大腸mucosal polypは正常粘膜に被われた正常の粘膜下組織よりなるポリープであり,1989年に当教室の藤沼らが8例を報告した,1988年9月から,2000年10月までに内視鏡的に摘除した大腸ポリープのうち,組織学的にmucosal polypと診断した5例を合わせた計13例を再検討した.肉眼型は様々であったが,高さ8mm以上のものはすべて有茎性であった.組織学的には病変が高くなるにつれて粘膜下層の線維化,浮腫,リンパ管拡張を示す傾向があった.有茎性の4例は近年提唱されているcolonic muco-submucosal elongated polyp(CMSEP)と合致しているが,肉眼形態にとらわれない大腸mucosal polypの概念はCMSEPも含めた広義の解釈に有用であると考えられた.
抄録全体を表示