日本消化器内視鏡学会雑誌
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22 巻, 6 号
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  • 鳥居 正男, 高築 勝義, 木村 洸, 太田 裕彦, 山崎 誠行, 藤原 研司, 堺 隆弘, 丹羽 寛文, 岡 博, 織田 敏次
    1980 年 22 巻 6 号 p. 755-761
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡は簡単に操作でき,かっ確実に観察が可能で,しかも記録として鮮明な写真がつねに確実容易に撮れることが必要である.著者らは,その目的のために新しくEE機構内臓体腔外フラッシュ式の腹腔鏡装置を試作し,基礎的・臨床的に検討した. 光学視管については配光性を改良し,像面彎曲の減少・解像力の向上をはかり,高輝度光源の使用により,ライトガイド方式ながら明るい像を得るようにした.撮影は,硬性鏡のカメラとしては初めての発光量を自動制御する方式で,短時間に連続的に観察しつつ,近接,遠影ともに十分判読可能な明るい写真がつねに得られた. この試作腹腔鏡は,操作性も高く,体外フラッシュ方式であるので,撮影に伴う偶発症の危険もなく,肝疾患ならびに腹腔内臓器診断に有用であり,とくに鮮明な写真が得られることから,それら疾患の経過追求に威力を発揮するものと確信する.
  • 針原 重義, 門奈 丈之, 丸毛 俊明, 金 賢一郎, 河 正訓, 関 守一, 貫野 徹, 斉藤 忍, 塩見 進, 山本 祐夫
    1980 年 22 巻 6 号 p. 762-770
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    1964年より1978年の間に腹腔鏡により確定診断し,生存・死亡が確認された肝硬変181例を被験対象として,初回の腹腔鏡所見と累積生存率とを対比検討した。(1)肝硬変181例の1年,3年,5年,10年,14年生存率は,それぞれ90%,69%,55%,32%,25%を示した.(2)右葉腫大型の5年,10年生存率は68%,60%の高値を示したのに対し,右葉萎縮型では36%,13%の有意な低値を示した(P<0.01)。(3)小結節型の5年,10年生存率は70%,49%の高値を示したのに対し,中・大結節型では39%,19%の有意な低値を示した(P<0.01).(4)狭間質型の5年生存率は63%の高値を示したのに対し,混・広間質型では44%の有意な低値を示した(P<0.05).(5)高度な脾腫大例の5年生存率は,21%の極めて低値を示した.(6)右葉萎縮型,大結節型,広間質型のいつれかを呈する肝硬変では,5年以内に肝不全死をきたす頻度がかなり高率であった.以上,腹腔鏡検査による肝の表面形態像の観察は,肝硬変の予後判定に対し極めて有用な指標を与えることが示唆された.
  • ―膵管像による本症の病期診断をめざして―
    播磨 一雄, 富士 匡, 相部 剛, 川嶋 正男, 永冨 裕二, 前谷 昇, 有山 重美, 東 光生, 森戸 正俊, 清水 道彦, 河村 奨 ...
    1980 年 22 巻 6 号 p. 771-778
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    当科の慢性膵炎確認例37例について・その経過を初発症状発生時期にさかのぼり,本症の臨床経過の概要をまとめた.今回は膵石症,合併症の発現時期,膵管像の変化を中心に検討した.この結果,膵石症の発現時期は早期に膵石症の発現をみとめるものと,後期になって発現をみとめるものの2つの傾向がみとめられ,膵石症の成因を考えるうえで興味をもった.糖尿病,肝障害,肺結核症などの合併症の発現は,アルコ_ル性因子に大きく左右され,合併率は罹病期間にほぼ平年し,上昇した.一方,膵管像の変化と膵管像発現年数の対比の結果,本症の単純拡張型は全例,発現年数1年未満にみとめられ,本症の初期膵管像であると考えた.また,狭窄型は3年未満にみとめられ,比較的早期の膵管像であると考えたが,分枝不整型,数珠状拡張型,閉塞型は,本症の経過中にその基本的パターンをかえることはほとんどなく,本症の終末膵管像であると考えた.
  • 飯田 太, 草間 次郎
    1980 年 22 巻 6 号 p. 779-784_1
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    胃潰瘍の経過に伴って前庭部粘蹊が如何なる態度を示すかにっいて検討するために,GTFフィルム2713本と切除胃の箆録写真445枚を検索した.前庭部病変を前庭部浮腫,鵡庭部出血斑,Gastritisverrucosaに分けて検討すると,前庭部浮置は潰瘍を伴わない胃よりも潰瘍を伴った胃にしばしば認められた.前庭部出血斑はまれに非潰瘍胃にみられるが,時として後から潰瘍が発生することがある.胃潰瘍の経過と前庭部病変との関係について検討した結果,前庭部浮腫とGastritis verrucosaは6ヵ月以内で治癒した潰瘍よりも,治癒に6ヵ月以上を要した濱瘍や再発潰瘍により高頻度に認められた.Gastritis verrucosaは初回1回の観察例では1.9%に認められたが,経過観察例および切除例では5.6%に認められた.以上の成績から胃潰瘍の経過中に前庭部病変が出没する場合には,潰瘍の治癒は遷延する可能性が強いということが出来る.
  • 佐藤 純一, 安日 新, 阿部 吉弘, 島津 博達, 和田 潤一, 坪井 正夫, 後藤 利昭, 上野 恒太郎, 石川 誠, 川瀬 健二, 寺 ...
    1980 年 22 巻 6 号 p. 787-792_1
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    悪性黒色表皮症malignant acanthosis nigricans(以下MANと略す)は内臓の悪性腫瘍に合併し,口腔粘膜などをおかすことはあるが食道病変を伴うことはきわめてまれである.われわれは83歳の男性で腎盂癌に合併し,全身皮膚に疣贅状病変と,メラニン色素部の色素の増強がみられたほかに,特に口腔のみならず食道にもび漫性に顆粒状隆起性病変を有するMANの症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.食道の病変は全長に渡って認められたが,食道生検では悪性像や炎症像は認められず,squamous epithelial papil-lomatosisが認められた.本症例の食道病変は外見上食道カンジダ症,食道ロィコプラキア,多発小隆起型食道炎などと類似するので鑑別を要する.
  • 坂下 修, 相良 安信, 鎌田 英信, 仲村 眞, 竹内 義員
    1980 年 22 巻 6 号 p. 793-798_1
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    初回胃生検にて良性とされた有茎性の胃ポリープを,X線,内視鏡,生検にて経過観察,1年後の生検にても良性ポリープとされたが,7年後,有茎性から扁平隆起へ変化しているのが確認され,生検にて癌と診断された.術後亙II+IIc型の早期癌とされた.本例は経過観察中にポリープの形が扁平型となり,さらに胃生検が誘因となり,扁平隆起の中心に浅い陥凹を形成,特異な形態的変化を示したポリープからの癌化例と思われた.他の1例は残胃に発生した有茎性ポリープで,初回生検にて良性とされたが,1年後の生検にて悪性の疑い,さらに4年間生検にて経過観察,最終的に癌と診断された.術後,癌の浸潤は粘膜内と判定され,ポリープからの癌化例と考えられた,このような例から経過観察には生検が必ず必要であると同時に肉眼的変化にも注目しなければならないことが示唆された.
  • 内田 善仁, 藤田 潔, 針間 喬, 河野 裕, 青山 栄, 小田原 満, 渡辺 正俊, 竹本 忠良, 小田 悦郎
    1980 年 22 巻 6 号 p. 799-805
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    われわれは,術前に診断し得なかったS状結腸の子宮内膜症を1例経験した.症例は50歳の女性で,主訴は便秘と下腹部痛であった.注腸X線検査において,肛門から11cmの部位に,長さ2cmにわたる全周性の狭窄がみられた.狭窄部の辺縁は平滑であり,陰影欠損またはニッシェは認められなかった.大腸内視鏡検査では,同部に,内腔の約%周を占めるなだらかな隆起がみられ,管腔は狭くなっていた.隆起部およびその周辺の粘膜面に異常は認められなかった.隆起部より生検を行ったが,結果は正常の大腸粘膜組織であった.手術時,子宮内膜症と判断し,結腸部分切断,子宮および付属器全摘出術を施行した.組織学的検索において,S状結腸隆起部の筋層内に子宮内膜組織が確認された. 自験例を報告するとともに,本症の臨床像,診断および治療について若干の文献的考察を行った.
  • 柴田 好, 原田 一道, 水島 和雄, 岡村 毅與志, 上田 則行, 並木 正義, 横田 慎一
    1980 年 22 巻 6 号 p. 806-810_1
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は72歳女性,右胸部痛にて某医で治療を受けており,胃内視錦検査でたまたま食道癌を疑われ,精査のため当科に入院.食道X線検査および内視鏡検査でImに不整形の陥凹を認め,生検で扁平上皮癌と診断,手術施行.手術標本にて中部食道に1.6×1.5cmの陥凹性病変と,これとは別に上部食道にも1.2×0.8clnの浅い陥凹性病変を認めた.前者はsm,後者はmの癌でie(-),1y(-)v(-)で多発早期食道癌と診断した.早期食道癌を転移のないものとした1972年の取り扱い規約変更時から,本邦におけるその多発例は.われわれの症例を含めて4例報告されている.これらの症例を検討することにより,食道癌の診断と治療になんらかの示唆を与えると考える.
  • 永冨 裕二, 河村 奨, 相部 剛, 川嶋 正男, 播磨 一雄, 前谷 昇, 東 光生, 有山 重美, 針 閲喬, 河原 清博, 富士 匡, ...
    1980 年 22 巻 6 号 p. 811-819,849
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    胃のある領域に小隆起性病変が集簇している場合これを集簇型胃隆起性病変とし,Ia集簑型早期胃癌,限局性ポリポージス,.隆起型異型上皮巣をその主な病変と考えた.そしてこれらに庇状胃炎を加え,この4つの病変Ftついて,主とレて内視鏡的な鑑別診断について検討した.
  • 竹内 和男, 池田 健次, 上馬場 和夫, 早川 和雄, 中島 正男, 吉場 朗
    1980 年 22 巻 6 号 p. 820-826_1
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡検査が有用であった,卵巣甲状腺腫によるMeigs症候群の1例を報告する.患者は42歳女性で,約3カ月来の治療抵抗性の右胸水と腹水のために入院した.他疾患は否定され,臨床的にはMeigs症候群が強く疑われたが,数回の婦人科での内診及び諸検査にて異常を認めなかった.しかし腹腔鏡を施行した所,左卵巣に小鶏卵大の腫瘤を認め,手術にてこれを剔出した.術後,胸腹水は数日にて速やかに消失した.剔出した腫瘤は,組織学的に甲状腺類似の組織が主体を成す卵巣甲状腺腫であった. 本腫瘍によるMeigs症候群の報告は少く,本例を含め,内外あわせて15例(うち7例が本邦例)をみるにすぎない.一方,Meigs症候群の報告例の中には,本例の如く卵巣腫瘍の診断が困難であった例も少くない.そのような例で,腹腔鏡にて腫瘍を診断し得たという報告はみられない.他疾患との鑑別上,また患者の病脳期間を短縮させうる点,本症候群を疑った際は,積極的に腹腔鏡を行うべきであると考えられた.
  • 具 栄作, 中原 英樹, 大島 昌
    1980 年 22 巻 6 号 p. 827-830_1
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    S状結腸の憩室炎はしばしばS状結腸の狭窄,閉塞をもたらす.このため癌との鑑別が困難となる場合がある.著者らは,このような症例を経験したが,combined coloscopic-radiologie demonstrationが両者の鑑別にきわめて有効であつた.本方法は,今後大腸の閉塞性疾患の鑑別診断に広く応用できる方法と考えられる.
  • 岡村 正造, 河合 潔, 楠神 和男, 黒川 晋, 岡 勇二, 伊藤 庄三
    1980 年 22 巻 6 号 p. 831-839
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は68歳男性.既往に高血圧と2回のC.V.A.attackがあり,昭和52年来Aspirin等を服用中昭和54年5月急に左下腹部痛が出現し数時間後に新鮮血の下血を伴い緊急入院した.血圧は210/150mmHgで,左下腹部の圧痛以外は腹部所見無く,検査上白血球増多,CRP 3+,血清KとFeの低値以外は正常だった.便細菌検査は陰性でE.C.G.はLVH & strainを呈した.入院後下血は無く,また腹痛も数日で消失した.入院翌日の注腸X線下にS状結腸から下行結腸下部にかけて2条の縦走する線状潰蕩と下行結腸上部に同様の潰瘍を認め,皴壁集中と嚢状化の所見を伴っていた.1週後のSigmoidoscopyで30cm挿入部より縦走する赤色瘢痕と皺壁集申が観察され,その部の生検所見は非特異的な炎症細胞浸潤のみであった,発症後48日目の注腸X線検査では縦走する瘢痕がみられたが,嚢状化や狭窄などの腸管の変形は全く認めなかった.臨床経過及び所見と総合してlschemic colitisの,transient typeと考えた.
  • 酒井 秀朗, 堀口 正彦, 野上 和加博, 古杉 譲, 田中 昌宏, 吉田 行雄, 関 秀一, 井戸 健一, 山中 桓夫, 木村 健
    1980 年 22 巻 6 号 p. 840-848_1
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    細径直視式上部消化管ファイバースコープ FGI-SD及びFGI-SOは,食道・胃・十二指腸球部の生検を含めたルーチン検査に広く用いられており,素晴しい威力を発揮している.このうち,特にFGI-SDは外径が9.8mmφと極めて細いにも拘らず,鉗子孔を2.6mmφと大きく設計されており,これは従来より完成品とされる胃生検用スコープFGS-BLと同じ鉗子孔である.従って,標準生検鉗子は勿論のこと,その他,ポリペクトミーナイフ,三又鉗子,ワニ口鉗子,凝固鉗子の使用も可能であり,FGI-SDを用いて,ポリペクトミー,異物除去,Electrocautery(電気焼灼),Electrocoagulation(電気凝固)等の多方面における内視鏡的処置が可能であり,実際の臨床使用において優れた成果を示している.今回,FGI-SDの多目的用法について報告する.
  • 1980 年 22 巻 6 号 p. 851-854
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 6 号 p. 854-856
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 6 号 p. 857-860
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 6 号 p. 861-873
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 6 号 p. 874-883
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 6 号 p. 883-892
    発行日: 1980/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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