日本獣医師会雑誌
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35 巻, 4 号
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  • 足立 吉數
    1982 年35 巻4 号 p. 201-206
    発行日: 1982/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • II. 血液, 骨髄およびリンパ節穿刺液の形態学的所見
    一条 茂, 金 徳換, 小西 辰雄
    1982 年35 巻4 号 p. 209-214
    発行日: 1982/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    白血病牛62例 (子牛型10例, 胸腺型18例, 皮膚型3例, 成牛型10例) の血液, 骨髄液, 体表リンパ節穿刺液の形態学的所見を検討した. 赤血球数500万/μl以下の減少は子牛型80%, 胸線型38.9%, 皮膚型33.3%, 成牛型54.8%にみられた. 白血球数とリンパ球絶対數の変動から, 正常範囲例 (I群), 正常値から異常増加に転じた例 (II群), 持続的増加例 (III群) に分類したところ, 白血球数でII・III群の例は子牛型70%, 胸腺型77.8%, 皮膚型66.7%, 成牛型54.8%であった. リンパ球絶対数のII・III群は子牛型50%, 胸腺型55.5%, 皮膚型33.3%, 成牛型71%で, うちIII群は子牛型40%, 胸腺型44.4%, 皮膚型0%, 成牛型45.2%であった. 血液の異常リンパ球比率の増加例 (5%<) は子牛型100%, 胸腺型77.8%, 皮膚型100%, 成牛型96.8%であった. 骨髄液のリンパ球比率の増加例 (31%<) は子牛型71.4%, 胸腺型71.4%, 皮膚型33.3%, 成牛型36%で, いずれも異常リンパ球が多数を占めた. 体表リンパ節穿刺液では子牛型90%, 胸腺型88.9%, 皮膚型100%, 成牛型100%に幼若リンパ球の増殖所見が認められた.
  • 林 隆敏, 野口 春彦, 迫 悟, 山根 乙彦
    1982 年35 巻4 号 p. 217-223
    発行日: 1982/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Jamshidi骨髄生検針によるイヌの骨髄液および骨髄生検組織の採取方法を確立し, 17頭の健康犬の骨髄像を観察した.
    イヌは横臥保定で局所麻酔を行い, 大腿骨近位端の転子窩を穿刺部位とした.骨髄液は全例で採取された. 有核細胞数および巨核球数は個体差が顕著であった. ミエロクリットは赤血球層, 有核細胞層, 血漿層および脂肪層に分離された. 有核細胞層の値と骨髄液中の有核細胞数との間には正の相関が認められた.
    生検組織は全例で採取された. 採取組織片は組織検査の目的に十分適するものであった. ミエログラムの観察には生検組織押捺の方が骨髄液塗抹よりも優れていた.
    穿刺部位には半数例で熱感, 腫脹および圧痛がみられ, 跛行を呈する例も出現したが, これらの症状はいずれも軽微で1週間程度で消失した.
  • 金井 久, 鈴木 要, 清水 健
    1982 年35 巻4 号 p. 223-227
    発行日: 1982/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛舎および豚舎汚水からサルモネラと大腸菌を分離し, 菌における薬剤耐性と耐性プラスミドを検査した.
    サルモネラは検査した390株のすべて (100%) が耐性菌であった. 大腸菌は839株中766株 (91%) が耐性菌であった.
    サルモネラにおいて高頻度に分離された耐性型とその頻度は4剤耐性型 (38%, TC・SM-SA. KM, TC. SM. SA・APC), 5剤耐性型 (31%, TC-SM・SA・KM.APC, TC・CM・SM・SA・KM) であった. 大腸菌では1剤耐性型 (31%, TC, SA), 2剤耐性型 (23%, TC・SA, TC.SM) であった.
    大腸菌の多剤耐性非伝達株について耐性の除去, 脱落をこころみたところ高頻度 (0.7~3.3)
  • 山下 秀之
    1982 年35 巻4 号 p. 227-232
    発行日: 1982/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1974年から1980年の間に病性鑑定として依頼された牛呼吸器疾患について, ウイルス学的, 血清学的検査を試みた. その結果,
    1) 牛呼吸器疾患3発生例28頭中5頭の鼻汁から, パラインフルエンザウイルス3型 (PIV-3) と牛ライノウイルス1型 (BRV-1) を同時に分離した.
    2) 分離ウイルス材料のうち, 2種類のウイルスが混在していると思われる材料から, 限界希釈と免疫血清の併用による方法, 発育鶏卵接種およびエーテル処理による方法などにより, PIV-3とBRV-1を選別した.
    3) 抗体調査結果から, 同時にPIVL3とBRV-1を分離した牛には, 両ウイルスに対する抗体価の有意な上昇が認められた.
  • 鈴木 達行, 高橋 芳幸, 下平 乙夫
    1982 年35 巻4 号 p. 235-241
    発行日: 1982/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    子宮頸管経由による受精卵の移植で, 受胎を阻害している因子を究明するため, 飼育期ならびに性周期別に膣, 子宮頸管の細菌学的検査を行った結果, 次の結論を得た.
    1) 放牧期, 舎飼期別に行った膣前庭の細菌検査では, 両者で優位に検出されたStreptococcusを除けば, 放牧期でグラム陰性桿菌, Corynebacteriumが比較的高頻度に検出され, その割合がそれぞれ26例 (18.6%), 19例 (13.6%) となった.これに対し, 舎飼期では, Corynebacterium, Bacillus, Staphylococcus, Escherchiaの検出頻度が高く, その割合がそれぞれ24例 (39.3%), 20例 (32.8%), 11例 (18.0%), 11例 (18.0%) となり, 放牧期に比べて細菌検出率が高く, 検出菌種に差異がみられた.
    2) 発情期, 黄体期別膣前庭の細菌検査では, 発情期のものに細菌の検出されない例が多く, 38.8%を占めたが, 黄体期では, これが12.7%となり少なかった. 検出された菌種はStreptococcusが多く, 性周期を問わず高頻度に検出された. 黄体期では, 発情期のものに比べてCorynebacterium, グラム陰性桿菌, Bacillus, Staphylococcus, などが比較的高頻度に検出されたが, その検出菌数の大半は2~10個 (+) の範囲で少なかった.
    3) 膣前庭と膣深部における細菌検査では, 膣深部は膣前庭に比べて細菌の検出されないR例が多く, 77.3%を占めた.
    4) 膣前庭および子宮頸管の細菌検査では, 発情期において細菌の検出率が低く, とくに子宮頸管では93.3%が陰性であった. 黄体期には, 膣前庭からCorynebacterium, Bacillusが比較的高頻度に検出されたにもかかわらず, 子宮頸管からは検出例が少なく, 90.9%が陰性であった.
    5) 分離Streptococcusのうち, 同定試験を行った21株では, 4株を除けば, すべての溶血を起こすStr. viridansStr. faecium菌であり, Corynebacteriumの18株では, C. pyogenes, C. hofmanniiが, それぞれ2, 16株であった. また, グラム陰性桿菌の18株では, Chromobacterium, Flavo-bacteriumが, それぞれ4, 14株となった.
    これらの成績から, 子宮頸管では性周期的にみた時期の違いにかかわりなく, 細菌の存在がきわめて低いことが確認され, 子宮頸管経由による受精卵移植では, 膣内での細菌汚染を防止すれば, 細菌による受胎への影響が少なくなるものと考えられる.
  • 板屋 民子, 原田 郁男, 上川 静, 富岡 弘, 卜部 保夫
    1982 年35 巻4 号 p. 241-247
    発行日: 1982/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1976年12月から1980年6月までの間に埼玉県内の屠畜場に搬入された肉豚で, 臓器およびリンパ節に乳白色結核結節様病変が認められた例について, 抗酸菌の分離を試みた結果, 以下の成績を得た.
    1) 肝臓に病変が認められた例では, 肝臓, 脾臓など複数の臓器およびリンパ節から抗酸菌が分離された.
    2) 腸間膜リンパ節にのみ病変が認められた例では, 抗酸菌の分離は腸間膜リンパ節に限定されていた.
    3) 病変出現部位と菌分離状況をx2検定したところ, 危険率1%で有意差があり, 肝臓に病変が形成される例では菌の体内浸淫が進行していると思われた.
    4) 分離菌は主にMycobacterium avium-intracellulare complex (以下MAI) であり, Mycobacterium fortuitumも分離された.
    5) 分離菌の血清型はMAI3, 4, 8, 9, 10および15型であった.
    6) 分離MAI3型菌は鶏の肝臓に結核結節様病変を形成した.
  • 国野 忠良, 佐伯 百合夫
    1982 年35 巻4 号 p. 247-251
    発行日: 1982/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    3回の正常な出産歴を有する7才のホルスタイン系乳牛が, まず正常な牝犢 (25kg), ついで死亡した水腫性の牝犢 (20kg) を分娩し, さらに本奇形体 (1.8kg) を排出した. この奇形体は黒色短毛で被われた球状体で, 底部には厚い胎膜が付着していた. 種々の未発育な構造, すなわち, 耳・口唇・横口蓋皺襞・臼歯・切歯・大小の円錐乳頭・圧縮された複胃・塊状脂肪組織・臍帯類似物. 液の充満した脳瘤様空洞等が認められた. これは不完全無胴無心体とみなされた.
  • 30. 狂犬病ワクチン
    倉田 一明
    1982 年35 巻4 号 p. 251-254
    発行日: 1982/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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