日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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68 巻, 8 号
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 村野 多可子, 並木 一男, 椎名 幸一, 安川 久
    原稿種別: 原著
    2015 年 68 巻 8 号 p. 509-514
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    ワクモの駆除を目的とした市販のカーバメイト系製剤3剤,ピレスロイド系製剤1剤,有機リン系製剤3剤,ハエの駆除を目的とした市販のピレスロイド系製剤2剤,ピレスロイド系と有機リン系の合剤2製剤を用いて,2007~2013年の7年間ワクモの薬剤抵抗性出現について調査した.7年間の調査結果は2007~2010年の4年間と2011~2013年の3年間に分けて集計した.前半の4年間は1道1府30県139農場,後半の3年間は29県119農場から採取したワクモを用いて調査した.ワクモの抵抗性はすべての殺虫剤に対して認められたが,カーバメイト系のカルバリル,有機リン系のトリクロルホン,合剤のフェニトロチオン・ペルメトリン・フタルスリンでの出現率は,他剤に比べて低い傾向にあった.また,ワクモの駆除を目的とした3系統の薬剤のすべてに抵抗性をもつワクモの出現がみられた農場は,前半の4年間では19/139(13.7%)農場,後半の3年間では22/119(18.5%)農場であった.
  • 川嶌 健司, 亀位 徹, 丸田 哲也, 髙井 光, 平澤 康伸, 万所 幸喜, 勝井 一恵, 大泉 卓也
    原稿種別: 資料
    2015 年 68 巻 8 号 p. 515-518
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
小動物臨床関連部門
  • 北村 憲彦, 西村 紳, 山本 亮平, 青木 美香, 田中 美有, 桑村 充, 嶋田 照雅, 久保 喜平
    原稿種別: 短報
    2015 年 68 巻 8 号 p. 519-522
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    1週間前より食欲絶廃を呈した6歳雌のミニブタが来院した.X線検査にて腹腔内腫瘤を認め,第7病日に開腹下で右背側の腫瘤を切除した.腫瘤は卵巣に近似した発生部位と病理組織学的所見より,顆粒膜細胞腫と診断した.術後症例はQOLが改善して身体状態良好に経過していたが,第223病日に突然神経症状を呈して死亡した.剖検では,下垂体に充実性腫瘤が脳実質を圧迫するように認められたが,腹腔内腫瘍の再発は認められなかった.下垂体腫瘤の病理組織学的所見は腹腔内腫瘍と同様であり,腹腔内腫瘍の細胞はκ light chain陽性であったことから,本症例の腫瘍をあらためて形質細胞腫と診断した.本症例は腹腔内腫瘍の外科的摘出により,QOLが改善して約7カ月間再発もなく良好に過ごせたことから,本症例において外科療法は有効な治療法であったと考えられた.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 吉田 桂子, 古川 一郎, 相川 勝弘, 荒木 美緒, 横田 宏一郎, 廣井 恵津子, 佐多 辰, 松阪 龍雄
    原稿種別: 原著
    2015 年 68 巻 8 号 p. 523-529
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    神奈川県食肉衛生検査所において牛及び豚の疣贅性心内膜炎から分離され,簡易同定キットでGemella属,Granulicatella属あるいはピリドキサール依存性グラム陽性球菌と同定された17株の16S rDNAの塩基配列を解析したところ,すべてがHelcococcus ovisH. ovis)と同定された.これより本菌は牛ばかりでなく豚の疣贅性心内膜炎の原因菌となることが示唆された.また,H. ovisを分離した牛の疣贅部の免疫染色では,疣贅部にH. ovisの存在を確認することができた.さらに,2組のプライマーを用いたH. ovisに特異的なPCR法を開発し,上記の17株及び他のグラム陽性球菌27株を用いて検討したところ,検討した17株は特異的にH. ovisと同定された.これより,本PCR法はH. ovisの迅速同定法として有用であると考えられた.
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