食道静脈瘤に内視鏡治療を施行後,内視鏡的超音波カラードプラ法(ECDUS)による観察で胃壁内の供血路血流が残存するものの,噴門部で流出型の貫通血管を介し,傍食道静脈へ血流が連続する所見が認められた症例を経験した,このような血行動態を示した症例の頻度と静脈瘤再発との関連について検討を加えた.その頻度はECDUSで血行動態を解析できた215例中9例(4.2%)であった.経過観察で静脈瘤の再発は9例中1例(11.1%)であった.ECDUS所見を検討すると,静脈瘤非再発例では供血路血流と流出型の貫通血管に変化はみられず,食道静脈瘤の血流信号も観察されなかった.これに対し,静脈瘤の再発が確認された症例では貫通血管の血流方向は流出から流入に変化し,食道静脈瘤の血流信号も観察された.
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