後は経日的に低下していつた. そして6カ月後には最大振幅で約20dB低下した. VDLも最大振幅と類似した低下を示した.
    APのN1振幅もCMと同じように低下した. しかしN1, N2の潜伏時間は変化しなかつた.
    光学顕微鏡による組織所見では, 蝸牛内リンパ水腫は術後徐々に大きくなり, 早くも1週以内に軽度の水腫がみられ, 1~3カ月後には中等度~高度となつた. コルチ器の傷害は3~6ヵ月後上方回転から観察された. 球形〓の水腫は2W以内には認められ, 1~2ヵ月後には高度となつた. 卵形〓も1カ月後には水腫がみられたが著明ではなかつた. 前庭感覚細胞は正常であつた.
  • 村井 和夫
    1969 年 72 巻 7 号 p. 1129-1139
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    家兎内耳道入口部の聴神経幹から粗大電極を用い, Click及びTone pip刺激に対するWhole nerve action potentialを記録した. この反応を電子加算機を用い平均加算した. 主なる結果は以下の如くである.
    1) 電子加算機の使用により, Tone pip刺激に対するAPはCMの重畳なく記録することが出来た.
    2) AP波形にはN1, N2波形を認めた.
    3) N1は音刺激に対し一定の潜伏時間ををもって発来した.
    4) Click刺激およびTone pip刺激に対する反応波形は原則として一致していた.
    5) Click刺激およびTone pip刺激の普圧の増加にともない, N1潜伏時間は縮少し, 振巾は増大した.
    6) APは一定の潜伏時間をもっており, Tone pip刺激の場合刺激音がFull Amplitudeになった時点から一定の潜伏時間をもって発来したものと考えられた.
    7) Click刺激により刺激対反応曲線は, OdBSL~30dBSL・30dBSL~60dBSLを堺として二相性のcurveを示した.
  • 1969 年 72 巻 7 号 p. 1140-1151
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
  • 富山 要二
    1969 年 72 巻 7 号 p. 1152-1169
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    振子様回転法を用い, 眼振方向優位性の程度を二つの異なつた条件下の回転において比較した. すなわち一つは回転中心と体軸が一致する中心振子様回転, 他の一つは回転中心より1m離れた位置で回転刺激をうける偏心振子様回転である.
    著者達は総振幅90°, 周期5秒で左右に動く電動式回転装置を用い, 中心振子様回転では1.24rad/sec2の角加速が偏心振子様回転では1.24rad/sec2の角加速度とともに0.13gの接線加速度, 0.16gの法線加速度が加わるようにした.
    15人の正常人では両回転ともDPを示さなかった.
    メニエール病を含む, 迷路疾患の多くでは偏心振子様回転にてDPが増強したが, 非迷路性疾患の多くでは両回転のDPは同等であった.
    この方法によりDPの起源が迷路性であるか否かの鑑別が可能となつた.
    この事実を確かめるため, 球形〓破壊, 内リンパ〓閉塞による内リンパ水腫, 硬膜内での第8神経部分切断, 大脳皮質吸引等の操作を加えたモルモット, 家兎につき実験的研究を行なつた.
  • 野口 五
    1969 年 72 巻 7 号 p. 1170-1181
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    めまい症例40例にOKPラストを行ない, 得られたoptokinetic patternを評価するために4つのindicatorをとりあげて, 便宜的な分類を行ない分析的考察を加えた. すなわち, 眼振頻度を5型に, 緩徐相速度の上昇を6型に, 急速相の方向を2型に, 左右のOKP差を3型に分類し, その相互関係と, 同時に行なつた頭位性眼振検査, 温度性眼振検査, 自記オージオメトリー, 断続語音による両耳合成能検査の成績との関連性について検討し次の結果を得た.
    (1) 上記の4つのindicatorの中で, 眼振頻度, 緩徐相速度の上昇および急速性の方向の3者はともに密接な関係をもって変化する.
    (2) 眼振頻度の不良型, 緩徐相速度の上昇の異常型, またはinversionを示すものは, 他の検査で上枢障害を示すものが多い.
    (3) 眼振頻度の良好型, 緩徐相速度の上昇正常型か谷型を示すものは, 他の検査で正常または末梢迷路障害を示すものが多い.
    (4) これに対して左右回転の相違による眼振解発の差は, 他の3つのindicatorともまた, 他の検査法とも一定の関連を示さなかった. このことは左右差が障害部位と関係のない他の独立的な因子によって影響されているということを示しているものと思う.
    上記の知見は現在までに述べられている視性眼坂の病的状態の出現傾向が一般的なruleとしても認められたことを示している.
  • 道下 秀雄
    1969 年 72 巻 7 号 p. 1182-1197
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    著者は臨床的に観察した64例の鼻アレルギーにつき, 組織化学的並びに電顕的研究をおこなつた. 鼻アレルギーの非発作時および発作時につき比較し次の結果を得た.
    1) 皮内反応により1種類の抗原にのみ陽性を示したものの詳細については次の始くである. 室内塵 (11例), ブタクサ花粉 (7例), スギ花粉 (4例) である.
    2種以上の抗原に陽性を示したものは21例で, 皮内反応陰性者は14例であった.
    鼻アレルギー発作時における鼻粘膜の肉眼的所見は, 著しく蒼白でかつ浮腫状肥厚を示し, 漿液性鼻漏は著明であつた.
    2) 組織化学的観察でPAS染色, AB染色, AB-PAS染色により陽性物質はムコ多糖であると理解され, 鼻粘膜において非発作時よりも発作時 (誘発時) に著明な増加を認めた.
    3) 通常の電顕的観察で発作時 (誘発時) において, 杯細胞の活動は活発化し, mucin globuleの著明な増加がみられ, 杯細胞に接した線毛細胞中にもmucin globuleの含有されているのが認められた. この場合, 細胞表在面に存在するciliaおよびmicrovilliは膨化, 離断, 消失する. 細胞間間隙の拡大は基底部において特に著明で, 浮腫状液の貯留も著しい. 基底膜の肥厚も著明である. 粘膜下組織も浮腫状で, 好酸球増多も著明である.
    4) periodic acid methenamine銀染色による電顕的観察で次の結果を得た.
    (i) 慢性肥厚性鼻炎ではciliaおよびmicrovilliは比較的よく保存され, 本染色によりplasma membraneの染色性はやや増加している. PAM染色陽性のmucin globuleは杯細胞のcytoplasm中に散在性に存在しているのが認められる.
    (ii) 鼻アレルギー非発作時においてはciliaおよびmicrovilliは比較的良く保存され, 本染色において, plasma membraneの染色性はむしろ増加しているのがうかがわれる. mucin globuleは線毛細胞と杯細胞に同時に増加しているのが認められる. 極めて注目すべき所見は, mucin globuleと粗面小胞体のcysternaとの間に類似の染色態度がみられることで, これは両者の間に密接な機能上の相間関係があることを示唆している.
    (iii) 発作時 (誘発時) においてはcilia, microvilliおよびplasma membraneの離断, 解離等がしばしば認められる. 線毛細胞と杯細胞のcytoplasmaは殆んどPAM陽性のmucin globuleによつて置きかえられる. 上記の所見は発作時 (誘発時) における著しいムコ多糖の増加を実証するものであろう.
    (iv) 更に発作時 (誘発時) においては繊細な線維性網状構造 (fine fibillary network) の離断, 消失と共に基底膜の膨化, 浮腫の極めて著しい特徴をなす.
  • 1969 年 72 巻 7 号 p. 1198-1220
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
  • 熊巳 敏郎
    1969 年 72 巻 7 号 p. 1221-1231
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    正常並びに炎症時におけるヒトの副鼻腔粘膜を, 光学顕微鏡により, 又特に電子顕微鏡を用いて, その超微形態について観察した.
    正常状態において副鼻腔粘膜は, その最表層にみられる線毛細胞, 数層に亘つて認められる分泌細胞, 及び最下層の基底細胞よりなる. 副鼻腔粘膜杯細胞については, 暗調細胞と淡明細胞をみる事が出来, 特に前者では, 細胞基底部より立ち枯れ状に離脱してゆく像を観察した. また一層の基底膜を境界として粘膜下結合織内には, 豊富な小血管, 漿液及び粘液分泌腺管, 未稍神経組織及び間質の多量の膠原線維等が認められる. 副鼻腔粘膜及び粘液腺はアポクリン型, 漿液腺はmicroapocrine型及びエクリン型の分泌機序を示す様である. 副鼻腔炎における粘膜は, 一般的に過形成動態として受けとられる微細構造が多く, 一個の線毛細胞内に, 正常状態よりはるかに多数の線毛構造が出現する. またこれに関連して線毛の起原との因果関係が推定さたる根小毛, 中心子, filosome (Frasca), または不明の細線維様構造がみられる. 線毛特に炎症の線毛について, 線毛の膨化がみられ, また異常に多発した線毛構造, 基底小体を認め, 二, 三の考察を加えた. 粘膜下の小血管周辺はは多数のプラスマ細胞があり, これらの細胞質内には, しばしば特長ある渦巻状構造を示す膜構造がみられ, いわゆるラッセル小体との深い関連が示俊される.
  • 吉田 義一
    1969 年 72 巻 7 号 p. 1232-1250
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    高速度映画により声帯振動のメカニズムと音声の高さと強さの関係, ならびに各種起声に関する研究を行ない, 新しい知見を得たので報告する.
    被験者は22才男子で2年以上の声楽訓練を受けた者と, 非訓練者30才男子を選んだ. 研究を行なうにあたつて著者は新しい高速度映画撮影装置を開発し, さらにテープレコーダー (Sony FT-I) ならびに2チャンネルオッシロスコープ (日本光電DC-7) を用いて音声記録をなした. 高速度カメラ (日立ハイマック) を使用し, オッシロスコープ上に描記された音圧波形を同時に撮影した.
    普通の発声中の声帯振動は, 三次元の運動であることを確認した. 声帯上唇部中央において水平面では, 側方に向う楕円運動を示し, 垂直面ではやや前方に傾いた桿状運動を, また, 前額面では一番動きが大きく側方に向う楕円運動を示すことが判明した. 前述の動きに加えて, 声帯の粘膜波動についても追求した.
    音声の高さと強さの関係について次のことが判明した.
    1. 胸声では, 閉鎖期が比較的長く, 開大期は狭小期より短い.
    2. 頭声では, 閉鎖期がないか, また, 部分的に存在してもその時間は非常に短い.
    3. 胸声で強さを増すとopen quotientは小さくなり, 開大期は短くなる. また振幅は増大する. 粘膜波動は大きく著明となる.
    起声ではbreathy attack, soft attack, hard attackについて観察分析をなした. film上の正確なtime markより声帯の呼吸時の位置からの, 内転開始が行なわれる時点から正確に測定した. breathy attackにおいては, 声帯内転開始から最初の定常部に入る第1周期までの時間は, 他の起声より短い. しかしbreathy attackでも強く, 硬く発声させると, 最初の定常部第1周期開始までの時間は長くなる. soft attackでは第1周期までの時間は, breathy attackの2倍にもなる. hard attackでは, さらにその時間が長くなる. 最も重要な点は, soft attack, hard attackにおいて声帯振動の開始が外転から行なわれることである. これはSmith, Fransworthと全く異なるところである. また, さらに止声についても報告した.
  • 1969 年 72 巻 7 号 p. 1251-1269
    発行日: 1969/07/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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