-
相馬 寧, 杉浦 信之, 服部 祐爾, 秋池 太郎, 伊藤 健治, 阿部 朝美, 有賀 明子, 後藤 茂正, 金田 暁, 斉藤 正明, 永井 ...
2011 年 53 巻 4 号 p.
1241-1251
発行日: 2011年
公開日: 2011/06/14
ジャーナル
フリー
37歳の男性.心窩部痛を主訴に受診し,皮膚に紫斑を認めたためHenoch-Schönlein紫斑病と診断された.発病初期の上部消化管内視鏡検査では胃角前庭部に発赤やびらんなど急性胃粘膜病変様所見を呈していたが,2週間後には粘膜の高度な浮腫,溢血点の密集,多発性潰瘍のほか,血豆様病変や粘膜下血腫様隆起を認めるなど著しい悪化を示した.ステロイド治療後,潰瘍や粘膜内出血性病変が速やかに軽快した.浮腫や発赤所見は遅れて軽快し,その経過を内視鏡的に追えた.
抄録全体を表示
-
福本 晃平, 安居 幸一郎, 高木 智久, 曽我 幸一, 吉岡 美香, 宮脇 喜一郎, 半田 修, 内藤 裕二, 吉川 敏一, 柳澤 昭夫
2011 年 53 巻 4 号 p.
1252-1257
発行日: 2011年
公開日: 2011/06/14
ジャーナル
フリー
症例は60歳,男性.原発性肝細胞癌の治療中に施行された内視鏡検査で胃体上部大彎に辺縁不整な潰瘍性病変を認めた.胃悪性病変を疑ったが,病理組織学的には腫瘍細胞を認めず,リンパ球主体の炎症細胞浸潤とその一部に抗サイトメガロウイルス(CMV)抗体陽性像を認め,CMV陽性胃潰瘍と診断した.プロトンポンプ阻害薬(PPI)内服で病変は縮小傾向にあり,治癒は得られていないが28カ月間無症状で経過観察中である.
抄録全体を表示
-
高林 広明, 三宅 直人, 三島 利之, 中堀 昌人, 石橋 潤一, 松田 知己, 佐藤 俊, 望月 福治, 遠藤 希之, 長南 明道
2011 年 53 巻 4 号 p.
1258-1265
発行日: 2011年
公開日: 2011/06/14
ジャーナル
フリー
患者は75歳,女性.めまいが出現し,血液検査で高度の貧血を指摘された.上部消化管内視鏡検査では,胃前庭部に早期胃癌とびまん性胃前庭部毛細血管拡張症(DAVE)が併存していた.前者に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行った後,後者に対しアルゴンプラズマ凝固法による内視鏡的焼灼術を施行した.これまでDAVEと胃癌の合併例の報告はわずかに2例であり,貴重な症例と考えられた.
抄録全体を表示
-
福居 顕文, 内藤 裕二, 半田 修, 内山 和彦, 高木 智久, 小西 英幸, 若林 直樹, 八木 信明, 古倉 聡, 吉川 敏一
2011 年 53 巻 4 号 p.
1266-1271
発行日: 2011年
公開日: 2011/06/14
ジャーナル
フリー
カプセル内視鏡(VCE)の最大の合併症はカプセルの腸管内での滞留である.滞留したカプセルの回収にバルーン型小腸内視鏡が有用であることが報告されているが,一方で回収困難で外科治療が必要になった症例もしばしば報告されている.今回われわれは,イレウス管併用ダブルバルーン内視鏡(DBE)が,滞留したカプセルの回収に有用であった小腸狭窄型Crohn病の1例を経験したので報告する.
抄録全体を表示
-
小平 知世, 大澤 恵, 西野 眞史, 高柳 泰宏, 杉本 光繁, 杉本 健, 古田 隆久, 伊熊 睦博
2011 年 53 巻 4 号 p.
1272-1277
発行日: 2011年
公開日: 2011/06/14
ジャーナル
フリー
症例は36歳の男性.原因不明の鉄欠乏性貧血にて小腸カプセル内視鏡を施行したところ,小腸狭窄のため滞留をきたした.通常の経口および経肛門的ダブルバルーン内視鏡(DBE)ではカプセルは回収不能で,イレウス管補助下に経口的DBEを行い,腸管短縮や腸管内減圧を図る事で回収に至った.本例の小腸狭窄はクローン病によるものと考えられた.カプセル滞留例では手術が選択される症例もあるが,本法により,回収困難が回避され小腸診療の応用がさらに広がる可能性がある.
抄録全体を表示
-
山口 貴也, 稲次 直樹, 吉川 周作, 増田 勉, 内田 秀樹, 久下 博之, 横谷 倫世, 山岡 健太郎, 下林 孝好, 稲垣 水美, ...
2011 年 53 巻 4 号 p.
1278-1287
発行日: 2011年
公開日: 2011/06/14
ジャーナル
フリー
潰瘍性大腸炎に合併し早期に診断,治療されたcolitic cancer4例について報告した.いずれも,内視鏡的に視認が可能であり拡大内視鏡で特徴的とされるIV型pit patternを呈していた.潰瘍性大腸炎長期経過症例に対してはsurveillance colonoscopyがcolitic cancerの早期診断に重要な役割を果たしており今後,さらなる診断技術の向上と適切なサーベイランス法の確立が望まれる.
抄録全体を表示
-
阿座上 聖史, 名本 真章, 畑 佳孝, 向井 康二, 富田 洋介, 本田 邦臣, 伊原 栄吉, 井原 裕二, 三澤 正, 田辺 嘉高, 豊 ...
2011 年 53 巻 4 号 p.
1288-1294
発行日: 2011年
公開日: 2011/06/14
ジャーナル
フリー
症例は63歳,女性.大腸内視鏡で直腸Rbに径10mmの粘膜下腫瘍を認めた.内視鏡的に粘膜切開し腫瘍を露出させた上で直視下生検を施行した.病理組織学的にGISTと診断し,外科手術にて摘出し得た.直腸原発のGISTは比較的予後が悪いとされ,進行した場合には術後QOLの低下を招くため,早期診断が望まれるが,粘膜切開による直視下生検は非常に有用な手段であると考えられた.
抄録全体を表示
-
松本 俊彦, 高谷 昌宏, 八木 洋輔, 三浦 公, 杉原 雄策, 高木 慎二郎, 平松 靖史, 北野 元子, 森井 和彦, 森下 博文, ...
2011 年 53 巻 4 号 p.
1295-1302
発行日: 2011年
公開日: 2011/06/14
ジャーナル
フリー
症例は72歳女性.C型肝硬変にて当院通院中であった.2007年4月に鮮血便を認め,直腸内視鏡検査にてRSから肛門輪に直腸静脈瘤が観察された.直腸静脈瘤出血と考えinterventional radiology施行.全身麻酔下に小開腹し,上直腸静脈を塞栓した.止血後肝不全にて永眠するまで出血は認めなかった.今回われわれは血管内治療にて良好にコントロールし得た巨大直腸静脈瘤出血の1例を経験したので報告する.
抄録全体を表示