日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
34 巻, 1 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
  • 暗田 隆夫
    1992 年 34 巻 1 号 p. 1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 大柴 三郎
    1992 年 34 巻 1 号 p. 2
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 多胡 卓治
    1992 年 34 巻 1 号 p. 3-19
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡的に診断した胃食道静脈瘤34症例にEUSを施行し,主に胃穹窿部静脈瘤(Fundic varices=FV)に関して新しい知見を得た.FV27症例の内視鏡所見を扁平状静脈瘤(n=9),結節状静脈瘤(n=10),腫瘤状静脈瘤(n=8)に分類してFVの特徴的EUS所見につき検討すると, 1)FV構成血管径は,扁平状3.1±1.7mm,結節状5.0±1.4mm,腫瘤状9.1±2.8mmの順で有意に太く,胃壁貫通血管径とも近似しており,特に腫瘤状静脈瘤は豊富な血流を有していることが推測された. 2)FV表層は3層構造として描出され,その厚さ2.1±0.5mmは,正常胃壁表層の3層構造の厚さ3.6±0.6mmと比べ有意に薄く,FV表面にびらんを合併すれば,容易に破綻する危険性があると思われた. 3)FVの漿膜側に筋層より外側の胃壁構造が描出されない症例があり,特に腫瘤状静脈瘤では88%を占め,静脈瘤の壊死,脱落による胃穿孔の危険性が考えられた. 以上より,EUSは特にFV出血の予測と適切な治療法を選択するために極めて有用と思われた.
  • 小畠 敏嗣, 島田 宜浩
    1992 年 34 巻 1 号 p. 20-29
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎の形態学的特徴を明らかにする目的で,島根医科大学第2内科において診断された非A非B型慢性肝炎134例,及びB型慢性肝炎115例を対象とし,HCV抗体を測定し,B型(95例),C型(110例),B+C型(20例)及び非B非C型(24例)の4型に分類し,背景因子,腹腔鏡所見及び肝生検組織像について検討した.C型及び非B非C型の平均年齢は,B型及びB+C型よりも高齢であった.C型ではB型に比べ肝表面に規則正しく分布する赤色紋理(RM)の出現頻度は低く,局在性で,大型の不規則な分布をするRM(irreg.RM)が多かった.更に,irreg.RMは,左右両葉の脈管系の境界とされるCantlie線に沿って局在するものが多く,血流の乏しい部位に分布するものと考えられた.また,肝組織像では,CAH-2Bの約40~50%の症例にRMが出現することが明らかにされた.以上より,irreg.RMが,C型慢性肝炎の腹腔鏡所見の特徴のひとつであることが証明された.
  • 渡辺 千之, 春間 賢, 隅井 浩治, 森川 章彦, 岡本 志朗, 豊島 仁, 吉原 正治, 梶山 梧朗, 上村 直実, 忌部 明, 木村 ...
    1992 年 34 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胃癌患者116名(早期胃癌78名,進行胃癌38名),及び内視鏡的健常者128名を対象として血清ペプシノーゲンI(PGI),ガストリン値及び胃酸分泌能について検討を行った.胃癌患者の血清PGI値と最高酸分泌能(MAO)は健常者と比較して有意に低値であり,また血清PGI値は胃癌の進行により低下を示した.胃癌の形態と組織型から検討すると,隆起型,非潰瘍型の陥凹型早期胃癌,分化型胃癌では他群と比較し血清PGI値,MAOは有意に低値を示した. 血清ガストリン値は,進行胃癌で高値を示した他は有意な傾向は示さなかった. 血清PGI値とMAOの低下は胃底腺粘膜の萎縮を反映している.よって,形態学的には隆起型と非潰瘍型の陥凹型早期胃癌,組織学的には分化型胃癌が萎縮した胃粘膜を背景に発生していると考えられる.また,測定の簡便な血清PGIの測定は,これら萎縮を基盤に発生する胃癌のhigh risk groupをスクリーニングする有用なマーカーとなりうると考えられた.
  • 斎藤 洋子, 斎藤 澄, 中原 朗, 福富 久之
    1992 年 34 巻 1 号 p. 39-47_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    表層性胃炎は内視鏡的には発赤を指標として診断されることが多い.そこで表層性胃炎における発赤所見とその組織学的な特徴を対比することを目的として,内視鏡下に観察された発赤部粘膜225カ所(斑状発赤147個,点状発赤45個,Kammrötung33個)と非発赤部粘膜73カ所(凹凸・腫大40個,平坦部33個)を対象として組織学的な検討を行った.組織学的に急性炎症所見とされる浮腫・充血・好中球浸潤の出現頻度は発赤部で85.8%,平坦非発赤部で54.5%と発赤部が有意に高かった(p<0.01).発赤部と非発赤部の背景粘膜の萎縮の程度を組織学的に比較すると,ほとんど正常がそれぞれ14%・19%,軽度萎縮が29%・14%,中等度萎縮が34%・37%,高度萎縮が23%・30%であり,発赤部と非発赤部に差は認められなかった.以上より,発赤は粘膜の萎縮の程度とは無関係に急性炎症に関連して出現していることが示唆され,慢性表層性胃炎の指標としては適切でないと思われた.
  • 大川 清孝, 青木 哲哉, 池田 雄子, 森吉 靖子, 大谷 健二郎, 正木 恭子, 木岡 清英, 進藤 嘉一, 根引 浩子, 宋 健二, ...
    1992 年 34 巻 1 号 p. 48-56_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     約2年間に50例の肝硬変患者に対してtotal colonoscopyを施行し,大腸vascular ectasiaに関して,prospectiveに,臨床像,背景因子の検討を行い以下の結論を得た. 1.50例中22例,44%にvasculare ctasiaを認めた.内視鏡像は,クモ状血管腫に似た像を示すことが多かった. 2.全大腸に分布するが,とくにS状結腸から横行結腸にかけて多くみられた.本症は多発することが多く,大きさはほとんどが1cm未満であった. 3.非代償性肝硬変,および肝予備能が悪い症例に有意に多くみられた.一方,門脈圧亢進の程度とは有意の相関はなかった. 4.体表のクモ状血管腫および血中エストラジオール値とは有意の相関はみられなかった. 5.肝硬変,とくに非代償性肝硬変の下部消化管出血の原因となっている可能性があり,今後の検討を要する.
  • 山口 正康, 永田 邦夫, 川原 薫, 吉田 鉄郎, 成沢 林太郎, 朝倉 均
    1992 年 34 巻 1 号 p. 59-65_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    内視鏡での大腸小病変の発見能の向上を目的に,インジゴカルミン原末0.3gをカプセルに入れ,ゴライテリー液による前処置と併用して服用し,色素大腸内視鏡検査を施行した.腹部愁訴の精査のために大腸内視鏡検査を受けた201例中,色素カプセル併用群(A群98例),無併用群(B群103例)の間で比較検討した.ポリープ病変の発見群はA群(41.8%),B群(22.3%)と,併用群に有意に高率に発見された.組織学的に腫瘍性ポリープ病変の発見率もA群(36.7%),B群(18.4%)と有意差を認めた.腫瘍性ポリープの肉眼型は,A群は扁平,無茎型が有意に多かった.さらに無症状群165例の検討でも,腫瘍性ポリープの発見率がA群(17.3%),B群(7.8%)と有意に高率に発見された.本法は従来の色素法に比べ非常に簡便で,しかも大腸小病変の発見能の向上に有用であり,ルーチン検査として十分活用できるものと考えられた.
  • 福光 真二, 藤野 博也, 辻 秀治, 赤木 博, 高祖 均, 赤井 秀幸, 辰巳 嘉英, 岡野 均, 児玉 正, 加嶋 敬
    1992 年 34 巻 1 号 p. 66-73
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    1%Aethoxysklerolを用いた静脈瘤硬化療法に伴う食道潰瘍を,管腔の周在性により分類し,RC signの再発率や臨床症状についての関連を検討した.広範な潰瘍を認めた群や,意図的に潰瘍を形成する地固め法施行群では,RC sign累積再発率が有意に低かった.潰瘍が広範な症例では食道狭窄5例,食道出血2例を認めたが,いずれも保存的治療で改善した.食道潰瘍は,RC sign再発防止には有利であり,臨床上重大な問題にならないと考えられた.
  • 片田 夏也, 篠原 央, 米川 甫, 栗原 博明, 徳永 信弘, 郭 宗宏, 高橋 厚, 今井 裕
    1992 年 34 巻 1 号 p. 74-80_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    直腸原発悪性リンパ腫はまれな疾患であると言われているが,最近われわれが経験した4例に加え本邦報告例53例に関し予後因子を含め臨床病理学的に検討する.症状として肛門出血等の出血を主訴とすることが多く,画像及び肉眼所見では粘膜下腫瘍様病変あるいは周堤を伴う潰瘍型病変像を示すことが多い.病変が粘膜下に存在するため術前の生検にて確定診断をつけることが困難なことがある.病理組織所見ではび慢性リンパ腫が多くほとんどがB細胞由来である.治療としては手術的に病変部を切除した後に多剤併用化学療法を追加することが望ましい.予後に関し一般に極めて不良と言われているが,今回病理組織所見の国際分類であるWorking Formulationを付記しそのgrade(悪性度)は予後を決定する因子の一つとして重要であると思われた.
  • 黒坂 判造, 青木 高仁, 広岡 達夫, 貞永 嘉久, 金子 庄之介, 鈴木 啓央, 小笹 潔, 石川 昌澄, 岩井 力, 黒沢 三雄, 山 ...
    1992 年 34 巻 1 号 p. 81-88
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     20歳代から70歳代の健康な日本人286人について,胃内14点の粘膜pHをI.S.F.E.T.センサーを用いて経内視鏡的に測定した.その結果, 1.加齢に伴う胃粘膜pHの変化をみると,小彎,大彎,前壁側共に加齢に伴ってpH値は有意に(p≦0.01)上昇していた. 2.胃粘膜pHの部位による変化を各年代別に検討すると,小彎,前壁側で各年代共に前庭部から胃体上部へ向かって胃粘膜pHは有意に(p≦0.01)低下していた.大彎側では,20歳代において胃体下部から上部に向かって有意に低下していたが,他の年代では有意差は認められなかった.
  • 大森 浩明, 須川 暢一
    1992 年 34 巻 1 号 p. 89-93
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     大腸内視鏡検査が心,肺機能に与える影響を知る目的で,経皮的酸素飽和度測定器,自動血圧計を用いて112例に対し酸素飽和度(SaO2),血圧を測定し臨床的に検討した. 測定は検査前,内視鏡挿入時,操作中,検査終了後の4時点で行ったが,SaO2の低下(90%未満)は操作中の16例(14%)に見られ,最も頻度が高かった.高血圧(収縮期圧≧200mmHg)は挿入時に最も多く7例(11%)に認め,低血圧(収縮期圧<90mmHg)の頻度は少なかったものの,vagovagal reflexの関与が考えられた1例は検査後治療を要した.心,肺疾患の既往を認めた29例は有しない症例と比較し,検査中のSaO2の低下が有意に高かった.検査後,5例の遷延性低酸素症,2例の高血圧症,1例の低血圧症は治療を要したがいずれも15分以内に前値に復した. 以上より,大腸内視鏡検査中の酸素飽和度および血圧測定は,とくに心,肺疾患などの基礎疾患を有する症例に対する偶発症の予測および迅速な対応に有用であると考えられた.
  • 向井 正哉, 幕内 博康, 町村 貴郎, 杉原 隆, 野登 隆, 佐々木 哲二, 田島 知郎, 三富 利夫
    1992 年 34 巻 1 号 p. 94-101_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は76歳の男性で,2年前から上部消化管造影で下部食道に長径約3cmの粘膜下腫瘍を指摘されていた.無症状であるため放置していたが,胸骨後部不快感が出現したため食道透視を施行したところ同部に長径約6cmの粘膜下腫瘍が認められた.前回と比較して急速な増大を示しCT,超音波内視鏡所見などより充実性の腫瘍も否定できなかったが,内視鏡検査下に鉗子で圧迫すると比較的柔らかい印象を受けた.充実性腫瘍で急速な増大を示すものとして悪性腫瘍も否定できず手術を施行した.術中所見では腫瘤は柔らかく,病理組織学的には気管支原性嚢腫であった.嚢胞内腔に出血したため急速に増大し,さらに凝血塊を伴っていたことより充実性腫瘍と誤られたものと考えられた.以上より急速に増大し悪性が疑われた食道嚢腫の1手術例を経験したので本邦報告例136例の検討を加えて報告する.
  • 黒沢 正喜, 石幡 良一, 鈴木 恭二, 飯塚 美伸
    1992 年 34 巻 1 号 p. 102-108_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Potassium chlorideによると考えられる良性食道狭窄の1例を経験した.症例は79歳の女性.低ガンマグロブリン血症を伴った赤芽球癆にて入院.副腎皮質ホルモン剤の投与により赤血球数は回復したが,入院後薬剤性と思われる白血球減少症をきたし,極期には700/mm3,顆粒球1%となった.心窩部痛がみられたため上部消化管内視鏡を施行.胃潰瘍とカンジダによる食道の白苔を認めた.副腎皮質ホルモン剤による低カリウム血症の予防のためpotassium chlorideを投与した.2カ月後嚥下困難があり,2回目の内視鏡検査にて中部食道に限局性,かつ,全周性の狭窄とびらんがみられた.びらんからの生検にて核内封入体が得られ,尿中よりサイトメガロウイルス(CMV)が証明された.食道狭窄の原因としてカンジダ, potassium chloride,および,CMVが疑われたが,狭窄の部位と形が従来のpotassium chlorideによる狭窄の報告例と似ており,これを原因と考えた.
  • 真銅 太郎, 原 真人, 大田 剛穂, 小島 邦彦
    1992 年 34 巻 1 号 p. 111-116_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は生後5カ月の男児で3週間続く黒色便を主訴に来院した.内視鏡検査で胃体上部に結節様凹凸を伴う隆起性病変を認めた.腫瘍核出術および胃部分切除術が施行され,腫瘍(8.5×6.8× 5.5cm)は胃体部後壁より内腔に向かって発育していた.病理組織学的に未熟型奇形腫と診断された.胃奇形腫の報告は本邦では自験例を含めて現在までに34例で,これらについて臨床的に検討した
  • 井戸川 篤志, 長嶋 厚樹, 荒川 丈夫, 山縣 さゆり, 藤崎 真人, 妹尾 恭一
    1992 年 34 巻 1 号 p. 117-122_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    出血前後の長期的内視鏡観察がなされた胃動静脈奇形症例を報告した.胆管癌等にて加療中,突然,消化管出血を呈しDieulafoy潰瘍の診断にて内視鏡的に止血されたが,癌性腹膜炎にて死亡.剖検にて胃動静脈奇形の確定診断が得られた.出血7年前には多発性隆起性病変として,18日前にはびらん面として観察されていた.出血の機序として粘膜下の局所循環障害,胃液等により粘膜のびらん,更には血管破綻に至ったと推測された.
  • 山田 雅彦, 中野 哲, 武田 功, 熊田 卓, 杉山 恵一, 長田 敏正, 桐山 勢生, 岡部 英生, 竹田 力, 伊藤 治
    1992 年 34 巻 1 号 p. 123-129_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は43歳と58歳男性.いずれも下痢,消化管ポリポーシス,脱毛,爪甲異常,皮膚色素沈着及び低蛋白血症を認め,Cronkhite-Canada症候群と診断した.ポリープの組織像では腺管の嚢胞状拡張,間質の浮腫及び炎症性細胞浸潤を認めた.Elemental diet及びアルブミン輸液等では効果を認めなかったが,ステロイド療法により消化管ポリポーシスと外胚葉系症状が著明に改善した.現在,両症例とも外来通院中で,経過良好である.
  • 井上 健一郎, 西山 高志, 澤 隆文, 牟田 広毅, 大石 哲也, 中尾 治彦, 川口 昭男, 井上 哲治, 伊津野 稔, 村田 育夫, ...
    1992 年 34 巻 1 号 p. 130-134_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    Von Recklinghausen病に随伴しない単発性の大腸神経線維腫の1例を経験した.症例は52歳,男性.人間ドックにてスクリーニングの大腸内視鏡検査を施行,盲腸に隆起性病変を認め入院した.隆起性病変は盲腸のバウヒン弁対側に存在し,正常粘膜に覆われ,頂部がやや陥凹し,くびれを有する大きさ約10mmのものであった.粘膜下腫瘍と診断し,内視鏡的に摘除した.摘除後の大きさは10×10×7.5mmで,黄白色調で正常粘膜に覆われ,病理組織学的には細長い核を有する紡錘状細胞が被膜を有することなく粘膜下層に束状に交錯しつつ,充実性に増殖しており,免疫染色で抗S-100蛋白抗体に陽性で,神経線維腫と診断した.これまでに本邦において大腸神経線維腫の報告はなく,極めて稀な疾患であるので,その文献的考察を加え報告した.
  • 高見 史朗, 奥田 宗久, 傍島 淳子, 石井 靖隆, 西田 博, 太田 正治, 林 邦雄, 中川 義弘, 島本 和彦
    1992 年 34 巻 1 号 p. 137-143_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は34歳,男性.1983年頃より,口腔内アフタの出没を繰り返していた.1985年初旬より,下痢,発熱,咽頭痛が出現し,一某院で全大腸のアフタ様潰瘍を指摘された.1985年3月当院を受診し同様の所見を得た.アフタ様潰瘍からの生検組織像は非特異性炎症の像であった.Crohn病を疑い,中心静脈栄養,Salazosulfapyr-idine,Elental療法等で治療したが,アフタ様潰瘍は消失しなかった.1988年2月頃より,アフタ様潰瘍の増大と咽頭潰瘍の出現を認めたため,Predonisoloneの投与を開始したところ,アフタ様潰瘍は消失したが,減量中再燃をみたため,更にCyclophosphamideを併用した.1989年4月の大腸X線検査ではアフタ様潰瘍は消失していたが,回盲部に不整形潰瘍を指摘された.同様の治療の継続により,1990年7月の大腸X線検査では,回盲部の潰瘍は消失しており,アフタ様潰瘍の再発も認めなかった.本症例はHLAvB51陽性であり口腔内アフタ,回盲部潰瘍等より腸型Behget病の可能性が考えられた.
  • 山科 哲朗, 秋山 真一郎, 竹内 秀一, 川西 譲児, 鎌田 剛, 新津 洋司郎
    1992 年 34 巻 1 号 p. 144-150_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は78歳女性,心窩部痛を主訴に来院,超音波検査で肝左葉に充実性成分と壁在結節を持つ嚢胞性病変を認め精査入院となった.肝嚢胞腺腫,または肝嚢胞腺癌を疑い嚢胞穿刺液による細胞診を行ったが確定診断に至らず経皮経肝胆道鏡(PTCS)を施行した.内視鏡による観察,さらに生検では悪性所見を認めず画像診断上,また病理組織学的に本症例を肝嚢胞腺腫と診断した.以上よりPTCSは肝嚢胞性病変の鑑別診断に極めて有用な検査法と考えられた.
  • 渋谷 大助, 浅木 茂, 田村 節, 山口 典男, 関根 仁, 枝幸 基, 中山 裕一, 豊田 隆謙
    1992 年 34 巻 1 号 p. 151-154_1
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    われわれは,EIS後に巨大血腫の形成を繰り返したvon Willebrand病の1例を経験したので報告する.症例は58歳のvon Willebrand病が併存する肝硬変の患者で,予防的硬化療法の目的で当科に入院した.黄疸,貧血,腹水は認めず,軽度のトランスアミナーゼの上昇を認めた.血小板は3.2万と減少,凝固能は軽度の低下を認め,血小板の粘着能,凝集能は著明に低下していた.補充療法を行ったが,6回のEIS中に2回の巨大血腫を形成した.EIS後の巨大血腫の形成には繰り返されるEISによる食道粘膜の脆弱化と硬化剤の血管外への漏れに加えて凝固能の低下,血小板機能の低下による持続的な粘膜下組織への出血が原因と考えられた.後出血の予防にエタノールの注入とトロンビンの散布を併用したが,穿刺針にて血腫を破ることは血腫の進展の予防に有効であった.
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 1 号 p. 157-168
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 1 号 p. 168-179
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 1 号 p. 179-188
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 1 号 p. 189-199
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 1 号 p. 199-215
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    1992 年 34 巻 1 号 p. 215-275
    発行日: 1992/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top