日本消化器内視鏡学会雑誌
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23 巻, 5 号
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  • 河村 奨, 永冨 裕二, 有山 重美, 東 光生, 播磨 一雄, 川嶋 正男, 前谷 昇, 相部 剛, 森戸 正俊, 清水 道彦, 天野 秀 ...
    1981 年 23 巻 5 号 p. 631-637
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    ラットに比較的大量のガストリンをあたえると,“parietal cell mass”の増生,つまりtrophic effectが認められている.それとあわせて人の胃において,萎縮してしまった粘膜に胃底腺の再生が起こりうるものであるか,興味がもたれるところである.そこでわれわれは,特殊な条件下ではあるが,高ガストリン血症下にある腎透析患者の胃粘膜の状態を,内視鏡的コンゴレッド法・胃生検にて組織学的に検討するとともに,胃液検査・血清ヒスタミン・血清ガストリンを測定し機能的にも検討を加えた.その結果,内視鏡的萎縮パターンは組織学的にもよく裏付けされているとともに,年齢構成からみても圧倒的にC1 groupが多く,胃底腺の増生あるいは再生の可能性が示唆された.機能的にはクレアチニン値に比例して血清ガストリンは高く,血清ヒスタミンも正常人に比し高値を示していたが,胃酸分泌能は低下傾向であることがうかがえた.
  • 折居 和雄, 高瀬 靖広, 名越 和夫, 轟 健, 更科 広実, 竹島 徹, 尾崎 梓, 深尾 立, 岡村 隆夫, 岩崎 洋, 中原 朗, ...
    1981 年 23 巻 5 号 p. 638-645
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    われわれは内視鏡的に消化管に凍結治療を行なうことを目的として内視鏡的凍結治療装置の開発を試みた.凍結方式は考察した凍結プローブを鉗子孔より挿入し,直視下にContact freezingを行なうものである.冷却剤には炭酸ガスを使用し,20kg/cm2の圧でプローブ先端の温度は-63℃ が得られた.本装置による食道・胃粘膜に対する効果と安全性を成犬10頭を用いて実験したところ,3分間および5分間凍結により潰瘍が形成されるが出血,穿孔はみられなかったので臨床的に応用しうると思われた.上部消化管狭窄3例(良性2例,悪性1例),胃粘膜下腫瘍1例に対し凍結治療を行なった.その結果良性狭窄の解除および胃粘膜下腫瘍の潰瘍形成については有効であるが悪性狭窄にっいては無効であろうと考えられた.
  • 斉藤 満, 飯田 洋三, 竹内 憲, 多田 正弘, 原田 元, 後藤 一紀, 佐高 マリオ, 榊 信広, 岡崎 幸紀, 竹本 忠良, 加藤 ...
    1981 年 23 巻 5 号 p. 646-650_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    胃癌浸潤囲の決定とくに口側癌浸潤囲の決定は手術時の切離線の決定,断端部癌防止のうえで重要ある。である. われわれは胃癌156例に対し手術時切離線の決定を目的とし内視鏡的癌浸潤範囲より口側約2cmの部(内視鏡的口側非癌部)の直視下生検を行い,少くとも粘膜内の癌の存在の否定とともに同部に点墨法を施行し手術時の示標とした.加えて切除材料を用い癌浸潤範囲と点墨部の関係について検討した. 胃癌156例中,直視下生検灘て1例に癌浸潤を認めた.また手術可能であった125例について切除材料を用いて点墨部と癌浸潤範囲についてみると,1例に点墨部を越えて癌浸潤を認めた.この2症例はともにBorrmann4型胃癌で組織型はsignet ring ull carcinomaであった.
  • 岡田 勝弘, 須藤 洋昌, 内藤 英二, 布施 好信, 福田 新一郎, 児玉 正, 竹田 彬一, 郡 大裕, 瀧野 辰郎, 川井 啓市
    1981 年 23 巻 5 号 p. 653-657_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    ERCPにおける造影能の向上のために種々の十二指腸ファイバースコープが開発されているが,視野角105度の広角十二指腸ファイバースコープFD・QBを用いてERCPを行ない検討した.膵・または胆道系疾患を疑われる125症例に140回施行し,挿管率は136回(97%),造影成績は胆管113回(80.7%)・膵管118回(84.3%),目的別造影成績は胆管105回申95回(90.5%)・膵管35回(100%),膵・胆道系悪性腫瘍18例は全例目的造影に成功した.広角のため十二指腸下行脚への挿入・乳頭の発見は容易であり,胆道造影の位置への移行・保持も安定して行なえ,挿管に必要な乳頭開口部の観察位置へも十分接近できた.この安定した観察能と操作性を利用してESTを3例に行ない全例一回の施行で結石消失をみた.膵管造影にややてまどる傾向はあるが,ERCPにおいてことに胆管造影率の向上及びEST施行上,効果的に使用し得る器種と考えられた.
  • 沼 義則, 小田 正隆, 江崎 隆朗, 宮崎 正子, 坪田 若子, 安藤 啓次郎, 松田 彰史, 森本 哲雄, 渡辺 精四郎, 福本 陽平, ...
    1981 年 23 巻 5 号 p. 658-662_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    発癌過程における肝癌発生に特徴的な肝表面の変化を検討するため,3'-Me-DAB発癌ラットの肝表面を,細径ファイバースコープでもって経時的に観察し,既報においてhyperplastic noduleまでの発癌過程において肝裏面に散在性に発赤部の出現することを報告した,今回は,腹腔鏡下直視下肝生検法を開発し,同発赤部および非発赤部の組織学的検討を行なった.その結果,発赤部は非発赤部に比し増殖旺盛な細胞集団であることが証明された.またhyperplastic noduleから肝癌に至るまでの腹腔鏡的変化を観察し,まずhyperplastic noduleの周囲に血管の増生を認め,しだいに表面に凹凸不整を生じ,表面の血管増生も著しくなり,肝癌の像を示すことがわかった.発癌過程における血管構築の変化としては,発赤の時期より同部は肝動脈支配となることが示唆され,hyperplastic noduleおよび肝癌の周囲および表面に肝動脈由来の著明な細血管の増生がおこることが証明された.
  • 浅木 茂, 西村 敏明, 佐藤 彰, 岩井 修一, 北村 英武, 増田 幸久, 迫 研一, 佐藤 玄徳, 渋木 諭, 榛沢 清昭, 大方 俊 ...
    1981 年 23 巻 5 号 p. 665-670_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    高周波電流による内視鏡的ポリペクトミーにおける大出血や穿孔を防止する目的でポリープの基部に2本のスネァーをセットしてポリペクトミーを行なう方法を考案した.この方法はあらかじめビニールで絶縁処置を施したスネァーをセットし絞扼することによってポリープの血流を遮断する.つぎに電気メスとして使うスネアーをセットし,Figure2のように2本のスネァーをほぼ平行にセットしてポリペクトミーする方法である.1975年以降これまでに37例41個に本法をおこない7例の大出血を回避しえた.われわれはとくに大出血の危険の高い最大径15mm以上の0リープのポリペクトミーに本法を用いている.高周波電流によるポリペクトミーにおける偶発症のうち回避すべき大出血や穿孔を防止するのにきわめて有用と考えられた.本法を用いるようになってから大出血例は皆無となり,高周波ポリペクトミーにおける大きさの適応制限はほとんどなくなった.今後,とくに穿孔の危険のある大腸のポリペクトミーにおいて穿孔を防止するのにも有用と考えられたので報告した.
  • 野村 幸治, 渡辺 正俊, 小田原 満, 藤田 潔, 針間 喬, 内田 善仁, 藤川 佳範, 河野 裕, 竹本 忠良
    1981 年 23 巻 5 号 p. 671-676_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    過去3年間に,抗生物質が原因と考えられる腸炎,20症例を経験し,全例,内視鏡下にて経過を追うことができた. 本症の内視鏡像はこれまでpseudomembranous colitisとnon-pseudomembranous colitisに大別して観察されていたが,後者についてさらに(1)non-spedis type(2)aphtoid colitis type(3)linear ulcer or linear erosion typeの3つのタイプに分類し,比較検討をおこない症例を供覧する. いずれのタイプも,基礎疾患,抗生物質の種類,投与量,投与方法との関連はなかった.しかし,年齢,発症から治癒までの期間については若干の傾向がみられた. 一既に,薬剤性腸炎といっても,その発生機序は一律ではないと考えられ,内視鏡像の詳細な分析をおこなうことも本症発生機序を考えるうえで重要と考え報告する.
  • 篠原 昭博, 有正 修道, 幸田 寿子, 塚本 真言, 石賀 光明, 山本 和秀, 山本 俊, 山本 武彦, 小林 敏成, 坂本 武司
    1981 年 23 巻 5 号 p. 677-685
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    内視鏡下に発見した胃内の胆石を,バスケット型把持鉗子を用い,内視鏡的に摘出し得た症例を経験した. 症例は65歳の女性で,発熱,体重減少,上腹部痛を主訴に入院した.腹部単純X線写真で右季肋部に胆石と思われる石灰化陰影を認めた.胃X線検査では嘔気が強く,かっ胃内に食物残渣を認め充分な検討が不能であったが,内視鏡検査で胃内に黒色調の異物を認めた.胃粘膜は正常であったが,十二指腸球部後壁には粘膜の発赤を認めた.内視鏡的に摘出した異物は大きさ2.7cm×2.4cm×2.0cm,重さ7.45g,比重1.037であった.成分分析の成績および形態所見からコレステロール系の胆石であることが証明された.胆嚢摘出術を施行した際,多数の胆石を有し十二指腸球部後壁に癒着した胆嚢を認めたが,癒着部位にも他の部位にも瘻孔の形成は認められなかった.本症例の胃内胆石は先ず十二指腸内に移行し,胃幽門輪を逆行し,胃に入ったものと推定された.
  • 川浦 幸光, 金子 芳夫, 岩 喬
    1981 年 23 巻 5 号 p. 686-690
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    隆起性胃癌の内視鏡所見と組織型を比較検討した.隆起性胃癌38例を対象とし,内視鏡的検査時における表面の性状,色調の変化,粘膜の立ち上りなどの所見が,病理組織型とどのように相関するかを検討し,次の結論を得た.(イ)隆起性病変の表面の性状は,分化型においては表面平滑であり,未分化型では結節状の凹凸不整を有する頻度が高い.(2)色調の変化は分化型では正常粘膜と変らないが,未分化型のものは褪色している例が多い.(3)粘膜の立ち上り部が堤防状隆起を呈した場合は未分化型が多いと言える. 以上のように胃内視鏡検査に当っては,病変の良悪の判断にとどまらず,組織型をも念頭におくべきと考える.
  • 西村 敏明, 浅木 茂, 岩井 修一, 佐藤 玄徳, 渋木 諭, 増田 幸久, 榛沢 清昭, 迫 研一, 北村 英武, 大方 俊樹, 佐藤 ...
    1981 年 23 巻 5 号 p. 691-694_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Inflammatory Fibroid polypは,消化管のなかでも取り分け胃に発生する頻度が高いが,その成因に関しては,今日でも未だ不明の点が多い.そのため,1920年のKonjetznyの初報告以来,種々の名称が与えられてきた. また,本疾患は一般に粘膜下腫瘍の形態をとることが多く,従来通常の内視鏡を駆使してもその質的診断は甚だ困難であった. われわれは当教室において経験し得た7例の本疾患に対し内視鏡的ポリペクトミーを施行したが,術前に拡大内視鏡等を用い,その特徴的所見から2例を本症と診断し得たので,その内視鏡所見を中心に,臨床所見,回収標本の組織像,術後経過を若干の考察を加えて報告する.
  • 山内 一明, 藤見 是, 江村 武志, 谷川 久一
    1981 年 23 巻 5 号 p. 695-700_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Cronkh'te-Canada症候群は,非遺伝性疾患であり,広範な消化管のpolyposisに,外胚葉性変化を伴なう比較的稀な疾患とされている. 症例は,63歳女性.口腔内乾燥感および口腔内異和感で初発し,下痢,食思不振,休重減少,頭髪脱毛,爪甲萎縮脱落を来した. 上部消化管X線検査において,3.5ヵ月の短期間に,4~5mmの小顆粒状隆起性病変は,明らかな増大傾向を示した.臨床検査所見では,貧血,低蛋白血症を示していた.胃液検査においては,低酸であり,胃液内蛋白質が増加し,空腹時血中ガストリン値は,著しい高値を示した. polypの組織所見では,腺腔は拡張し,問質は,浮腫状であり,小円形細胞浸潤が著しかった.肝の組織所見では,著明な脂肪変性を認めた.著者らは,以上の如きCronkhite-Canada症候群の一例を経験したので,文献的考擦を加えて報告する.
  • 楠神 和男, 桑原 由孝, 吉岡 健太郎, 赤尾 幸博, 黒川 晋, 岡 勇二, 伊藤 庄三, 宇野 裕
    1981 年 23 巻 5 号 p. 703-707_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は56歳の男性.右自然気胸のため入院中,上部消化管透視にて胃前庭部に約1cmの小隆起性病変を認めた.胃内視鏡では胃前庭部前壁に,ほぼ球形で,光沢のある表面平滑な腫瘤が見られ,生検鉗子で圧迫すると容易に凹みを生じ,軟らかい内容を含む粘膜下腫瘍が疑われた.また胃体下部から胃前庭部にかけて,多発性のキサントーマの合併を認めた.診断確定のため,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.切除された腫瘤は長さ10mm,幅8mm,高さ9mmのほぼ球形の病変であり,粘膜筋板下に径約7mmの単房性の嚢胞が認められた.嚢胞は一部扁平な,一部円柱状の一層の上皮細胞から成って=おり,PalmerのSimple retention cyst,野村の胃腺の貯溜嚢胞に相当するものと考えられた.近年,'内視鏡的ポリペクトミーの普及に併い,一部の粘膜下腫瘍もその対象に含まれる様になってきたが,内視鏡的ポリペクトミーによって診断された胃嚢胞は稀れであり,ここに報告する.
  • 山元 章生, 木梨 守, 志村 秀彦
    1981 年 23 巻 5 号 p. 708-712_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    58歳男性.胆嚢結石の診断にて胆嚢摘出術を施行し2年後に右上腹部痛,高熱,黄疸とさらに意識混濁とショック状態というRaynoldsの五徴を主訴して来院した.入院時検査では白血球13 ,800と上昇し核の左方移動は著明であった.総ビリルビン値18.9mg/dl,直接ビリルビン値15.4mg/dl ,A1-P20,血中アミラーゼ2,713 IUと閉塞性黄疸のパターンを示したため腹部CTを施行すると肝内外胆管および主膵管の著明な拡張と同時に膵内胆管に高吸収域の部位を認めたため総胆管末端部に結石嵌頓を疑い十二指腸ファイバースコピーを試みた.十二指腸乳頭部に露出した結石の一部を認めたので内視鏡的に乳頭括約筋切開術(EST)を施行し嵌頓結石を除去し得た.本症例は臨床所見より急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)であるが,CTにて十二指腸乳頭部への結石の嵌頓を疑いESTにて重篤なる急性胆管炎の状態を脱し得た興味ある症例と思われる.
  • 長沢 貞夫, 吉田 行雄, 田中 昌宏, 野上 和加博, 堀口 正彦, 古杉 譲, 関 秀一, 井戸 健一, 山中 桓夫, 酒井 秀朗, 木 ...
    1981 年 23 巻 5 号 p. 713-718_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    大腸憩室症と大腸の多発性腺管腺腫及び腺腫内癌のpolypの三病変を併発した,稀なかっ興味ある症例を経験した. 症例は,66歳の男性で,血便を主訴として当科を受診したが,注腸造影及び内視鏡検査の結果,大腸憩室症及び大腸polypと診断された.polypは7個あり,うち1個のpolypは,表面が出血性であり,病理組織学的には腺腫内癌であった.他のpolypは,腺管腺腫であり,径の小さい4個のpolypの上皮は中程度の異型性を示し,これらよりやや大きい2個のpolypの上皮は高度異型性を示した.腺腫内癌のpolypの径は,最も大であった. 三病変は,共に左側結腸内に認められ,比較的近接して存在しており,それらの間の位置的関係並びに病因論的関連性を考察した.
  • 星 治, 古賀 清, 福田 定男, 山川 隆, 宮嶋 勲, 吉田 友彦, 斉藤 利彦, 芦沢 真六, 南 康平, 高橋 武宣, 高山 欽哉
    1981 年 23 巻 5 号 p. 721-727_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    肝・胆・膵疾患の診断に際し,超音波検査が広く臨床に用いられるようになったが,腹壁からの走査であるため消化管内ガスや皮下脂肪が障害となり,小病変の描出や質的診断を困難にしている.とりわけ膵を走査する場合にはこれらの障害を受けやすい.今回,これらの障害を防止し,かっ近接部からの走査を目的とした,超音波内視鏡を使用する機会を得たので,本法の膵を中心とした超音波診断の可能性について検討を加えた.試作機は, 内視鏡(GF-B3)の先端部に振動子を内蔵させたものでメカニカルセクタ走査方式を採用している.実際の走査にあたり,まず実験モデル,ついで剖検例,手術例,臨床例に使用したが,解像能は比較的良好であり,胃壁,膵・肝,大動脈,脊椎の同定が可能であった.しかし,画像の安定性に難点があり,また,走査の表示範囲が90°と狭いことや検者にとって走査方向の把握が難しいことなど問題点が多く,診断能を向上させ実用化するためには今後,積極的な改良が必要である.
  • 相部 剛, 江崎 隆朗, 佐高 マリオ, 天野 秀雄, 川嶋 正男, 永冨 裕二, 播磨 一雄, 東 光生, 前谷 昇, 有山 重美, 富士 ...
    1981 年 23 巻 5 号 p. 728-735_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    われわれは,オリンパス社とアロカ社によって開発された超音波内視鏡を試用する経験をえた.超音波内視鏡検査と腹部超音波検査を同時に施行することによって,内視鏡走査部位を確認し,適確に目的とする臓器の超音波内視鏡画像を得ることができることがわかった.そこで,膵胆道系疾患をもった10症例を選択して,われわれ独自の方法で超音波内視鏡の臨床応用に取り組んだ.このうち1例は,内視鏡を十二指腸下行脚のVater乳頭部まで挿入し,同部より膵頭部の画像を描出させることに成功した.この1例は,本邦初の報告例と考えられるが,この症例をふくめた10症例に対する成績について報告した.
  • 生沢 啓芳, 生田目 公夫, 草刈 幸次
    1981 年 23 巻 5 号 p. 736-740_1
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    旭光学工業より開発された細径の大腸ファイバースコープModel FS-34Aは主として直腸,S状結腸の観察と処置を目的としたものである.われわれは150症例について本器種の性能を臨床的に検討した.本器腫には次のような特徴がある.(1)細径であり,適当な硬度がある.(2)広い視野角がある.(3)彎曲内径が小さい.(4)外力により彎曲する第2彎曲部がある,などである.したがって腸管方向の確認が容易となり挿入しやすく短時間に下行結腸移行部まで観察できる.また視野も明かるく記録性にすぐれているので,Proctosigmoidoscopeとして充分その目的に適うものである.さらに本器種は直腸,S状結腸における反転も容易で直腸下端の病変や従来不可能であった病変の口側方向からの観察が可能となり,同部位病変の診断能の向上に寄与できるものと考える.
  • 1981 年 23 巻 5 号 p. 741-747
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 23 巻 5 号 p. 748-757
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 23 巻 5 号 p. 757
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 23 巻 5 号 p. 758-770
    発行日: 1981/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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