日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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43 巻, 9 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 野村 美樹子, 藤田 直孝, 松永 厚生, 内海 潔, 野田 裕, 結城 豊彦, 佐藤 匡, 石田 一彦, 妹尾 重晴, 伊藤 啓, 宇都宮 ...
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1821-1827
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    【目的】スネア先端刺入法による大腸腫瘍内視鏡的粘膜切除術(EMR)の有用性を検討する.【方法】20mm以上の大腸腫瘍(表面型腫瘍,結節集簇様病変)20病変を対象に,同時期に通常のEMRを施行した34病変を対照として,1.摘除法(摘除回数),2.組織学的側方および深部断端,3.局所遺残・再発,4.偶発症について比較検討した.スネア先端刺入法は,スネア先端部を用い高周波電流で病変近傍口側の正常粘膜を切開し,同部にスネア先端を刺入固定しEMRを行う方法である.【結果】1)刺入法群の一括摘除率は65%で,通常EMR群35%に比べ有意に高かった.2)組織学的側方断端陽性率は刺入法群5%で,通常EMR群26%に比べ有意に低かった.3)刺入法群では局所遺残・再発を認めなかった.【結論】スネア先端刺入法は腫瘍径の大きな病変のEMRにおいて有用な手技と考えられた.
  • 山口 達郎, 吉田 操, 門馬 久美子, 葉梨 智子, 神代 祐至, 加藤 剛, 榊 信廣
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1828-1833
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    内視鏡的粘膜切除術により全周性食道表在癌を切除し,カバー付き金属性ステント(CEMS)を用いることにより狭窄を予防し,良好な結果を得たので報告する.症例は60歳男性.切歯より23~34cmまでのヨード不染の軽度陥凹型の表層拡大型食道粘膜癌を17分割で摘出し,狭窄を防止のためCEMSを留置した.約2カ月後,留置したCEMSを抜去したが,粘膜の全周性の欠損を2カ所認め狭窄を来したため,バルーンカテーテルを用い食道拡張術を施行し,充分な拡張が得られた.
  • 藤澤 貴史, 大西 裕, 前田 光雄, 阪本 哲一, 前田 哲男, 坂口 一彦, 黒田 祥二, 豊田 昌徳, 寺西 哲也, 西上 隆之
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1834-1841
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    患者は73歳男性,主訴は背部痛.精密食道透視で下部食道に明瞭な立ち上がりを有する隆起性病変を認め,不整な狭小化を認めた,食道裂孔ヘルニアを合併し,食道胃接合部では左側壁に約2.5cmにわたり陰影欠損を認めた.内視鏡検査では下部食道まで進展したBarrett食道を認めた.その内部に凹凸不整で発赤調の隆起性病変を認め,同部の生検診断は印環細胞癌であった.下部食道から食道胃接合部では全周性になだらかな狭窄を示し一部潰瘍も存在した.ヨード染色では濃染・不染が混在していた.胃噴門部大彎は白色調で粘膜下腫瘍様に隆起していた.以上より,びまん浸潤型Barrett食道癌と診断し,手術を施行した.病理組織学的にはpType 4 ns, pT 2 (mp), por+sig, infβ, ly2・v0, pN1, EG, 10.5×6.5cmの食道胃接合部癌で,Barrett食道を合併しており,Barrett食道癌の可能性が高いと考えられた.
  • 鳥島 竜太郎, 永井 敬之, 中嶋 宏, 石飛 裕和, 内田 明宏, 溝口 博本, 高橋 研二, 大河原 均, 大宅 宗冶, 藤富 豊, 加 ...
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1842-1846
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は68歳男性.平成10年3月,上部消化管内視鏡検査にて十二指腸下行脚Vater乳頭対側に白色絨毛状の低い隆起性病変を認めた.以後,内視鏡所見に変化はなかったが,平成11年3月に施行した胃生検にて悪性リンパ腫と診断された.腫瘍を含めた十二指腸部分切除が施行され,病理組織は早期のfollicular lymphomaであった.十二指腸原発早期悪性リンパ腫は,本邦では4例目と極めて稀であるため報告した.
  • 青木 哲哉, 大川 清孝, 大磯 龍太, 追矢 秀人, 根引 浩子, 針原 重義, 福長 洋介, 谷村 槇哉, 東野 正幸, 佃 博, 井上 ...
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1847-1851
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は45歳,男性.少量の下血と右側腹部痛を主訴に当科を受診した.大腸内視鏡検査および注腸検査が施行された.盲腸から上行結腸にかけて多発する憩室と発赤を伴う立ち上がりのなだらかな多発性隆起性病変を認めた.絶食,抗生剤投与等の内科治療が施行されたが症状は軽快せず,手術が施行された.病理組織上,粘膜固有層内に腺管の延長と線維筋症の所見を認めた.大腸憩室症に合併した粘膜脱症候群様の病変と考えられた.本邦では3例目の報告である.
  • 八尾 哲史, 津田 純郎, 帆足 俊男, 松村 雅人, 真武 弘明, 二見 喜太郎, 蒲池 紫乃, 岩下 明徳, 下田 悠一郎, 入江 康司
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1852-1858
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は37歳,男性.26歳時,潰瘍性大腸炎と診断された.37歳時(発症後11年目),大腸内視鏡検査で直腸に4個の扁平な隆起性病変を認め,患者側の強い希望により,内視鏡的粘膜切除術を施行した.病理組織学的には,すべて深達度mの高分化型腺癌であった.その後の生検で,腫瘍の残存が疑われたため,全結腸切除術を施行した.切除標本では,癌の遺残はなく,直腸に散在性にdysplasiaを認めた.大腸癌を合併した潰瘍性大腸炎の本邦報告例は,約200例であるが,早期癌のみが多発した症例は,本症例も含め9例と少なく,臨床的事項を中心に報告した.
  • 江淵 義昭, 蜂矢 朗彦, 岩崎 格, 岡野 直樹, 三浦 富宏, 片山 雅彦, 吉永 淑子, 飯田 和成, 三木 一正, 柴 忠明
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1859-1864
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は85歳男性.昭和55年胆嚢結石で胆嚢摘山術を受けた既往がある.約4カ月間の腹痛,発熱が出現,持続するため平成5年10月当院受診した.血液検査で胆道系感染症を疑われ入院となった.腹部超音波検査(US)において総胆管結石を,内視鏡的逆行性胆管造影検査(ERC)では,総胆管の拡張と結石を3個認めた.上部消化管内視鏡検査(GFS)を行ったところ,十二指腸球部に瘻孔と同部よりの肛汁の排川を認めた.瘻孔造影では総胆管及び結石が描出された.以土の所見より遺残胆嚢管十二指腸瘻と診断した.本症例は本邦での報告は検索範囲では見当たらず,稀な症例と考えられ報告する.
  • 北川 尚史, 矩 照幸, 近森 正幸, 北村 龍彦, 塩見 精朗, 水嶋 秀, 安原 清司, 伊藤 知和, 栄枝 弘司, 岡田 光生, 青野 ...
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1865-1870
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    背景・目的:金属ステントは食道の悪性狭窄に対してその有用性が確認されているが良性狭窄に用いられることは少ない.下部食道の狭窄にステントを用いる場合は逆流性食道炎が高率に発生する.方法:逆流性食道炎の予防のためステントの口側にポリウレタン製の逆流防止弁を取り付け下部食道の良性狭窄に用いた.結果:狭窄の改善を得た.結論:このステントは低侵襲で高齢者にも使用でき,悪性狭窄のみならず良性狭窄にも有用であると思われた.
  • 北川 尚史, 近森 正幸, 北村 龍彦, 塩見 精朗, 水嶋 秀, 安原 清司, 伊藤 知和, 荒木 京二郎
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1871-1877
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    背景・目的:金属ステントは近年食道,胃の悪性狭窄に対してその有用性が確認されているが,ステント挿入にもかかわらず十分な拡張を得られない症例もある.また頚部食道狭窄はその解剖学的な関係より人工食道等の治療が困難である.方法:今囲われわれはステント挿入にもかかわらず十分な拡張を得られなかった食道入口部近くの食道癌術後再発による胃管狭窄に対し拡張力の弱い非カバー部のステントを切り取り,再度stent in stent法にてステントを挿入した.結果:狭窄部の良好な拡張を得た.結論:食道入口部近くにステントを胃く場合stent in stent法が有用であった.また初会挿入時よりWallstentの非カバー部分を切除し挿入する可能性も示唆された.
  • 相浦 浩一, 岸 真也, 北郷 実, 鈴木 慶一, 関 博章, 星本 相淳, 足立 雅之, 中溝 裕雅, 山岸 由幸, 熊井 浩一郎, 北島 ...
    2001 年 43 巻 9 号 p. 1878-1884
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    「目的」膵・胆道病変に対する生検の簡便化を図ったので,その有用性について報告する,「方法」膵・胆道癌28例を対象とし,ERCP造影用カテーテルガイド下に極細生検鉗子を挿入し,X線透視下に生検を行った.「結果」癌診断率は,膵・胆道癌全体で64.3%(18/28)であり,癌占拠部位による癌診断率の差は認めなかった.一病変あたり5個以上生検すること,および鉗子を病変中央まで誘導し生検することが癌診断率の向上に重要と思われた.「結論」この方法は,安全かつ容易に生検が可能となり有用と考えられた.
  • 2001 年 43 巻 9 号 p. 1889
    発行日: 2001/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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