日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
65 巻, 12 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
  • 大野 秀樹, 大脇 将夫, 中島 尚志, 吉岡 一機, 武藤 顕一郎, 小山田 敏文
    原稿種別: 原著
    2012 年 65 巻 12 号 p. 929-932
    発行日: 2012/12/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    猫の膝関節に,大腿骨と膝関節の関節包の間に膝関節筋があることを確認した.膝関節筋は1歳までは発達するが,加齢に従い筋線維は退縮し脂肪組織に置換する傾向がみられた.また筋紡錘の分布密度が高く,退縮した筋を充塡する脂肪組織の間にも筋紡錘が残存していた.この理由から猫においては加齢に従い膝関節筋の肉眼的観察が困難になり,今までその存在が明らかにならなかった.また,膝関節筋が機能的には膝関節筋の動力学的モニターとして機能していることが示唆された.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 渡辺 清正, 犬飼 祥子, 佐々木 淳, 寺地 基造, 福澤 紘子, 御領 政信
    原稿種別: 短報
    2012 年 65 巻 12 号 p. 933-936
    発行日: 2012/12/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    上嘴基部に巨大黒色腫瘤の発生がみられた20 歳齢,雌のマカロニペンギン(Eudypres chrysolophus)を病理学的に検索した.腫瘤は肉眼的に不整及び黒色充実性で上嘴基部に主座し,上顎や口腔内への浸潤及び胸部皮下への転移がみられた.病理組織学的に,黒色色素を伴った豊富な好酸性細胞質を有する類上皮細胞様あるいは紡錘形細胞など多形な腫瘍細胞の充実性増殖が認められた.腫瘍細胞は免疫組織化学的染色により,S-100 及びPCNA に陽性,Desmin,Pan-cytokeratin には陰性であった.電子顕微鏡検索では,腫瘍細胞の細胞質内に多数のメラニン顆粒とメラノソームが認められた.以上の所見より,本症例はマカロニペンギンの上嘴基部に発生した悪性黒色腫と診断された.
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