耳鳴症例に岬角電気刺激を行い, 電気刺激前後で蝸電図を測定し, 電気刺激による耳鳴抑制のメカニズムについて考察した.
電気刺激により52名中27名 (51%) に耳鳴の後抑制が認められた. 耳鳴抑制群では電気刺激後, CAP振幅は有意に増大したが, 潜時は変化しなかった. 耳鳴非抑制群ではCAP振幅及び潜時は変化しなかった.
耳鳴抑制群でCAP振幅が増大し, 潜時は変化しなかったことから, 岬角電気刺激は蝸牛神経に直接作用したと考えられた. CAP振幅の増大が認められたことは, 通電中の蝸牛神経の同期性の高まりが通電終了後も持続していたことを示しており, 蝸牛神経の同期性と耳鳴抑制効果の間の関連性が示唆された.
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