1) 各種の好気性菌のみ検出され, 嫌気性菌は分離されなかった.
2) 菌の検出頻度は, 保存温度にかかわらず無処理卵および水洗卵では80-100%, ワセリン処理卵では28-42%であった.また室温保存卵では全例より菌が検出された.
3) 生菌数はワセリン処理が最も少く, 水洗卵無処理卵の順に多くなり, 後2者では保存温度が高くなるにつれ, 生菌数も増加する傾向を示した.
4) 検出された菌種はStreptococcus (Lactic group) Micrococcus, Enterococcus, Escherichla, Bacillus, Flavobacterium, Staphylococcus, Achromobacter, Pseudomonasであつた. 室温保存卵ではStaphylococcus, Bacillus, Escherichia, Micrococcus, Enterococcus;無処理卵 37°C および10°C 保存ではEnterococcus, Pseudomonas, 5°C 保存ではPseudomonas, Streptococcus;水洗卵37°C 保存ではEnterococcus, Pseudomonas, Bacillus, 10°C 保存ではEnterococcus, Streptococcus, Pseudomonas, 5°C 保存ではPseudomonasの検出頻度がそれぞれ高かった.
5) 検出された各菌種の生菌数は, 一般に検出頻度の高いものは菌数が少く, 検出頻度の低いものの菌数は多い傾向を示した.
6) ワセリン処理卵についての菌の検出頻度および生菌数は, 他の処理卵における成績に比し少くこの処置は卵の保存方法として効果があるものと考えられた.
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