日本消化器内視鏡学会雑誌
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41 巻, 1 号
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  • 丹羽 寛文
    1999 年 41 巻 1 号 p. 1
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 中村 孝司
    1999 年 41 巻 1 号 p. 2
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • ―診断・治療・病態生理―
    西元寺 克禮, 大井田 正人
    1999 年 41 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     消化性潰瘍の治癒判定を主とした内視鏡診断,治療,病態生理について述べた.電子内視鏡の普及と共に,従来にも増して微細な診断と画像解析・処理が行えるようになった.治癒判定は,再発の有無の予測判定ともいえる.その瘢痕の内視鏡的特徴は白色で,しかも周辺健常粘膜と同様の微細構造と機能を有する像である.H. pyloriの除菌成功例では,再発しづらい潰瘍の特徴を呈すると報告されている. さらに,治療の残された課題である再発防止には維持療法は限界があり,H.pyloriの除菌が最も有効な治療法である.この除菌療法は,2種類の抗生剤とプロトンポンプ阻害剤を組み合わせた3剤併用療法(new triple therapy)が主流となりつつある. 病態生理も着々と新しい展開が開けつつあり,特にH.pyloriとの関連からみた胃酸分泌機構や胃粘膜防御機構の解明が進みつつあるのが現状である.
  • 仲 紘嗣, 升田 和比古, 内沢 政英
    1999 年 41 巻 1 号 p. 10-14
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     1980年から10年間におけるわれわれの施設および関連施設での消化器内視鏡分野の偶発症を調査した.197,635件の内視鏡件数に対し事故は16例(=0.008%,うち死亡4例=0.002%.以下カッコ内は死亡例)であった.事故の原因を分類すると,医療者側に過失がなく,予測できない本来の意味での「偶発症」は10例(2)で,ある程度の予測ができる合併症は2例(1)であった.一方,医療過誤とみなされたのは4例(1)であった. 偶発症を本来の意味での「偶発症」と医療過誤にわけて検討し,本来の意味での「偶発症」では何らかの公的機関での補償がおこなわれれば,医療者側と患者・家族側の双方にとって納得のできるものと思われた.
  • 目良 清美, 田尻 久雄, 細川 浩一, 陳 頸松, 武藤 学, 加藤 茂治, 松本 繁己, 大桑 正名, 朴 成和, 藤井 隆広, 大津 ...
    1999 年 41 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胃体上一中部の早期胃癌のうち,術前に切離線が問題になりクリッピング法を施行した33例に対して同法の有用性を検討した.28例に幽・噴門側胃切除術,5例に胃全摘術を施行した.肉眼型はIIa2例,IIb2例,IIc29例であった.組織型は分化型17例,未分化型16例で,深達度はm18例,sm15例であった.全例術中にクリップを触知し,クリップの残留率は幽・噴門側胃切除で92.7%,胃全摘で94.1%であった.33例中30例においてクリップは適切な位置に留置されており,それら適切例においてクリップから病変の辺縁までの距離は各々平均0.54±0.18cm,0.63±0.41cmであった.また,胃全摘例に関しては食道胃接合部から辺縁までの距離は1.3から3.5cmで胃全摘術の選択は妥当であった.クリップを標識に切離線を決定したところ,切除断端陽性は1例も認めず,クリッピング法は切離線決定および手術術式の選択に有用であると考えられた.
  • 日野 昌力, 角谷 宏, 千葉井 基泰, 山本 学, 蜂谷 公敏, 増田 勝紀, 鈴木 博昭
    1999 年 41 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     食道静脈瘤患者30例に対しCD-EUSを施行し,LGVの形態と血行動態を観察した. LGVは, 28例(93.3%)で描出可能であり,その血管径は2.2-15.4mm(平均6.1±3.4mm)であった.LGVは噴門部近くで前枝および後枝に分枝しており,後枝は傍食道静脈に連続していた.分枝形態から前枝優位型,両枝型,後枝優位型に分類でき,その割合は52, 20, 28%であった.治療の有無別でみると,既治療例で後枝優位型が増加していた.また,傍食道静脈は後枝優位型で最も発達していた.カラードプラ法による検討では,23例(82.1%)で血流シグナルが検出でき,うち22例が遠肝性であった.また,このうち19例で血流速度の計測が可能で,3.0~25.1cm/sec(平均11.6±6.3cm/sec)であった.CD-EUSはLGVの形態と血行動態の詳細な評価が可能であり,食道静脈瘤の病態解明において有用な検査法であると考えられた.
  • 佐藤 隆啓, 山崎 克, 豊田 成司, 狩野 吉康, 大村 卓味, 須賀 俊博
    1999 年 41 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胃静脈瘤49例に細径超音波プローブ(UMP)を用い,胃壁内静脈瘤,胃壁外側副路の観察を行った.胃壁内静脈瘤は粘膜下層に観察され,低エコー管腔構造として49例全例に明瞭に描出された.一方,高い周波数使用のため,胃壁外側副路の一部は減衰により,全体像の把握は困難であった.UMPによる胃壁内静脈瘤の径は3-10mmで平均では5.5±1.8mmであった.形態別にはF2に比しF3で,占拠部位別にはLg-cやLg-fに比しLg-cfにおいて有意に径は大きかった.次に,胃静脈瘤の表皮の厚さを検討するとその厚さは0.8-2.0mmで平均では1.3±0.3mmであった.F2に比しF3でまた,Lg-cやLg-fに比し,Lg-cfにおいて有意に表皮は薄かった.また,発赤や粘膜所見を有する静脈瘤は有しない静脈瘤に比べ,有意に表皮は薄かった.しかし,発赤や粘膜所見が認められない場合でもUMPで表皮が薄い症例が多数診断され,UMPは胃静脈瘤の表皮の厚さの診断に極めて有用であった.
  • ―自験4症例についての検討―
    上平 晶一, 吉田 行雄, 小池 正喜, 佐藤 佳宏, 兵頭 隆史, 宮谷 博幸, 溝岡 雅文, 大澤 博之, 二村 貢, 平川 隆一, 大 ...
    1999 年 41 巻 1 号 p. 36-41
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     当センターでは1989年以来27,148件の上部消化管内視鏡検査を施行し,4例の食道穿孔を経験した(発症率0.015%).診断的内視鏡によるものが1例,治療内視鏡によるものが3例で,発症率はそれぞれ0.004%と0.366%であった.症例1は食道静脈瘤結紮術のオーバーチューブ挿入時に穿孔し,保存的治療で治癒した.症例2は食道狭窄に対する拡張術中に穿孔し,保存的治療が無効なため外科的治療が施行された.症例3は放射線治療後の食道狭窄に対する拡張術を施行中に穿孔し,症例4は上部消化管内視鏡挿入時に穿孔した.いずれも保存的治療で治癒した.4例中3例が保存的治療で軽快治癒し,1例が縦隔炎を続発し外科的治療を必要とした.穿孔後の迅速且つ強力な抗生剤投与により縦隔炎を高率に阻止できると思われた.
  • 園田 範和, 梅原 伸太郎, 小松 義和, 加藤 貴司, 斉藤 晋, 大石 正枝, 鈴木 晃子, 鈴木 岳, 国枝 保幸, 石崎 忠文, 中 ...
    1999 年 41 巻 1 号 p. 42-48
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は63歳,男性.嚥下困難を主訴に当科を受診した.上部消化管内視鏡検査にて,腹部食道を中心に1+2+IIc病変,胃角部小彎にIIc病変を認め,当科入院となった.胃全摘と腹部食道切除術を施行され,病理学的所見から食道病変は食道癌肉腫,胃病変は早期胃癌と診断された.食道癌肉腫は移行像を認めず,smooth muscle actin染色が陽性にて,真性癌肉腫と診断され,貴重な症例と考え報告した.
  • 池端 敦, 冨地 信和, 佐熊 勉, 狩野 敦, 加賀 誠司, 三浦 達也, 村上 晶彦, 小野 満, 石川 洋子
    1999 年 41 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は61歳の男性,突然の心窩部痛を主訴に当科を受診した.腹痛は翌日には改善されたが,上部内視鏡検査,胃X線検査にて胃穹窿部に一部陥凹を伴う表面平滑な粘膜下腫瘍が認められた.術前確診は得られなかったが,腹腔鏡的胃部分切除術が施行された.肉眼的には2.5×1.5cmの粘膜下腫瘍様病変であり,病理組織学的検査でlymphoid hyperplasiaと診断された.経過は良好で,術後20カ月経った現在再発はみられていない.
  • 佐々木 明徳, 桑島 一郎, 萱場 佳郎, 鵜飼 克明, 大方 俊樹, 中野 昇
    1999 年 41 巻 1 号 p. 54-59
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は71歳男性.直腸癌術後の経過観察中,注腸X線で盲腸に腫瘤を認めた.腫瘤は,大腸内視鏡で表面粘膜に変化なく,腹部CTで多数の小石灰化像を内部に認めた.超音波内視鏡では,腫瘤は低エコーで,内部エコーの大半が均一であったが,一部斑状を示した.回盲部切除術施行,腫瘤の内腔に5~10mmの乳白色の層状構造を示す球形物の充満を認めた.腫瘤の粘膜は非腫瘍性で,粘液球形成症を合併した虫垂粘液嚢腫と診断した.
  • 水谷 佐世子, 大橋 計彦, 山雄 健次, 古川 剛, 松浦 昭, 栗本 組子, 中村 常哉, 鈴木 隆史, 渡邊 吉博
    1999 年 41 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診で術前診断が可能であった直腸子宮内膜症の1例を経験したので報告する.症例ば41歳,女性.主訴は便秘と右上腹部不快感で,大腸造影検査と大腸内視鏡検査で直腸粘膜下腫瘤が指摘された.組織診断のため内視鏡下の生検を試みたが確定診断が得られなかったため,超音波内視鏡下の穿刺吸引細胞診を実施した.その結果,粘膜下の腫瘤から微繊毛を伴う内膜腺上皮細胞や間質細胞が確認され,異所性子宮内膜症と診断し手術にて確認した.直腸子宮内膜症は良性疾患であり,術前の確定診断が得られれば,治療の第一選択はホルモン療法が好ましいと考えられ,今後は本検査を用いることで適切な治療法の選択が可能になると考えられた.
  • 浜口 正輝, 樋口 和秀, 安藤 健治, 久我 武広, 斯波 將次, 内田 俊之, 藤原 靖弘, 高石 修, 荒川 哲男, 黒木 哲夫
    1999 年 41 巻 1 号 p. 65-71
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は74歳,女性.肝硬変症.内視鏡検査にて胃静脈瘤と連続するpipe-linevarix(巨木型食道静脈瘤)を認めた.通常の治療では,難渋する可能性があるため,今回,内視鏡的静脈瘤結紮術(endoscopic variceal ligation:EVL)および,内視鏡的硬化療法を組み合わせた治療法を考案した.すなわち,まず,静脈瘤の流出路をEVLにより遮断し,続いて,内視鏡的硬化療法・結紮術同時併用療法を施行する方法である.その結果,1回の治療で静脈瘤は完全消失し,一年以上再発していない.この方法は,従来の治療法に比較し,患者に対する苦痛も少なく,短時間,最小回数で治療でき,出血などの危険性,硬化剤による副作用も少なく,安全に施行できることより,治療に難渋しやすいpipe-line varixの治療には有用であると考えられた.
  • 岡田 千津子, 永尾 重昭, 東納 重隆, 徳永 徹二, 川口 淳, 松崎 宏治, 北川 敬丈, 伊藤 和郎, 三浦 総一郎, 池田 知純, ...
    1999 年 41 巻 1 号 p. 72-76
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は19歳,男性.16歳時より3年間のアルコール大量摂取歴がある.初回内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)にて,主膵管の拡張及び膵管内陰影欠損を認め,慢性膵炎と診断した.第2回目のERCP時に,膵頭部主膵管内より,蛋白を主成分とする膵石をバルーンを用いて経乳頭的に除去した.未成年者のアルコール性慢性膵炎症例で膵石を伴う症例は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 日本消化器内視鏡学会
    1999 年 41 巻 1 号 p. 77-78
    発行日: 1999/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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