【背景】胸部食道切除胃管再建術を行った症例の残食道炎(RE-re)発生について,胃管pHと胃管粘膜の状態との関連性を検討した.【方法】術後上部消化管内視鏡検査時に胃管粘膜生検および胃管pH測定を施行した117症例を対象とした.RE-reはロサンゼルス分類(改)(LA分類)を用いて分類し,pHは鉗子孔挿入型微小ガラスpH電極を用いて胃管上部で測定した.生検は胃管の上部下部の2カ所で行い,
Helicobacter pylori(
Hp)感染・萎縮・腸上皮化生(IM)の各項目において検討した.【結果】
Hpの感染が進行した症例はpHが高値であり,RE-re発生が減少していた.同様に,萎縮およびIMが進行した症例はpHが高値であり,RE-re発生が減少していた.【結論】RE-reの発生は
Hp感染・胃管粘膜の状態と密接な関係があるものと考えられた.
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