日本消化器内視鏡学会雑誌
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43 巻, 5 号
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  • 相川 重光, 浅木 茂, 関根 仁, 大原 秀一, 下瀬川 徹
    2001 年 43 巻 5 号 p. 925-933
    発行日: 2001/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    [目的]Hb index(以下IHb)は,通常内視鏡画像を元に,各ピクセルごとHbと関連の強い2つの波長(560mn,650nm)を抽出した後,演算処理し算出する.このIHbを用いたH.pylori感染診断の可能性を検討することを本研究の目的とした.[方法]基礎的検討として,適正な胃内撮影条件を得るためにIHb値に影響すると考えられた5項目を検討した。さらにIHb値を規定すると考えられた要因について病理学的検討及び胃粘膜血流から検討を行った.一方,臨床検討として30症例を用いてのH.pylori感染診断能を検討した.[結果]撮影条件では,撮影距離がIHb値に有意に影響した.IHb 値を規定すると考えられた要因では,胃粘膜微小血管密度との間に正の相関を認めた.H.pylori感染診断能は,cut off値を62とした場合,感度93.3%,特異度80%であった.[結論]IHbによるH.pylori感染診断能は高く,臨床応用の可能性が示唆された.
  • 中田 博也, 留置 辰治, 玉置 幸子, 玉置 英人, 田中 智之
    2001 年 43 巻 5 号 p. 934-938
    発行日: 2001/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は74歳,女性.1999年6月にバセドウ病を発症し,抗甲状線剤により治療中であった.12月上旬より腹部膨満感を訴え,12月20日上部消化管内視鏡検査を行った.内視鏡検査では胃体部に萎縮所見を認め,血清ガストリン高値,抗壁細胞抗体陽性で自己免疫性胃炎と診断した.Thyrogastric diseaseは本来,橋本病に自己免疫性胃炎を合併する疾患群である.今回バセドウ病に合併した自己免疫性胃炎を経験したので報告した.
  • 塩見 精朗, 近森 正幸, 北村 龍彦, 北川 尚史, 芳賀 紀裕, 持田 泰
    2001 年 43 巻 5 号 p. 939-944
    発行日: 2001/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は49歳男性.腹痛,下痢を主訴に,急性腹症の診断で来院.腹部CTで回腸終末部の腸管壁が肥厚していた.大腸内視鏡で回腸終末部に発赤びらん,回盲弁上唇に潰瘍を認めた.潰瘍近傍にアニサキス虫体を認め摘出した.発症前日サバ寿司を食べていた.アニサキス特異的IgE抗体価は100UA/ml以上であったが,半年後も55.5UA/mlと高値を示していた.消化管アニサキス症は内視鏡により診断および治療が可能であるが,アニサキス抗体価が陽性のみで本症と診断することは難しい.
  • 平井 郁仁, 白井 竜, 古賀 有希, 櫻井 俊弘, 松井 敏幸, 八尾 恒良, 小島 進
    2001 年 43 巻 5 号 p. 945-950
    発行日: 2001/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は43歳,男性.1985年に全結腸炎型の潰瘍性大腸炎(UC)と診断され,サラゾピリン内服開始.以後約13年間にわたり緩解を維持していた.1998年7月に定期検査として行った注腸X線検査で,上行結腸から肝彎曲部にかけての嚢腫様気腫症(PCI)と診断した.他に原因はなくPCI発症にUCの関与が推定された.UCに合併したPCIは,最近12年間で9例の報告をみるのみであり,その病変部位は9例中8例が上行結腸近傍で,右側結腸が好発部であった.UCの活動性病変にPCIを認めることは少なく,従来推察されている腸管内圧亢進や粘膜脆弱化以外の成因が疑われる.
  • 山形 亮, 福田 真作, 遠藤 哲, 水木 一郎, 棟方 昭博
    2001 年 43 巻 5 号 p. 951-956
    発行日: 2001/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は76歳男性.昭和57年より骨髄線維症の診断にて当科外来にて経過観察されていた.平成10年,上部消化管内視鏡検査にて胃・食道静脈瘤を指摘され,治療目的に当科人院となった.人院後,計4回にわたり内視鏡的硬化療法を施行し,静脈瘤の著明な改善を得た.報告例は少ないが,内視鏡的硬化療法は本症例のような特異な病態によって生じた静脈瘤に対しても非常に有効な治療法であると考えられた.
  • 大下 恭弘, 笹尾 昌吾, 原田 亘
    2001 年 43 巻 5 号 p. 957-962
    発行日: 2001/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,男性.検診目的で施行された上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に粘膜下腫瘍様病変を認めた.EUSでは十二指腸壁内に嚢胞状腫瘤を認め,総胆管と連続し,内部に結石を認めた.十二指腸鏡検査でVater乳頭は半球状に隆起し,形態の変化を認め,ERCPでは総胆管末端の嚢胞状拡張とその内部に結石を認めた.Vater乳頭は造影剤注入時膨隆した.総胆管結石を合併したcholedochoceleと診断し,ESTを施行し,排石した.術後経過は良好である.
  • 横峰 和典, 多田 修治, 大湾 朝尚, 上野 直嗣, 須古 博信, 神尾 多喜浩
    2001 年 43 巻 5 号 p. 963-968
    発行日: 2001/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    [症例1]は66歳,女性.食道胃接合部付近に大きさ8mmの亜有茎性ポリープを認めた.[症例2]は53歳,男性.中部食道に大きさ12mmの亜有茎性ポリープを認めた.いずれの症例も頂部に白苔が付着し,表面は平滑で赤色調の隆起性病変であり,組織学的には,表面にびらんを伴い,間質に血管の拡張増生を伴った肉芽組織と好中球浸潤を認め,pyogenic granulomaと診断した.本疾患は良性の肉芽腫性病変であり自然脱落する例もあるが,出血の報告例もあることより,ポリペクトミ一等による治療が必要であると考えられた.
  • 多田 知子, 池田 真幸, 浮田 雄生, 井上 和博, 小川 聡, 佐藤 正弘, 前谷 容, 五十嵐 良典, 酒井 義浩
    2001 年 43 巻 5 号 p. 969-973
    発行日: 2001/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    背景・目的:Confluence stoneは内視鏡治療に難渋することが多く,手術も困難といわれている.内視鏡治療を行った15例の治療成績を検討する.方法:併存疾患,内視鏡的截石の可否,治療日.数,治療回数について検討した.結果:肝内結石が2例,胆嚢癌が1例に併存した.Confluence stoneは全例で内視鏡的に除去できた.治療日数は12~52日で平均26.8日,治療回.数は4~9回で平均5.9回であった.胆嚢内結石を併存した11例中6例では同時に胆嚢内結石も除去できた.電気水圧衝撃波結石破砕術併用例では治療期真が延長していたが,バスケット鉗子で把持できない例,体外衝撃波結石破砕術で破砕できない例でも破砕可能だった.結論:Confluence stoneは各種手技を併用することにより,内視鏡治療が可能であった.
  • 2001 年 43 巻 5 号 p. 977-987
    発行日: 2001/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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