最近のESDの登場とその急速な拡がりは,管腔内視鏡治療の可能性を飛躍的に増大させる一方,技術的困難性,所要時間延長,合併症増加という,いわゆる陰影の部分も併せ持っている. 他方,EAMを含むいわゆる従来法EMRは,ESD完遂困難時の補助的手段などとして,きわめて消極的に過小評価されがちである.しかし,実際には確立しているはずの従来法EMRですら,標準化しているとは言い難い状況もある. 本稿では,その開発意図通りの真価を発揮し得る正しいEAMを,デバイスの選択,セッティング,手技の必要不可欠な手順まで詳細に解説した. 多くの臨床現場が少ないマンパワーで多忙を極めているという現状の中,その手技の簡便性,迅速性(所要時間の短さすなわち低侵襲性)を考慮すれば,正しい手順に則って施行されるEAMは,現在なお,積極的に選択されてよい手技であると考えている.
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