消化器病に関する内視鏡技術を均一化し,水準を維持するのに卒後教育は必須である.現状を理解するために日本消化器内視鏡学会(学会)の会員全員と内視鏡に関する診療を行っている非会員有志にアンケートを発送した.期間が短かったが,会員3,112名,非会員470名の有効回答をえた.会員の年齢分布は40歳未満が過半数を占め,殊に会員の60%を占める大学病院,公的病院に顕著であった。これらの内,約2/3は内科に属し,内視鏡室専任は極めて少数であった. 病院群の若年医師(殊に40歳未満),診療所群の全年齢層に卒後教育が必要と思われ,両者を抽出して,それぞれ会員,非会員の病院群,診療所群とした.各群は類似の反応を示した.すなわち内視鏡技術は病院勤務中に大部分が習得していた.しかし内視鏡技術の向上のために他の指導施設で受けることを希望していた.大学病院での研修希望は低く,総会中の卒後教育プログラムや学会主催セミナーと同等であった.認定医への意向は会員の病院群で目立って高かった. 学会は会員への継続的教育に関する姿勢を明確にしながら,病院実習,学会総会,セミナーを通じて内視鏡訓練の教育計画を用意しなければならないことが示唆された.
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