日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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67 巻, 8 号
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 松本 裕一, 木野内 久美, 壁谷 昌彦, 原 恵, 大西 英高, 森澤 道明, 澤田 浩, 宮本 亨
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻8 号 p. 587-592
    発行日: 2014/08/20
    公開日: 2014/09/20
    ジャーナル フリー
    サフォーク種羊12頭を飼養する農場で,周産期の繁殖用羊4頭及びその子羊2頭が食欲不振と起立不能を呈し死亡した.肝臓の黄褐色化がみられ,肝臓中銅濃度は平均328±59μg/g(湿重量)であり,病理組織学的に肝臓に銅の蓄積を認めたため銅中毒と診断した.この農場では,原発事故によって放牧ができなかったため,配合飼料を1日1頭当たり600g(銅濃度:45mg/kg乾物)及び乾草(銅濃度:5mg/kg乾物)を5カ月間に渡って繁殖羊に給与していた.同居羊の血清肝酵素(GOT,GGT及びLDH)は高い値で推移し,農場全体が慢性銅中毒の状態であったと推定されたが,非妊娠羊では,妊娠羊に比べて低い値で推移していた.以上の結果から,銅含量の高い配合飼料の長期的な摂取によって過剰な銅が肝臓に蓄積し,肝機能を悪化させたことに加えて,妊娠及び分娩に伴うストレス負荷が発症を誘発したと考えられた.
  • 播谷 亮, 大泉 卓也, 岩田 啓, 石田 剛, 藤森 英雄, 安藤 正視, 岡田 綾子, 菅野 宏
    原稿種別: 資料
    2014 年67 巻8 号 p. 593-596
    発行日: 2014/08/20
    公開日: 2014/09/20
    ジャーナル フリー
小動物臨床関連部門
  • 北川 均, 佐々木 栄英, 西飯 直仁, 鬼頭 克也
    原稿種別: 総説
    2014 年67 巻8 号 p. 597-602
    発行日: 2014/08/20
    公開日: 2014/09/20
    ジャーナル フリー
  • 船山 麻理菜, 上地 正実
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻8 号 p. 603-607
    発行日: 2014/08/20
    公開日: 2014/09/20
    ジャーナル フリー
    オルビフロキサシンは濃度依存的に殺菌活性を示す動物用フルオロキノロン系抗菌薬であり,おもに腎臓から排泄される.本研究では,慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease : CKD)モデル犬及び健常犬にオルビフロキサシンを5.0mg/kg単回経口投与し,血中濃度を経時的に測定した.CKD群(n=3)及び健常群(n=3)の糸球体濾過量はそれぞれ2.32±0.45ml/min/kg,4.14±0.66ml/min/kg であった.オルビフロキサシンの最高血中濃度は,健常群で投与1時間後に3.60±0.23μg/ml,CKD群で投与2時間後に3.07±0.31μg/ml であった.平均血中濃度は投与24時間後に健常群では0.45±0.14μg/ml,CKD群では0.41±0.10μg/mlであった.両群ともにオルビフロキサシンの平均血中濃度及び7日間連続経口投与シミュレーションによる血中濃度推移に有意差は認められなかった.本研究より,オルビフロキサシンは腎機能の低下したCKDの犬において,投与量及び投与間隔の調整は不要であるものと示唆された.
  • 宮 豊, 合田 麻衣, 秋吉 秀保, 大橋 文人
    原稿種別: 短報
    2014 年67 巻8 号 p. 608-611
    発行日: 2014/08/20
    公開日: 2014/09/20
    ジャーナル フリー
    経口の免疫抑制治療に抵抗する重度の炎症性腸疾患(IBD)の犬に対して,シクロスポリン(CsA)の持続静脈点滴(CRI)で寛解導入を試みた.13歳,去勢雄のミニチュア・シュナウザーが慢性の消化器症状を呈し来院した.対症療法に反応しなかったので内視鏡検査を実施し,リンパ球プラズマ細胞性腸炎と診断した.プレドニゾロンとCsA及びアザチオプリンによる免疫抑制治療を開始したが寛解しなかったため,入院管理下でCsAのCRIを実施した.CRI開始後速やかに症状は改善し,経口投与へ移行した後も寛解状態を維持した.経口の免疫抑制治療に抵抗する重度のIBD症例は予後不良とされているが,ステロイド抵抗性のIBDに対してCsAのCRIが有効な治療となる可能性がある.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
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