日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
55 巻, 7 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
総説
  • 矢野 智則, 山本 博徳
    2013 年55 巻7 号 p. 1961-1968
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    capsule endoscopy(CE)とdevice assisted enteroscopy(DAE)の登場により,小腸疾患の診断・治療戦略は大きく変化してきた.2012年7月にはpatency capsuleの本邦導入に伴って,CEの保険適応が拡大され,多くの小腸疾患に使用可能になった.低侵襲なCEと,内視鏡処置が可能なDAEはお互いに補完し合うものであり,両者をうまく組み合わせて診療を行っていくべきである.小腸内視鏡は小腸出血,小腸腫瘍・ポリープ,ポリポーシス,炎症性腸疾患の診療に有用である.さらには,小腸疾患だけに留まらず術後再建腸管を有する例でのERCPや,挿入困難例での大腸内視鏡へも応用され,革命的な成果が報告されている.
原著
  • 白石 慶, 藤本 憲史, 青山 浩司, 松本 俊彦, 浦山 直樹, 牟田口 真, 中村 綾子, 保利 喜史, 小田原 満, 吉田 智治
    2013 年55 巻7 号 p. 1969-1979
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    【目的】低用量アスピリン起因性胃十二指腸潰瘍出血症例の臨床像の検証.【方法】内視鏡的止血術を施行した低用量アスピリン服用中の出血性胃十二指腸潰瘍231例を対象とし,臨床像と問題点を検討した.【結果】91例は併存疾患で入院中に発症(院内発症)した.23例は死亡退院した.うち7例は内視鏡的に止血不能で,残り16例は止血し得たが,出血を契機に併存疾患の悪化,感染症や血栓塞栓症の合併により死亡した.Charlson Comorbidity Index,腎不全(血液透析),多発性出血病変の存在,院内発症が死亡退院に関与した.7例で,出血に伴い抗血栓薬を休薬中に血栓塞栓症を合併した.【結論】腎不全(血液透析)など併存疾患の多い症例や院内発症例は出血を契機に死亡するリスクが高く,出血予防,併存疾患や合併症に対する管理が必要である.迅速,確実な止血と止血達成後の早急な抗血栓薬の再開も重要である.
  • 原田 学, 山川 良一, 河内 邦裕, 入月 聡
    2013 年55 巻7 号 p. 1980-1985
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    【目的】高齢者に対するESDの安全性を明らかにする.
    【対象と方法】2007年2月から2011年3月までに当院にてESDを施行した胃腫瘍性病変235例299病変を対象とした.80歳以上の症例を高齢群,70歳未満の症例を非高齢群とし,両群間における治療成績に関して比較検討を行った.
    【結果】基礎疾患を有した症例は非高齢群に比べて高齢群で有意に多く認められたが,基礎疾患の有無に関わらず高齢群と非高齢群の間で,一括切除率・一括完全切除率・切除平均時間・偶発症の発生頻度・在院平均日数に有意差は認められなかった.
    【結語】高齢者においても比較的安全にESDを施行することができると考えられた.
症例
経験
  • 宮田 忠幸, 矢島 健広
    2013 年55 巻7 号 p. 2024-2029
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    右側結腸の悪性消化管狭窄8例に対し,シングルバルーン小腸鏡を用いて大腸ステントの挿入を行った.経肛門的にバルーン小腸鏡を挿入した.狭窄部に内視鏡を通過させ,狭窄部口側にバルーン小腸鏡のover tubeを挿入しバルーンを拡張した.狭窄部に内視鏡もしくはover tubeが通過しない場合には狭窄部肛門側でバルーンを拡張した.どちらにおいてもバルーンを拡張した後,狭窄部にガイドワイヤーを通し,ガイドワイヤーとover tubeを残しながら内視鏡を抜去し,ガイドワイヤーを用いてover tube内にステントのデリバリーを挿入した.この方法により右側結腸に大腸ステントを挿入することが可能であった.
  • 島田 守, 高尾 美幸, 阪口 正博, 恩田 紗緒里, 平川 富夫, 門田 和之, 丸山 憲太郎, 権 五規, 李 喬遠, 岡 博史
    2013 年55 巻7 号 p. 2030-2035
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    WallFlex colonic stent(Boston Scientific)が2012年1月より保険適用となり,10例の大腸癌イレウスに対して留置を行ったのでその成績を報告する.対象は,2011年11月より2012年8月までの10症例.年齢は35歳~83歳(平均63.7歳)で,男性6例,女性4例.部位は,横行結腸2例,下行結腸2例,S状結腸5例,直腸癌にて低位前方切除術後の吻合部1例.ステント留置は,10例中10例(100%)に成功.全例とも経口摂取を開始.吻合部再発例は仙骨への浸潤があり化学放射線療法を開始し,残りの9例は,全例に一期的な待機的手術(Bridge to surgery,BTS)が可能であった.癌の深達度はSS7例,SE2例.進行度は,Stage IIが3例,Stage IIIaが1例,Stage IVが5例.金属ステント留置術は,減圧や患者のQOLが良好であった.
注目の画像
手技の解説
  • 山本 夏代, 伊佐山 浩通, 小池 和彦
    2013 年55 巻7 号 p. 2040-2049
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    内視鏡的ネクロゼクトミーは手技や機器の発達により普及しつつある治療法である.膵仮性嚢胞に感染を併発した膵膿瘍や,壊死性膵炎などに伴う壊死組織を伴う液体貯留の場合,内部に壊死物質が貯留しており,ドレナージのみでは嚢胞の消失や寛解が得られない場合が多く,これらの場合の症例に対し,低侵襲の内視鏡的ネクロゼクトミーの有用性の報告が見られている.本稿では具体的な手技について解説した.EUSガイド下に瘻孔を拡張し,EUSガイド下に嚢胞を穿刺し,瘻孔拡張を行い内視鏡を直接嚢胞腔に挿入する.鉗子を用い,腔内の壊死物質の除去を行う.治療後はドレナージチューブや潅流用の経鼻ドレナージチューブを留置する.治療は複数回に渡り,その間の全身状態の管理も重要である.近年は専用のメタリックステントなどの開発も進んでいる.まだエビデンスが得られていない手技であり,今後の症例の蓄積や標準術式の確立が望まれる.
資料
  • 野中 康一, 新井 晋, 伴 慎一, 北田 英貴, 名本 真章, 永田 耕治, 落合 康利, 外川 修, 中尾 将光, 西村 誠, 石川 恵 ...
    2013 年55 巻7 号 p. 2050-2060
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】胃腺腫と高分化型腺癌を内視鏡的に鑑別することは非常に困難なのが現状である.胃腺腫と高分化型腺癌の鑑別が必要と考えられる病変群に対してNarrow Band Imaging(NBI)併用拡大観察を施行し,われわれの提唱するType分類が胃腺腫と高分化型腺癌の鑑別に有用かを前向きに検討した.
    【方法】2008年11月~2009年12月までの14カ月間に3施設にて内視鏡治療を予定された胃上皮性腫瘍のうち,胃腺腫と高分化型腺癌の鑑別が必要な病変93例を対象とした.
    NBI併用拡大観察における粘膜微細構造と微小血管像の複合所見から当院提唱のType分類を行い,Type I,IIは胃腺腫,IIIからVは高分化型腺癌と内視鏡治療前に診断し,術後の病理組織の結果との正診率を前向きに検討した.
    【結果】93例中87例が5つのTypeに分類可能であったが,われわれのType分類では分類不能な症例が6例存在した.Type別の内訳はType I:16例,Type II:12例,Type III:29例,Type IV:27例,Type V:3例であった.Type I・IIを術前に腺腫と診断した場合,正診率は79%.Type III~Vを高分化型癌と診断した場合の正診率は93%であった.
    【結論】NBI観察に基づくType分類は,胃腺腫と高分化型腺癌の内視鏡的鑑別に有用である.
内視鏡室の紹介
最新文献紹介
feedback
Top