日本耳鼻咽喉科学会会報
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109 巻, 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 耳鼻咽喉科のオフィスサージャリー -口腔•咽頭•頸部領域-
    市村 恵一
    2006 年 109 巻 11 号 p. 767-773
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    口腔•咽頭,頸部領域の手術は今後,病院やサージセンターでの短期入院手術が中心となるであろう.それより侵襲の少ない手術や処置は診療所レベルで行うのが望ましいが,さまざまな環境条件の悪化から診療所ではオフィスサージャリーがあまり行われていない.しかし,診療の質を高め,患者満足度を向上させるためにはやはりそれらをある程度は行うべきである.口腔,咽頭の悪性腫瘍疑いの場合の生検や,頸部リンパ節転移や悪性リンパ腫が疑われる場合のリンパ節生検に関しては,侵襲や手技の容易さから見るとオフィスで十分行いうるものではあるが,大局的にみれば,生検後の治療を担当する医師自らが生検を行うのが望ましいので,問診と視触診のみで判断し,すぐに紹介先の病院に送る方がよい.
    下口唇嚢胞や舌の良性腫瘍などの切除に際しては挟瞼器を使用すると,軽い自動牽引と止血の両目的に適う.重宝する器具である.唾石の摘出では奥の側から局麻を行うことと,なるべく正中よりのものを対象にすることで,合併症を防止できる.扁桃周囲膿瘍は膿の穿刺吸引と抗菌薬投与でほとんどの症例を治癒せしめることが出来る.穿刺にあたっては最膨隆部(とその1cm下)をねらい,深さは20mm以内とし,外側へ向かうことは避けることが安全•有効に行うコツである.いびきにはラジオ波による処置が安全で有効である.リンパ管腫,がま腫,正中頸嚢胞などではOK-432注入療法が有効なことが確立してきた.適応の選択さえ誤らなければ極めて優れたものであるので,習得しておくべき手技である.
  • アトピー素因の有無による検討
    三枝 華子, 宮澤 哲夫, 鈴木 雅明, 飯野 ゆき子, 小寺 一興
    2006 年 109 巻 11 号 p. 774-780_1
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    〔目的〕慢性副鼻腔炎患者の鼻茸を用いて,免疫染色および酵素免疫測定法(ELISA法)によって好酸球遊走因子と関連因子を同定,定量し,アトピー素因の有無により解析し,鼻茸組織中の好酸球の浸潤機序を検証した.
    〔対象と方法〕鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎20症例より摘出した鼻茸ホモジネート中のinterleukin(IL-)5,IL-13,eotaxin,thymus and activation regulated chemokine(TARC),regulated upon activation nomal T cell expressed and secreted(RANTES)をELISA法で定量した.また同一症例での鼻茸組織切片の好酸球数およびEG2陽性細胞数をカウントした.
    〔結果〕アトピー素因の有無で鼻茸組織中の好酸球数,EG2陽性細胞数および鼻茸ホモジネート中のIL-5,eotaxin,TARC,RANTESの濃度に有意な差を認めなかった.同一症例においての組織中好酸球数とIL-5濃度,eotaxin濃度,TARC濃度との間に相関を認めたが,好酸球数とRANTES濃度との間には相関を認めなかった.IL-13はすべての症例で検出限界値以下であった.
    〔結論〕鼻茸組織への好酸球浸潤はアトピー素因の有無に関わらずIL-5,eotaxin,TARCの関与が考えられた.
  • 西浦 勇一郎, 坂本 菊男, 三保木 隆夫, 高根 陽子, 前田 明輝, 宮嶋 義巳, 中島 格
    2006 年 109 巻 11 号 p. 781-784
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    鼻腔悪性黒色腫の集学的治療後約7年経過して局所再発と縦隔リンパ節転移を認めた症例に対し,細胞傷害性Tリンパ球(CTL)による局所免疫療法と全身的免疫療法を施行して進行を制御できた症例を報告した.症例は45歳女性.1996年10月鼻腔腫瘍で当科を受診した.鼻腔悪性黒色腫の診断で集学的治療を施行した.経過観察中,2003年10月に局所再発した.化学療法で粘膜病変はNCのためCTLの局所注入療法を行った.現在までに23回施行し局所粘膜病変は徐々に消退している.また,経過中に縦隔リンパ節転移を認め経静脈的にCTLを投与した.現在までに15回施行し,CT上著変認めず進行を制御している.
  • 愛野 威一郎, 三枝 英人, 中村 毅, 松岡 智治, 小町 太朗, 粉川 隆行
    2006 年 109 巻 11 号 p. 785-788
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    今回,われわれは慢性期統合失調症患者において,遅発性ジストニアによる極めて特異な嚥下障害を来した1例を経験したので報告する.
    症例は44歳男性.24歳時に統合失調症を発症以来,数種類の定型抗精神病薬を服用していた.5年位前から嚥下困難を自覚し徐々に増悪するため,当科を紹介受診した.嚥下透視検査では,嚥下時に喉頭は挙上せず,逆に第7頸椎の高さまで下降し,この時に食道入口部をわずかに造影剤が通過するという極めて特異なもので,下降期型誤嚥を呈していた.しかし,ある特定の女性といる時や,特定の店での特定の飲料を飲む時,空腹時などは全く問題なく嚥下が出来た.また,発声時や構音時にはこのような喉頭の異常な下降運動を認めなかった.睡眠中にも唾液の誤嚥を思わせる咳嗽やムセは認めなかった.以上のことから,定型抗精神病薬長期服用による遅発性ジストニアにより嚥下時の喉頭下降という異常運動を生じ,嚥下障害を来したものと診断した.
  • 喉頭外傷
    大森 孝一
    2006 年 109 巻 11 号 p. 794-797
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 吉原 俊雄
    2006 年 109 巻 11 号 p. 798-799
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 黒野 祐一
    2006 年 109 巻 11 号 p. 800-801
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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