日本消化器内視鏡学会雑誌
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43 巻, 8 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 三島 利之, 長南 明道, 安藤 正夫, 田村 知之, 日下 利広, 野口 哲也, 渋谷 大助, 望月 福治
    2001 年 43 巻 8 号 p. 1257-1267
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    EMRの適応拡大の可能性を求め,十分なリンパ節郭清を伴う外科手術がなされた単発早期胃癌503病変(m癌:321,sm癌:182)を対象に,リンパ節転移陰性の条件を検討した.その結果,(1)大きさ40mm未満のI型m癌,(2)浸潤が4000μm未満で大きさが52mm未満のI型sm癌,(3)すべてのIIa,IIb型,(4)すべてのUl(-)陥凹分化型m癌,(5)浸潤1800μm未満のUl(-)陥凹分化型sm癌,(6)すべてのUl(-)陥凹未分化型m癌,(7)UlII-2までのUl(+)陥凹分化型m癌,(8)浸潤1000μm未満でUlII-2までのUl(+)陥凹分化型sm癌,(9)UlII-2までのUl(+)陥凹未分化型m,sm癌においてリンパ節転移陰性であった.これに文献的考察を踏まえEMRの適応拡大が可能と考えられる病変は,(1)IIa,IIb型M癌,(2)Ul(-)陥凹分化型M癌,(3)大きさ40mm以下のUl(-)陥凹未分化型M癌,(4)Ul II-1までのUl(+)陥凹分化型M癌であった.
  • 東 征樹, 東田 元, 住古 健一, 作本 仁志, 小坂 星太郎, 加藤 周子, 若原 成行, 高橋 利彰, 松本 啓一, 矩 照幸, 山本 ...
    2001 年 43 巻 8 号 p. 1268-1273
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は64歳男性.胃幽門前庭部前壁のIIa+IIc型胃癌に対して,幽門側胃切除術を施行した.切除標本では癌腫の深達度はsmで,免疫組織染色により粘膜上部から粘膜下層までひまん性にAFP陽性であった.血清AFP値は170ng/mlと高値であったか,術後まもなく正常化平成12年10月まで肝転移を認めていない.AFP産生胃癌肝転移率が高く,また診断時には進行癌である場合が多い.今回われわれは脈管浸潤が高度であったにもかかわらず,術後41カ月にわたって無再発生存中である胎児胃腸管型癌と考えられたAFP産生早期胃癌の稀な1列を経験したので報告する.
  • 富永 現, 松永 厚生, 野村 美樹子, 内海 潔, 野田 裕, 小林 剛, 木村 克巳, 結城 豊彦, 佐藤 匡, 石田 一彦, 藤田 直 ...
    2001 年 43 巻 8 号 p. 1274-1280
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    患者は50歳,男性.腹部膨満感を主訴に近医を受診した.大腸内祝鏡検査で粘膜下腫瘍を指摘され,精査加療目的に当院へ紹介となった.大腸内視鏡検査では下行結腸に約10mmの正常粘膜に被われた半球状の隆起性病変が見られ,頂部に小さな陥凹伴っていた,盲腸にも約6mmの正常粘膜に被われた半球状の隆起性病変が見られたが,びらん・陥凹は認めなかった.20 MHzの細径超音波プローブによる体腔内超音波検査で両病変とも粘膜下層内に限局する腫瘤であることが確認されたため,内視鏡的摘除を施行した.病理組織学的に下行結腸め病変はglomus腫瘍と,盲腸の病変は神経線維腫と診断された,いずれも大腸において非常に稀な病変と考え報告した.
  • 藤野 靖久, 折居 正之, 中村 眞一, 菅井 有, 斉藤 慎二, 山口 隆将, 野呂 明広, 石井 基弘, 猪股 正秋, 鈴木 一幸
    2001 年 43 巻 8 号 p. 1281-1286
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    大腸inflammatory myoglandular polypはNakamuraらに提唱されて以来43例の報告があり,自験例を加えた48例について臨床病理学的,内視鏡的検討を行った.平均年齢は51歳で男性に多かった.症状は出血が多く,発生部位は1例を除いて直腸から横行結腸で,すべて単発であり,多くは有茎性であった.内視鏡所見は表面平滑で発赤し,一部にびらんを伴い,時に分.葉していた.現在までに悪性化例の報告は認められない.
  • 大重 和典, 野口 昌宏, 中原 信昭, 井手 法子, 川畑 拓也, 春松 英寿, 福田 芳生, 美園 俊明, 有馬 暉勝
    2001 年 43 巻 8 号 p. 1287-1292
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は74歳男,主訴は軟便.重症筋無力症の治療中,頻回の軟便が出現した.患者は4カ月以上にわたってブレドニゾロン,アザチオプリンを投与されていた.治療前の注腸X線検査でニッシェと回盲部の変形を認めた.大腸内視鏡検査で広く深い潰瘍と回盲弁の開大を認めた.生検の病理組織標本で栄養型赤痢アメーバ虫体を認めアメーバ赤痢と診断された.症状は20日間のメトロニダゾールの投与により消失した.治療後の注腸X線検査,大腸内視鏡検査で潰瘍は改善傾向を認め,生検の病理組織標本で赤痢アメーバ虫体は認めなかった.免疫力の低下した患者における消化管症状では,アメーバ赤痢も鑑別に挙げなければならないと考えられた.
  • 菊山 正隆, 松林 祐司, 影山 富士人, 住吉 信一, 萱原 隆久, 熊岡 浩子, 小川 薫
    2001 年 43 巻 8 号 p. 1293-1298
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    治癒切除不可能な近位横行結腸癌による狭窄症状の緩解を目的に,3例にexpandable metal stent(EMS)を留置した.2例は留置後数目で経口摂取が可能になり退院した.1例は留置5日後に心筋炎による急性心不全で死亡した.難しいとされる横行結腸へのEMS留置には,腸管をたわませない,デリバリーシステムの滑りをよくする,あるいは長さを延長するなどの工夫が有効であった.
  • 上田 モオセ, 渡辺 亨, 丸井 清高, 今田 祐子, 露口 隆一, 森 由美子, 小林 正夫, 湯川 永洋, 高島 澄夫, 日月 亜紀子, ...
    2001 年 43 巻 8 号 p. 1299-1305
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は59歳女性.慢性関節リウマチの治療中に,食思不振を主訴に来院した.血液検査ではCA19-9が1,075U/ml,DUPAN-IIが595U/mlと上昇しており,US,CTで膵全体の腫大を認めた.ERPではび漫性の主膵管の壁不整と狭細化を,DICでは膵内胆管の締め付け様狭窄を認めた.膵管狭細型慢性膵炎と診断し,ステロイド内服治療を行ったところ膵腫大や主膵管の狭細化,胆管の狭窄は改.善し,腫瘍マーカーも正常範囲内に低下した.
  • 浮川 雄生, 志村 純一, 井上 博和, 石黒 淳林, 前谷 容, 五十嵐 良典, 酒井 義浩
    2001 年 43 巻 8 号 p. 1306-1311
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    1998年11月より新しい高周波手術装置 (ICC200,ERBE社製) を用いてESTを施行し、安全性について従来型の装置UESlO (OLYMPUS光学社製) と比較した.ICC2001は組織との接触抵抗による電流,電圧の変化を自動制御できることが特徴である.対象は1999年10月までに当科でESTを施行した各群56例,計112例である.内訳において両群に男女比の他は年齢,原疾患,総胆管径,使用したパピロトームなどに差はなかった.両群とも穿孔例はなかった.術後膵炎の発生頻度はUES10群で3.6%,ICC200群で1.8%で,いずれも軽症だった.術後出血は両群とも輸を要する例はなく,止血術を要したものはUES10群で5.4%,ICC200群で1.8%であった.新しい高周波手術装置 (ICC200) によるESTは偶発症を低下させる可能性が示唆された.
  • 河相 恵子, 道尭 浩二郎, 二宮 常之, 堀池 典生, 砂山 敬之, 灘野 成人, 岡川 眞一, 宮岡 弘明, 川中 美和, 谷水 正人, ...
    2001 年 43 巻 8 号 p. 1312-1316
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡検査の有用性と今後の適応の検討を11的として,.愛媛県下の腹腔鏡検査を行っている主要病院10施設にアンケートを行った.腹腔鏡検査件数は1995年をピークに減少する傾向にあった,減少した原因として生検を要ずる慢性ウイルス肝炎患者数の減少,他の画像診断の発達,多忙による検査時問の減少,侵襲が大きいなどがあげられた.適応となる疾患は原発性胆汁朝1肝硬変(PBC),自己免疫性肝炎(AIH),代謝性肝疾患,原因不明の肝障害はよい適応であるという回答が得られた.当科のPBC雇AIH,原因不明の肝障害の検討においても,病変の偏在があるため生検のみでは診断困難な例が存在し,これらの疾患の診断には腹腔鏡検査は有川であると考えられた.
  • 2001 年 43 巻 8 号 p. 1322-1325
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 43 巻 8 号 p. 1326-1330
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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