日本耳鼻咽喉科学会会報
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115 巻 , 5 号
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総説
原著
  • 大和田 聡子, 山本 昌彦, 鈴木 光也, 吉田 友英, 野村 俊之
    2012 年 115 巻 5 号 p. 534-539
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/06
    ジャーナル フリー
    更年期症状の一つにめまいがある. 更年期女性がめまい症状を訴える際に更年期障害と関連付けていることがあり, このような症例を神経耳科学的に診断し, 更年期障害としてのめまい症状についての特徴を検討した.
    対象はめまいを訴えて当科を受診した40歳から59歳の更年期女性413名である. このうち「更年期障害あり」は73名であり,「更年期障害なし」の340名と比較検討した.
    「更年期障害あり」のうちBPPVは41例 (56.2%), メニエール病は13例 (17.8%), めまいを伴う突発性難聴2例, 聴神経腫瘍1例, その他であった. BPPVは「更年期障害なし」の180例 (52.9%) とほぼ同じ割合であった. 一方, メニエール病は「更年期障害なし」の33例 (9.7%) と比較すると「更年期障害あり」の方が統計学的有意に多かった. 更年期障害はエストロゲンの欠乏によるホットフラッシュに環境要因 (職場や家庭でのストレス) や気質要因 (真面目, 几帳面) が影響して発症するとされているが, メニエール病も同様の発症要因が関係している. このため更年期障害のあるときにメニエール病が多いのではないかと推察した. また, 更年期障害のめまいの診察には婦人科と耳鼻咽喉科の連携が必要であると考えた.
  • 窪田 俊憲, 渡辺 知緒, 横田 雅司, 伊藤 吏, 青柳 優
    2012 年 115 巻 5 号 p. 540-545
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/06
    ジャーナル フリー
    突発性難聴に対してステロイド大量・PGE1併用療法を早期に開始することによる治療効果への影響を検討するために, 発症から7日以内に同治療を開始した174例の突発性難聴症例を解析した.
    「治癒」「著明回復」「回復」を合わせて「改善」,「不変」を「非改善」として, 改善の有無と治療開始までの期間, 年齢, 初診時聴力レベル, めまいの訴えの有無の4因子との関連を多重ロジスティック回帰分析で検討した. その結果, 治療開始までの期間および年齢と改善の有無との間に有意な関連が認められた. すなわち, 治療開始までの期間が短いほど, 年齢が若いほど治療効果が高くなるという結果であった.
    治療開始までの期間による治療効果の検討では, 発症3日以内に治療を開始した症例の治療効果が, 発症4~7日に治療を開始した症例よりも高かった (p<0.01). 50歳未満の症例では, 発症3日以内に治療を開始した症例の治療効果は, 発症4~7日に治療を開始した症例と比較して有意な差を認めなかった. これに対して, 50歳以上の症例では, 発症3日以内に治療を開始した症例の治療効果が, 発症4~7日に治療を開始した症例と比較して高かった (p<0.01).
    突発性難聴に対するステロイド大量・PGE1併用療法では, 発症7日以内よりも早期に, 特に, 50歳以上の症例では発症3日以内に治療を開始することで, より高い治療効果が得られるものと考えた.
  • 内水 浩貴, 小林 俊樹, 森 恵莉, 山田 裕子, 柳 清
    2012 年 115 巻 5 号 p. 546-551
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/06
    ジャーナル フリー
    【目的】頸部リンパ節腫脹を主訴で当科を受診した患者について検討し, さらにその結果をもとに頸部リンパ節腫脹を診療する上での注意点などについて検討を行った.
    【対象・方法】2005年4月から2010年3月までの5年間に頸部リンパ節腫脹を主訴に当科を受診した134例を対象とし, 疾患の内訳, 初診時の年齢, 病悩期間, 疼痛との関係, 画像診断検査, 穿刺吸引細胞診, リンパ節生検, 確定診断までに要した日数について検討した.
    【結果】134例中に炎症性疾患は109例81.3% (非特異的炎症96例, 特異的炎症13例), 悪性疾患は25例18.7% (転移性悪性腫瘍8例, 悪性リンパ腫17例) で認められた. 炎症性疾患群に比べ悪性疾患群では有意に病悩期間が長かった. さらに悪性疾患群に比べ炎症性疾患群では疼痛を認める症例が有意に多く認められ, 病悩期間が短い群ほど疼痛を認める症例が有意に多く認められた. 穿刺吸引細胞診は36例で施行されておりclass IIIと判定された7例すべてが, 最終的に悪性疾患と診断された. リンパ節生検は38例で施行され, 4例が転移性悪性腫瘍であった. 初診日から確定診断までに90日以上を要した症例が炎症性疾患で2例, 悪性疾患で2例認められた.
    【結論】頸部リンパ節腫脹を来す疾患は多岐にわたるため, 判断が難しい症例に対しては積極的にリンパ節生検を施行し, 早期診断に努めることが重要である.
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