日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
74 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
  • 中山 大輔, 寸田 祐嗣, 森田 剛仁
    原稿種別: 短報
    2021 年 74 巻 2 号 p. 137-140
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/20
    ジャーナル フリー

    飼育されていたヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris),雌,6歳齢に頸部皮下腫瘤が認められ,死亡後に腫瘤を含む複数組織を病理組織学的に検索した.腫瘤は独立円形細胞の腫瘍性増殖によって構成されており,これら細胞は大小不同の類円形核を有し,一部で弱好塩基性の細胞質内顆粒を有していた.同細胞質内顆粒はトルイジンブルー染色においてメタクロマジーを示した.また免疫組織化学的染色により腫瘍細胞の細胞質及び細胞膜はKIT(CD117)に陽性を示した.以上の病理組織学的所見から,本腫瘤を肥満細胞腫と診断した.頸部皮下以外に転移病巣は確認されなかった.多数の肥満細胞が肝臓並びに子宮の血管内に頻繁に観察され,腫瘍性肥満細胞の末梢循環が示唆された.

獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 井端 康博, 朴 天鎬, 立崎 元, 田中 成子
    原稿種別: 短報
    2021 年 74 巻 2 号 p. 141-144
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/03/20
    ジャーナル フリー

    と畜検査時に,牛の右心房に約3cm大の結節状の腫瘤が観察された.腫瘤は弾性に富み,表面には直径約5mm大の白色結節が多数認められた.組織学的に,腫瘤は大小の血管,線維性結合組織,成熟した脂肪組織及び心筋線維によって構成されていた.血管構造は不整であり,血管壁は線維性結合組織によって著しく肥厚していた.特殊染色及び免疫染色の結果,血管壁のおもな構成成分が膠原線維,弾性線維,平滑筋及び粘液であることが判明した.以上の所見に基づき,本症例を心臓血管過誤腫と診断した.

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