肺炎症状を呈し斃死した15農場由来豚30頭から肺病変組織, 肺穿刺スワブ, 鼻腔スワブおよび扁桃組織を採材した. 肺穿刺スワブ材料については, 斃死豚の胸部に牛用套管針を穿刺し, 採取した. 剖検において, 供試豚30頭中26頭で, 肺に出血, 肝変化, 化膿あるいは癒着が認められ, 豚胸膜肺炎が疑われた.肺病変部組織の92%(24/26), 肺穿刺スワブの81%(21/26), 扁桃の59%(10/17) および鼻腔スワブの31%(8/26) から
Actinobacillus pieuropneumoniaeが分離された. 斃死豚からの肺材料を採取する際, 本肺穿刺スワブ採材法は, 開胸採材法に比較して, 手技が簡単で, 安全であり, また, 農場内への病原体拡散を阻止できることから, 肺炎の細菌学的検査用の採材法として有用であることが示唆された.
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