初代豚腎細胞で低温順化した, 豚パルボウイルスHT
--SK-C株13) の妊娠豚における安全性と免疫原性について検討した.
HT
--SK-C株10
6.0TCID
50/2m
lを妊娠74日の豚に皮下接種したところ, 臨床所見に異常は認められず, 咽頭, 鼻腔, 直腸からウイルスは回収されなかった. また, ウイルス血症も認められなかった. 同豚を妊娠104日目に解剖した結果, 剖検上13頭の胎児はすべて正常で, このうち7頭について臓器からウイルス回収を試みたが, 陰性であった.
妊娠42日目に同株を接種した豚および非接種豚各1頭に対して妊娠66日目に野外株10
5.0TICD
50/5m
lを静脈内に攻撃した. 攻撃後46日目 (妊娠112日目) に両豚を解剖したところ, HT
--SK-C株接種豚の胎児は15頭全頭正常で, このうち8頭の胎児臓器からウイルス回収を試みたが, 陰性であった.
いっぽう, 非接種豚の胎児は11頭で, その内訳は正常胎児7頭, 白子2頭, 黒子1頭, ミイラ胎児1頭であった. このうち, 正常胎児2頭, 白子2頭および黒子1頭について臓器からウイルス回収を試みたが, いずれも陽性であった.
種付前7-14日の初産豚5頭にHT
--SK-C株10
6.0TCID
50/2m
lを接種し, 抗体の持続を観察したが, 接種14週後のHI価は40-320倍を維持していた.
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