日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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74 巻 , 5 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 米重 隆一, 安藤 貴朗
    原稿種別: 原著
    2021 年 74 巻 5 号 p. 303-309
    発行日: 2021/05/20
    公開日: 2021/06/20
    ジャーナル フリー
    近年,日本の黒毛和牛農場は大規模化,高密度化が進み,生後早期から濃厚飼料多給による霜降り牛肉の生産が行われている.その結果,呼吸器疾患,関節炎,中耳炎などの慢性炎症性疾患が増加し,特殊な飼養による免疫力低下が推測される.本研究では,個体の免疫に重要な役割を持つ3大栄養素の一つである脂質に注目し,生後9~30カ月の黒毛和種肥育雌牛120頭を供試牛として,血中脂肪酸の推移を調査した.ω6系脂肪酸のリノール酸(LA)は肥育中前期で有意に増加し,仕上げ期まで高値を維持したが,アラキドン酸(AA)はほとんど変化がなく推移した.ω3系脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)は肥育中前期以降有意な減少を示し,ω6/ω3比の上昇が明らかになった.
  • 古田 信道, 大橋 郁代, 佐藤 遼太, 白鳥 孝佳, 水戸部 俊治, 佐々木 志穂
    原稿種別: 短報
    2021 年 74 巻 5 号 p. 310-314
    発行日: 2021/05/20
    公開日: 2021/06/20
    ジャーナル フリー

    150日齢の肥育豚が下痢を呈して死亡したため剖検を行ったところ,肺の赤色肝変化病巣と回盲部粘膜の肥厚が認められた.病理組織学的に,肺では,小葉性に気管支及び細気管支腔内での細胞退廃物の貯留と好中球浸潤が認められた.肺胞腔は好中球の高度浸潤及び細胞退廃物の貯留によりしばしば閉塞していた.回盲部では多発性に偽膜を伴う粘膜の壊死巣がみられた.肺及び腸管の内容より,Salmonella Typhimurium(ST)が分離された.サルモネラ抗血清を使用した免疫組織化学的染色では,肺及び回盲部の病変に一致し陽性像が認められた.以上より,本例の肺病変の病理発生にSTが深く関与していることが示唆された.

獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 比嘉 万理子, 岡野 祥, 髙良 武俊
    原稿種別: 原著
    2021 年 74 巻 5 号 p. 315-320
    発行日: 2021/05/20
    公開日: 2021/06/20
    ジャーナル フリー
    家畜におけるEscherichia albertii の保菌状況を明らかにするため,2017年7~12月の期間に,沖縄県内のと畜場に搬入された豚,牛及び山羊の腸内容物450検体を検査した.また,分離株の分子疫学的解析等を行った.沖縄本島各地からと畜場へ搬入された豚250検体(41農場)中17検体(8農場)から本菌が分離された.分離率は6.8%,農場陽性率は19.5%であった.牛及び山羊はすべてスクリーニング陰性であった.豚由来株はいずれも同様の生化学的性状を示し,すべての分離株から病原関連遺伝子eae 及びcdt が検出された.パルスフィールドゲル電気泳動による遺伝子パターンの解析から,豚が保有する菌株は遺伝的多様性があることが明らかとなり,農場内で豚間あるいは環境を介して本菌が伝播し,遺伝子変異を示しつつ比較的長期間維持されていることが示唆された.
  • 小林 清美, 落合 由嗣, 新井 敏郎, 植田 富貴子
    原稿種別: 原著
    2021 年 74 巻 5 号 p. 321-326
    発行日: 2021/05/20
    公開日: 2021/06/20
    ジャーナル フリー
    市販鶏肉を一般のブロイラー(以下,「一般」という.)と銘柄鶏(以下,「銘柄」という.),地鶏に区分してCampylobacter 属菌(以下,「C属」という.)とListeria 属菌(以下,「L属」という.)の汚染状況を調査した.C属は90検体中57検体から分離された.地鶏・銘柄では検体の50%以上からC. jejuni が分離された.C. coli による汚染は,C. jejuni の半分以下であった.L属は65検体中49検体から分離された.C属,L属ともに分離率は地鶏・銘柄で高く,一般で低かった.C属とL属の両方が検体の43%から分離された.L属のみが分離された検体数は,C属のみが分離された検体数の3倍であった.菌種別では,C. jejuniL. innocua による複合汚染が最も多かった.以上,地鶏,銘柄,一般ではC属及びL属による汚染の割合が異なる可能性を示した.
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