日本消化器内視鏡学会雑誌
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47 巻, 6 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 第65回 日本消化器内視鏡学会総会会長
    池田 靖洋
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1185-1203
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    癌研究会附属病院外科に研修医として在籍中,十二指腸鏡の開発やERCP世界第1例日を経験以来33年間,ERCP関連の仕事に従事してきた.1)癌研外科での経験:1969年6月6日ERCPに成功.2)九州大学第1外科での臨床:ERCP,とくにERCに専念.内視鏡で観察した傍乳頭総胆管十二指腸瘻を報告し,2型に分類.1974年10月ESTを開始し1975年1月long noseバピロトームを試作.その後,ESTと結石除去成績を報告.急性閉塞性胆管炎に対する内視鏡的緊急胆管減圧法と,肝内結石症の精査法として内視鏡下留置バルーンカテーテルによる胆管充満造影法を開発.さらに,膵管微細診断を目的にバルーンカテーテルERP―圧迫撮影法(バルーンERP-CS)を考案3)福岡大学第1外科でのERCP関連の臨床:癌に随伴する膵炎症状や膵酵素値の上昇,膵管拡張などに注日し,ERP,バルーンERP-CSを中心とした診断体系による膵癌の早期診断.新知見としては,膵管胆道合流異常症の十二指腸乳頭部形態を報告.
  • 櫻井 幸弘
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1204-1210
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    近年高齢者の増加とともに大腸憩室症に遭遇する機会が増加している.大腸憩室症の一般的な知識を整理し,内視鏡の立場から大腸憩室症について概説した.ことに合併症をきたした大腸憩室症について内視鏡所見を中心に問題点をあげた.憩室炎では狭窄による内視鏡診断の困難な点を指摘し,便潜血反応陽性と憩室炎,憩室の関連を考察した.また憩室炎に伴う憩室周囲の粘膜変化の内視鏡所見を詳述した.さらに憩室出血の治療については問題点があるものの積極的な内視鏡的アプローチの重要性を強調した.
  • 辻 直子, 石黒 信吾, 上堂 文也, 工藤 正俊
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1211-1219
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】欧米では食道腺癌・食道胃接合部腺癌の増加が報告され,その背景粘膜としてShort Segment Barrett's Esophagus(SSBE)が注目されている.食道癌の大半を扁平上皮癌が占める日本人におけるSSBEの意義を検討し,内視鏡観察に還元する.【方法】大阪府立成人病センターにおいて治療された食道胃接合部腺癌27例および食道扁平上皮癌55例の全割手術標本を用いて,SSBEの有無や背景食道および胃粘膜を観察し,全周性SSBE群,非全周性SSBE群,非SSBE群に分類して比較検討した.また内視鏡所見との相同性についても検討した.【結果】10%に全周性SSBEを認め,他群に比し胃底腺の萎縮や胃の腸上皮化生が乏しく,H.pylori感染のない胃を背景とする例が有意に多く,組織学的SSBE長が7.5mm以上例で腺癌を認めた.非全周性SSBE群と非SSBE群には差は認めなかった.【結論】内視鏡観察においては萎縮のない胃に1cm近い全周性SSBEをみた場合には腺癌の発生母地として注意すべきである.
  • 梶原 猛史, 那須 淳一郎, 平埼 照士, 仁科 智裕, 片岡 淳朗, 日高 聡, 森脇 俊和, 壼内 栄治, 山内 雄介, 舛本 俊一, ...
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1220-1226
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】膵癌症例において上部消化管内視鏡検査で異常所見がみられることは少なくない.今回われわれは,膵癌に伴う上部消化管病変について検討した.【方法】過去5年間に当院で診断した膵癌症例のうち,診断時に上部消化管内視鏡検査を施行された77例(男性42例,女性35例)を対象とし,食道,胃,十二指腸の異常所見について検討した.【結果】56%の症例で膵癌に伴う上部消化管病変を認めた.7例(9%)で食道に,23例(30%)で胃に,19例(25%)で十二指腸に異常所見を認めた.また,膵尾部癌の有所見率が88%と高率であった.胃のみの静脈瘤,胃上部領域後壁の壁外圧迫や直接浸潤,十二指腸下行脚内側の異常所見が膵癌に特徴的であった.【結論】上部消化管内視鏡検査において,胃のみの静脈瘤,胃上部領域後壁の壁外圧迫や直接浸潤,十二指腸下行脚内側の異常所見が認められれば,膵癌の存在を疑うべきである.
  • 宮永 修, 牧野 茂義, 藤島 弘光, 菊池 郁夫, 林 透
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1227-1235
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Lewin,Herrmanらの定義に合致する食道原発T細胞性悪性リンパ腫の2例を報告する.第1例目は76歳の男性で食道に潰瘍を伴う隆起性病変を認め,諸検査にて成人T細胞性白血病によるものと診断した.これは本邦報告第1例目である.第2例目は78歳の女性で食道の多発性潰瘍の他に肉眼では病変がないと思われた部位にルゴール不染帯が出現した.同部の生検にてT細胞性悪性リンパ腫と判明した.過去の本邦報告例では平坦型を呈した報告はない.また,食道原発悪性リンパ腫はB細胞性が多く,T細胞性によるものは本報告を含め8例のみである.
  • 山本 龍一, 松浦 隆志, 盧 徳鉉, 小池 真生子, 境 昌宏, 山本 朱美, 渥美 和重, 加藤 雅人, 山本 一郎
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1236-1241
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は67歳男性.心窩部不快感を主訴に当院受診.上部消化管造影,上部消化管内視鏡検査にて,胃前庭部後壁に約1.5cm大のO-IIc+IIa病変,胃体中部前壁に約3.5cm大の3型病変を認め,胃全摘術施行.3型病変は深達度mpの高分化~中分化型管状腺癌,前庭部の病変は深達度smの小細胞癌であった.原発性胃小細胞癌の本邦報告例は自験例を含め95例であるが,本例のように腺癌が併存した例は極めて稀である.
  • 岩倉 研二, 有坂 好史, 島本 史夫, 江頭 由太郎, 平池 豊, 大前 貴裕, 金光 宣旭, 増田 大介, 平田 一郎, 勝 健一
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1242-1249
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は49歳男性.出血源不明の消化管出血を繰り返し,消化管内視鏡および造影検査,腹部血管造影検査,出血シンチグラムでは出血源を同定できなかった.内視鏡的逆行性胆膵管造影検査時の後方斜視鏡で上十二指腸角直下になだらかな立ち上がりを有する隆起を認め,隆起中央の陥凹から出血が確認された.外科的切除を行い,15mm大の管外に突出する,潰瘍を合併したHeinrich I型の十二指腸迷入膵と診断された.文献的にもまれな示唆に富む症例であり,考察を加えて報告した.
  • 河埼 敦, 石橋 一伸, 後藤 靖和, 山口 由美子, 山崎 大, 東 哲明
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1250-1255
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は58歳,男性.糖尿病の加療中に著明な肝障害を指摘され,入院精査となった.腹部CTにて膵のびまん性腫大と総胆管拡張,MRCPにて下部総胆管の不整狭窄を認めた.腫瘍マーカーも上昇し,膵胆管の悪性腫瘍を考えたが,ERCPにてびまん性主膵管狭細像を認め,自己免疫性膵炎を疑いステロイド治療を開始した.治療後,肝障害,びまん性主膵管狭細及び下部総胆管の不整狭窄は改善した.著明な肝障害を伴う自己免疫性膵炎は稀であり,報告した.
  • 柴原 健, 寺島 秀夫, 中原 朗
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1256-1257
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 安田 一朗
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1258-1265
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    日本では総胆管結石治療の一つのオプションとして既に定着した内視鏡的乳頭バルーン拡張術(Endoscopic papillary balloon dilation: EPBD)であるが,その普及の上で大きな障害となった術後膵炎の合併については,未だ解明されていない部分も多く,議論を残すところである.この手技の特性をよく理解し,妥当な適応に対して,適切な手技で治療に臨むことが,膵炎の発生を未然に防ぐうえで重要と考えられる.
  • 角嶋 直美, 矢作 直久, 藤城 光弘, 井口 幹崇, 岡 政志, 小林 克也, 橋本 拓平, 小俣 政男
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1266-1271
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    【背景と目的】内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の登場により,従来では考えられなかった大型病変も内視鏡的に治療されるようになってきた.しかし,ESDによって生じた大型人工潰瘍の治癒過程についての詳細は明らでかはない.そこで,ESD後の治癒過程を明らかにするため,経時的な内視鏡像の検討を行った.【方法】当科においてESDによって治療された胃粘膜内腫瘍70症例を対象として,ESD後潰瘍の治癒過程および瘢痕形態を,切除サイズ,部位,胃壁の断面区分別に検討した.内視鏡観察は,原則としてESD後1,4,8,12週目に行い,抗潰瘍治療として,プロトンポンプ阻害薬(PPI)及びスクラルファート通常量を投与した.【結果】ESDの切除サイズは平均34.7mm(20.0~90.0mm)であった.ESD後潰瘍は切除サイズや部位・周在によらず,全例において8週までにS1-2stageに治癒・瘢痕化した.【結論】ESD後潰瘍は大型のものでも,消化性潰瘍と同様の治療で術後8週以内に治癒・瘢痕化する.これらは,ESD後のフォローアップや治療計画の立案に非常に有用な知見と考えられた.
  • 責任者:斉藤 大三
    後藤田 卓志, 斎藤 豊
    2005 年 47 巻 6 号 p. 1272-1275
    発行日: 2005年
    公開日: 2024/01/29
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 47 巻 6 号 p. 1281-1284
    発行日: 2005/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 47 巻 6 号 p. 1352
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/09
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