1979年から1981年の3年間に検索した145件の豚の病性鑑定材料中, レンサ球菌感染症は, 平均24.8%を占めた.
これらの材料から分離したレンサ球菌33株のうち1株をのぞいた32株がLancefieldによる血清群別が可能であった. 群別された血清群の内訳はR群が60.6%, C群が36.4%であった.
レンサ球菌感染症の発生は, 同腹の子豚に集中し, 離乳, 移動, 混合などのストレスにともなって多発する傾向があり, 感染群内の発症率は4.2~81.8%であった.
主要な病変は, R群感染症では髄膜炎による神経症状に加えて, 発熱と白血球の増加, C群感染症では内臓の出血性変化と発熱であった.
菌は, R群感染症では脳からが圧倒的に多く94.1%, C群感染症では主要臓器からほぼ同程度の比率で分離された.
分離菌の薬剤感受性は, R群はペニシリン系に, C群はマクロライド系を除いたほとんどすべての抗生物質に感受性であった.
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