日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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76 巻, 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 黒川 葵, 金森 健太, 片山 亜紀保, 德武 慎哉, 戸田 和将, 森谷 翠, 榊 基, 岡部 知恵, 因泥 優樹, 水上 智秋, 岸咲 ...
    原稿種別: 資料
    2023 年 76 巻 5 号 p. e81-e104
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/10
    ジャーナル フリー
  • 野崎 陸, 佐藤 遼太, 白鳥 孝佳
    原稿種別: 短報
    2023 年 76 巻 5 号 p. e110-e115
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/20
    ジャーナル フリー

    山形県内で発見された豚熱ウイルス(CSFV)感染野生イノシシの扁桃,口蓋腺,脾臓及び腎臓について病理組織学的検索を行った.肉眼所見は削痩(7/12頭),脾腫(4/12頭),脾臓辺縁の暗赤色化(1/12頭),腎臓の点状出血(2/12頭),病理所見は脾臓のリンパ球減少及び出血,腎臓間質の単核細胞浸潤及び出血が認められた.免疫組織化学的検査では,扁桃(10/10頭),口蓋腺(9/9頭),脾臓(12/12頭),腎臓(12/12頭)でCSFV陽性抗原が検出された.本調査の結果は病原性が中等度とされているCSFV国内流行株感染豚における報告と類似していた.CSFV抗原は扁桃,口蓋腺,腎臓で認められたことから,唾液及び尿中にウイルスを排泄し,野生イノシシ個体群におけるCSFVの感染源となっていたことが示唆された.

  • 田村 倫也, 工藤 力, 庄野 春日, 坂本 沙織, 尾形 透, 吉田 晴香, 千葉 恵樹
    原稿種別: 短報
    2023 年 76 巻 5 号 p. e116-e121
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー

    子牛の股関節脱臼3症例に対し大転子移動術による治療を実施し長期経過を観察した.症例は1~85日齢で発症し,全例が前背方脱臼と診断され,発症から手術までの日数は9~16日であった.手術は全静脈的鎮静不動化処置の下に実施し,頭外側アプローチにより股関節を露出させ脱臼を整復,切断後の大転子は遠位に移動させスクリュー及びテンションバンドワイヤーを用いて大腿骨へ固定した.全例で術後14日目までに支柱肢跛行が消失した.症例1は経過中に他の外傷を発症し早期淘汰された.症例2は19カ月齢,症例3は31カ月齢まで良好に発育し,子牛の股関節脱臼に対する大転子移動術の有用性が示唆された.

  • 原田 奈美香, 茂木 麻奈美, 髙梨 資子, 松浦 裕一, 芝原 友幸, 萩原 克郎, 瀧澤 勝敏
    原稿種別: 短報
    2023 年 76 巻 5 号 p. e122-e129
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/31
    ジャーナル フリー

    群馬県内の酪農場において,非化膿性脳炎を呈した牛の大脳からアストロウイルス(AstV)の特異遺伝子断片が検出された.当該牛は横臥し泌乳量減少,食欲不振となり,予後不良と診断された.剖検では,著変は認めず,病理組織検査では,大脳,間脳,中脳,橋及び延髄に囲管性細胞浸潤,グリア集簇が認められ,それらの変化は脳幹でより重度であった.病原検索では,大脳及び主要臓器から有意な細菌は分離されず,他のウイルスは不検出であった.検出されたAstV遺伝子断片の塩基配列は,国内初発例の神経指向性AstVの非構造蛋白質領域と95%一致した.本症例の脳炎にAstVが関与した可能性があり,国内2例目の報告であると考えられる.本研究により,国内の複数の地域における神経指向性AstVの存在が示唆され,国内にAstVがまん延している可能性が推察された.

小動物臨床関連部門
  • 安積 一平, 西田 英高, 田中 美有, 桑村 充, 嶋崎 等, 田中 利幸, 山本 卓矢, 秋吉 秀保
    原稿種別: 短報
    2023 年 76 巻 5 号 p. e75-e80
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー

    7歳齢の避妊雌のトイプードルが,右前肢の跛行を主訴に受診した.初診時のX線検査では右肩甲骨の骨増生及び皮質骨の不整が認められた.病変部位の組織の一部を採取したところ,非感染性の骨の炎症が疑われた.プレドニゾロン内服によって臨床徴候の改善が認められ,休薬によって血中C反応性蛋白(CRP)の高値及び両後肢不全麻痺が認められるようになった.核磁気共鳴画像(MRI)検査によって,第1-2胸椎,第4-5胸椎の硬膜外脂肪の炎症が認められ,特発性無菌性化膿性肉芽腫と診断した.免疫抑制量のプレドニゾロン及びシクロスポリンの内服によって,両後肢の神経徴候は改善し,血中CRPは正常範囲内まで低下し,MRI検査では病変は消失していた.本症例では,無菌性化膿性肉芽腫が肩甲骨及び硬膜外脂肪に発症したと考えられた.

獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 小林 光士, 古内 功二, 小野寺 仁, 小池 史晃, 辻 芳裕, 島村 眞弓, 豊福 肇
    原稿種別: 短報
    2023 年 76 巻 5 号 p. e105-e109
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/18
    ジャーナル フリー

    と畜場で行った2010~2019年度の10年間の牛枝肉及び部分肉表面の一般生菌数の推移について分析した.枝肉の検出率は2015年度に,部分肉のそれは2011年度に前年度に比べ20%以上減少していた.枝肉は2013年度から平均値が減少し始め,10年間で最も平均値が低かった年度は枝肉ももが2019年度,枝肉ばらが2017年度,枝肉まえばらが2016年度で,いずれも2014年度と比べ有意に低値を示した.部分肉ばら,部分肉かたは2011年度が10年間で最も平均値が低く,2010年度と比べ有意に低い値を示した.2011年度は対香港輸出,2015年度は対米輸出取得を目指し,従事者の衛生管理へのモチベーションが機械器具の洗浄消毒と従事者衛生等の管理強化につながり,一般生菌数の結果に反映したと考えられた.

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