日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
21 巻, 12 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 谷村 仲一, 村上 尭
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1407-1414_3
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     われわれは,過去2年間に吐血下血を主訴として搬入された上部消化管出血100例に緊急内視鏡検査を施行,そのうち出血性胃炎15例,胃潰瘍21例,十二指腸潰瘍9例,胃癌3例,マロリー一ワイス症候群4例に対し,われわれの提唱する経胃管的抗潰瘍剤止血剤の大量投与法と内視鏡的高周波焼灼止血法を施行し対処したが,全例止血可能であった. 経胃管的抗潰瘍剤止血剤の大量投与法のみにより対処したのは出血性胃炎15例,胃潰瘍11例,十二指腸潰瘍7例,胃癌2例,であり,内視鏡的高周波焼灼止血法を併用したものは胃潰瘍10例,十二指腸潰瘍;2例,胃癌1例,であった.一方内視鏡的高周波焼灼止血法のみを施行したマロリーワイス症候群の4例も完全止血に成功し,これらの症例のうち,出血性胃炎15例,胃潰瘍;17例,十二指腸潰瘍7例,マロリーワィス症候群4例は,保存的療法のみにより治癒した.特に今回,出血性胃潰:瘍をVI型に分類し,持続する出血を認めるI型,II型にのみ内視鏡的高周波焼灼止血法が必要であり,他は,経胃管的抗潰瘍剤止血剤の大量投与法単独でも止血可能であることを強調した.
  • 大下 芳人, 岡崎 幸紀, 河原 清博, 平田 牧三, 飯田 洋三, 沖田 極, 榊 信広, 河村 奨, 竹本 忠良
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1419-1424
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     レーザー光凝固による内視鏡的止血法の対象として最も重要となる出血胃潰瘍の露出血管の状態について,切除胃を用いて検討を加えた. 対象は切除胃71症例78病変で,その性別は男性61例,女性10例であり,平均年齢は56.4歳であった.組織標本で露出血管外径を計測した結果は平均が0.92mmで1mm以下が70.5%,2mm以下が94.9%となり,大部分が現在市販のNd-YAGレーザーでもって止血可能であると考えられた.しかし露出血管を認める出血胃潰瘍の発生部位を検討すると,体下部および胃角の小轡ならびに体部の後壁に多く,現在使用されている前方直視型の内視鏡では適確なレーザー照射が困難な部位であり,今後側視型レーザー内視鏡などの開発および技術的な問題についても検討を重ねていかねばならない.
  • 竹 内功, 磨伊 正義, 小西 二三男
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1425-1434_1
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     10歳から29歳までの男女150例に内視鏡的M-B染色を行なった.判定には点数法を用い,胃全域の腸上皮化生の拡がりを0→18点で表現した.生検標本にはLAP,AL-P二重染色をほどこし実体顕微鏡観察の後・H-E染色による組織学的観察を行なった. 結果:(1)腸上皮化生は10代では36例中8例(22%)に,20代では114例中39例(34%)に認められた.(2)経過観察を行なった中の2例についてはビラソの修復時に内視鏡的に始めてM-B吸収が見られ,点数:は1点で,独立した微細病変であり,生検標本における検索法においても腸上皮化生と判定出来たので,腸上皮化生の初期変化とした.初期変化は,いぼ状ならびに多発性びらんに見られ,拡大内視鏡像は細いフィラメソトから成っていた.(3)びらんを伴わない症例で幽門部の線状および樹枝型腸上皮化生を経験した.点数は1点で,独立した微細病変であり,腸上皮化生の初期変化を示唆するものであった.線状および樹枝型化生を示す初期像について,その発生機転について,検討した.
  • 前田 淳, 松野 堅, 赤上 晃, 上地 六男, 横山 巌, 山下 克子, 横山 泉, 市岡 四象
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1437-1446_1
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    胃癌の発生母地として腸上皮化生は古くより注目されている.われわれは胃癌と腸上皮化生との関連を考えるうえでDisaccharidase活性を指標として胃癌部,胃癌周囲の腸上皮化生部について胃癌を伴わない胃の腸上皮化生部のDisaccharidase活性と対比させ検討を加えた.さらに胃癌部,胃癌周囲の腸上皮化生部についてα-fetoproteinによる螢光抗体直接法により免疫組織学的検討も加えた.胃癌辺縁の腸上皮化生部では胃癌を伴わない胃の腸上皮化生部よりDisaccharidare活性は明らかに低下しており,機能的には低下していることが示唆された.螢光抗体直接法によるAFPの局在は20例中10例(50%)にみられ印環細胞癌に陽性率が高かった.AFP陽性胃癌の周囲の腸上皮化生10例中4例(40%)にAFPの局在がみられたが,AFP陰性胃癌の周囲の腸上皮化生にはAFPの局在はみられなかった.このように腸上皮化生の前癌状態としての1つの可能性の存否を酸素学的,免疫学的方法により検討を加えた.
  • 富士 匡, 河村 奨, 飯田 洋三, 清水 道彦, 有山 重美, 東 光生, 前谷 昇, 川嶋 正男, 播磨 一雄, 永富 裕二, 森戸 正 ...
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1447-1452_1
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     十二指腸乳頭部癌をのぞく原発性十二指腸癌自験例7例のX線および内視鏡所見と臨床経過をしらべ以下の結論をえた. X線所見では球部~下行脚の病変5例全例隆起性であり,うち3例は積極的に悪性病変が疑えなかったが,水平脚の2例はともにBorrmannII様の陥凹性病変であった. 内視鏡所見では,球部および下行脚の各1例はポリープ状で,他の下行脚病変は不整隆起,易出血性より悪性像を示した.水平脚病変は内視鏡の到達が不成功であった. 球部,下行脚病変は隆起型で癌深達度はm,Pm,水平脚病変は2例ともに陥凹型で筋層を超え外膜に達していたことから,癌の発育形態の差異がある程度推察された. なお,狭窄症状や貧血,腫瘤触知という癌進行時での受診,病悩期間の長さ,上部消化管X線検査での偶然的な発見などのため予後不良であった.
  • 福本 陽平, 児玉 隆浩, 沖田 極, 野田 健一, 名和田 順介, 香津 美智子, 竹本 忠良, 武波 俊彦, 重田 幸二郎, 加藤 展康 ...
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1455-1462_1
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    限局性病変である肝癌の診断における腹腔鏡検査の有用性とその限界を検討した.対象症例は,肝癌を疑い腹腔鏡検査および血管造影,肝シソチグラム,血液生化学検査などを行った症例で,死後の剖検または肝切除術により再び肝臓を検討することができた13症例について検索を行った.腹腔鏡下に肝癌を視診できたものは6例.肝癌と診断されたが,視診できなかったもの2例.腹腔鏡を含む臨床検査にて肝癌を診断できなかったが,6ヵ月から12カ月後に肝癌の発生をみたもの3例.残りの2例は肝硬変症のみであった.また,腹腔鏡による視診範囲を摘出肝より測定した結果,肝前面の平面投写図からは,肝右葉約24%,肝左葉約62%であり,大まかな照診範囲を得ることができた.また照診困難な部分も明らかにされ,この部に対し照診範囲を広げるための試みも行った.
  • 武藤 徹一郎, 上谷 潤二郎, 沢田 俊夫, 草間 悟, 奥山 山治, 池永 達雄, 山城 守也, 日野 恭徳, 山口 真司, 真木 実
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1465-1471
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Piecemeal polypectomyは,大腸の内視鏡的ポリペクトミーの中でも治療に主眼がおかれているという点で適応の選び方が特殊である.われわれの9例の経験を通して,その適応の決定と技術的な問題点について報告する.9例中4例は意図的に行ったもので,5例は結果的にpiecemealとなったものである.大部分は2cm以上の扁平ないし亜有茎性であり,4例はfocal cancer,2例は浸潤癌であった.意図的に行った4例はいずれも完全な摘除ができたが,他の5例中3例では追加切除が必要であった.追加切除によって腸壁熱変性の著明な例が1例に認められた.本法は高齢者に対する治療的ポリペクトミーとしては有用である.しかし,腺腫内癌の出現率が高いにも拘らずorientationの悪い標本しか得られないこと,腸壁の熱変性が強度になりうることの2点を考慮して,適応を1例1例慎重に決定しなければならないと考える.
  • 相部 剛, 河村 奨, 東 光生, 有山 重美, 川嶋 正男, 清水 道彦, 永富 裕二, 播磨 一男, 富士 匡, 前谷 昇, 竹本 忠良 ...
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1472-1477_1
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    患者は72歳の女性で,飲食時の前胸部不快感を主訴として来院した.上部消化管X線検査で十二指腸球部に辺縁不整の隆起性病変が指摘され,十二指腸内視鏡検査では球部後壁に結節状で凹凸不整,周囲粘膜とあまり色調変化のない山田のIV型の隆起性病変を認めた.その生検により腺癌と診断され,十二指腸ならびに胃の部分切除およびBillrothII法で胃・空腸吻合術が施行された.組織学的には粘膜固有層内に限局した高分化型の早期腺管腺癌であった.患者は術後約1年を経過した現在健康である.本邦の乳頭部を除く早期十二指腸癌を集計してみると,本症例は第8例目にあたると思われる.
  • 播磨 一雄, 相部 剛, 永富 裕二, 川嶋 正男, 前谷 昇, 有山 重美, 東 光生, 清水 道彦, 富士 匡, 河原 清博, 渡辺 精 ...
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1478-1482
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    われわれは,診断上膵体尾部癌と鑑別できなかった,膵体尾部欠損症の1例を経験した.46歳,男性,主訴は上腹部痛,食欲不振,体重減少であったが,50gブドウ糖負荷試験は正常型,P・Sテストでも3因子ともに正常であった.本症例は,75Se膵シンチグラムで膵体尾部のS.0.Lを指摘され,膵体尾部癌と診断されたが,膵管像では,短小型の膵管像を呈し,膵癌や慢性膵炎の閉塞像およびdorsal, ventral ductの癒合不全らの膵管系の奇形との鑑別がむずかしく,開腹術が施行された1例である.本症の診断には,画像診断法の力をかりるか,副膵管造影をこころみる必要がある.なお本症の組織像は,ほぼ正常膵組織像と考えられたが,膵頭部領域にしてはラ氏島の増生がみられ,注目される.
  • 織田 敏次
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1483-1484
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 織田 敏次
    1979 年 21 巻 12 号 p. 1485-1489
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 21 巻 12 号 p. 1490-1516
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 21 巻 12 号 p. 1517-1542
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 21 巻 12 号 p. 1543-1567
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 21 巻 12 号 p. 1568-1579
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 21 巻 12 号 p. 1580-1597
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 21 巻 12 号 p. 1598-1610
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top