乳用雄子牛の
Salmonella typhimrium感染症の多発している十勝地区で, 1978年から1980年の3年間に乳用種成牛サルモネラ症の単発ないし集団発生が5例確認され, 原因菌はすべて
S. typhimrium subserovar copenhagmであった. 5発生例はいずれも分娩後の起立不能, 乳房炎, RSウイルス感染, あるいはコロナウイルス感染等の合併症をともなっていた. 1発生例では, 同居牛および牛舎環境の汚染と集団発生が確認された.
成牛由来の上記株と同一地域の肥育牧場の乳用雄子牛由来株とは, 生物型からみて疫学的な関連を示していた, 成牛由来株では過去3年間, 各種薬剤に対する感受性の変動差はあまりみられなかったが, 乳用雄子牛由来株では, とくにOA剤, NA剤に対する感受性の低下が顕著にあらわれた. 本地区の乳用雄子牛由来株には, 1979年からAB-PC, OTC, CP, DSM, SDM, KM, NAの7剤耐性型が出現している.
抄録全体を表示