日本獣医師会雑誌
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40 巻, 3 号
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  • 森田 千春
    1987 年40 巻3 号 p. 149-156
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 前出 吉光, 光永 総子, 稲葉 睦, 波岡 茂郎, 安倍 健彦, 佐藤 輝夫
    1987 年40 巻3 号 p. 157-160
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳牛の分娩前後8週間における血清遊離脂肪酸 (FFA) 濃度, およびその組成の変動を正常牛およびケトーシス発症牛について検討した.正常牛では, FFA濃度は分娩時に急増したが, 分娩後は減少した.FFA組成中のパルミチン酸 (C16: 0) とオレイン酸 (C18: 1) は分娩時に増加, 分娩後は減少を示した.これに対し, リノール酸 (C18: 2) は逆に分娩時に著しく減少し, 分娩後は増加して分娩後8週では組成中の最大比率を占めた.いっぽう, ケトーシス牛では, 正常牛よりも分娩時におけるFFA濃度の上昇が著しく, 分娩後においても高値を示した.また, FFA組成中のリノール酸の分娩時における減少は正常牛よりも顕著であり, 分娩後の上昇率も低かった.
  • 岸本 裕治, 加藤 寛, 三谷 通博
    1987 年40 巻3 号 p. 161-164
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳牛の性周期牛, 妊娠牛について, 発情および授精から3日ごとに計9回採血・採乳し, 血漿中ならびに脱脂乳中Progesterone (P) 濃度の変動を酵素免疫測定法によって調べ, さらに早期妊娠診断への応用を試みた.
    測定には, 操作が簡便な西ドイツ製のEnzyme Immunoassay Kitを用い, 妊娠の確認は60日Non-return (NR) 法および直腸検査法で行った.次回発情予定日の22日目において, 妊娠牛のP濃度は性周期牛に比べ, 血漿中, 脱脂乳中とも有意に高かった (P<0.01).そこで, 乳牛88頭について授精後21-23日の血漿P濃度ならびに脱脂乳P濃度を測定した結果, それらの間には有意な相関があった (P<0.01).また, この時のP濃度で1ng/ml以上のものを妊娠と判定し妊娠診断した結果, 妊娠的中率, 不妊的中率は, 血漿P濃度でそれぞれ81.6%(40/49頭) と97.4%(38/39頭), 脱脂乳P濃度で76.9%(30/39頭) と88.4%(38/43頭) であった.このことから, 本法による早期妊娠診断の実用的価値が示唆された.
  • 伊藤 直之, 樋口 誠一, 小笠原 俊実, 小笠原 あつ子, 川村 清市
    1987 年40 巻3 号 p. 167-171
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1984年9月から1985年7月までの間に, 青森県内ではこれまで発生が報告されていない犬バベシア症の19例に遭遇した.症例は全例とも土佐犬であり, 初診時の主な臨床症状は元気.食欲の減退, 褐色尿の排泄および可視粘膜の貧血であった.血液検査では, 赤血球数, Ht値およびHb量の減少が著しく, また, 網状赤血球数の著明な増加および血漿ビリルビン濃度の増加傾向が認められた.血液塗抹標本では, 全症例の赤血球内に小型で円形ないし楕円形の原虫の寄生が認められ, 本原虫に対する血清IgG抗体価は, 検索した全例で40倍以上を示していた.尿検査を実施した11例においては, ビリルビンの排泄増加が著明であり, また, 7例にHb尿を認めた.以上の臨床症状, 血液および尿検査所見, さらに赤血球内寄生原虫の形態学的特徴から, これらの症例はBabesiagibsoni感染症であると推察された.また, 対症療法ならびに抗原虫剤としてジミナゼン製剤を用いた治療を行ったところ, ほとんどの症例が10日前後で臨床症状および血液検査所見の改善が認められた.
  • 木原 滋陽
    1987 年40 巻3 号 p. 172-179
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    犬糸状虫ではすべての虫体の子宮に変性卵が存在し, その率は虫体の加齢に伴って増加する傾向がみられた.そこで比色法によって虫齢別にわけた多数の虫体について変性卵の比率, 形態, 由来を調べ, その成因について考察した.その結果, 1-3虫齢虫体にみられる変性卵は胚細胞の萎縮したものが多く, 高齢虫体に高率にみられる変性卵には, 胚細胞の過剰分裂を思わせるものがみられた.若い虫体では20割球前後の正常卵が存在する子宮上部1/10の部位に, 核の萎縮像を有する変性初期のものが10%前後存在していた.変性卵の比率は加齢にしたがつて増加し, 高齢の虫体では, その比率が100%に達するものもみられた.高齢虫の変性卵の成因は複雑で, 精子, 卵子あるいは子宮に異常があると思われるもの, 胚細胞の配列不整を示す過剰分裂によると思われるものなどが観察された.また, 老齢虫の子宮下端部には変性卵の砕片である塵屑様物が多量に存在していた.なお, 犬糸状虫が多数寄生している老齢犬で, とくに末梢血中にミクロフィラリアの少ないものに, 肺窄刺血や剖検時の肺割面から漏出する血液内に変性卵の検出される率が高かった.
  • 森 千恵子, 前田 博之, 山田 英清, 浦木 増太郎, 湯浅 亮
    1987 年40 巻3 号 p. 183-189
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝臓変性廃棄率は, と畜場から比較的遠隔地で出荷前の給餌制限を実施している産地や養豚場で高く, また, と殺前の絶食時間が長くなるにつれて高くなる傾向がみられた.同一豚群を用いた絶食実験により肝臓変性を作出することができ, 肝臓変性は長時間の絶食・絶水を伴う環境激変がストレッサーとなって生じたいわば “生理的異常肝” であることがうかがわれた.北海道における肝臓変性廃棄率は昭和51年から55年にかけて急激に上昇し, と畜場別の廃棄率に差がみられた.これらの調査検討, 実験的作出, 統計分析より, 肝臓変性多発の要因をつきとめ, その発生防止対策を指導普及した結果, 廃棄率は約1/2に低下した.
  • 板屋 民子, 徳丸 雅一, 砂川 誠, 正木 宏幸, 青木 敦子, 岩崎 久夫
    1987 年40 巻3 号 p. 191-196
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    食鳥, 食鳥処理場 (以下処理場) および市販食鳥肉の食中毒細菌による汚染状況を調査した.
    処理場内の施設や作業員手指のふきとり, および冷却水などから, Campylobacter jejuni/coliは連続的かつ高率 (11.1-88.9%) に分離された.Staphylococcus aureusC.jeuni/coliとほぼ同程度であり, Yersinia spp・がこれらに次いで多かった. いっぽう, Salmonella spp.の分離率は低かった (0-8.9%).冷却水に塩素を30-50ppm添加しても, と体表面の確実な除菌効果は認められなかった.中抜き法と従来からのと体解体法で処理された両者の食鳥肉の細菌汚染状況の比較でも, 処理法による有意差は認められなかった.
    食鳥の腸管内におけるC.jejuni/coliの保菌率はきわめて高く (76.9%), 処理場から出荷される直前のと体の表面ふきとりと食鳥肉, および小売店の食鳥肉の汚染率も高かった (31.9-50.6%).S.aureus, Salmonella spp.およびYersinia spp.の食鳥の腸管内保菌率は2.1-5.3%と低かった.しかし, S.aureusによる出荷直前のと体および食鳥肉の汚染率は高く (41.6-57.1%), Salmonella spp.およびYersinia spp.による汚染も, 腸管内保菌率に比べ, 出荷直前のと体および食鳥肉の汚染率は高かった.
  • 丸山 成和, 丸山 典彦, 森田 適夫
    1987 年40 巻3 号 p. 197-202
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    豚胎児腎 (ESK) 株化細胞で作出された豚パルボウイルス (PPV) 弱毒HT-株には, 豚コレラウイルス (HCV) E-の混入があったことから, 著者らは, HT一株を初代豚腎 (SK) 細胞に32℃で連続継代し, 14~17代に60℃30分加熱処理, 18代に紫外線照射 (UV) 処理後25代継代して, HCVE-および他のウイルスの混入がなく, 32℃ でより増殖性の高いHT-SK-C株を樹立した.
    本株について, 温度感受性 (TS) 試験, モルモットおよびSPF母豚由来の初乳未摂取人工哺育豚 (SPF子豚) 接種試験等を行い, 以下の成績を得た.
    1) ESK細胞で測定したウイルス感染価は32℃ で106.3TCID50/ml, TS試験はReproductivecapacity (rct)/37-, rct/40-で, 37℃ のEfficiency of growth (EOG) は4.3, 40℃ のEOGは5.8以上であった.また, 37℃ でSK細胞に3代継代してもウイルス感染価は101.0TCID50/ml以下で, 37℃ のEOGは3.8以上であった.
    2) 物理化学的性状はPPV90HS株と同様に, トリプシン, SDC, エーテル, クロロホルムに耐性で, 60℃ の加熱, pH2.7~7.7に対しそれぞれ安定であった.
    3) モルモットの皮下に106.0TCID50/mlを1回接種後のHI抗体価は, 2週で40倍, 4週で80倍, 5週で121倍, 8週で92倍であった.
    4) SPF子豚1頭の皮下に105.5TCID50/ml1回接種し, 非接種同居豚1頭とともに5日間観察したが, 臨床所見の異常, ウイルス血症, ウイルス排出は認められなかった.また, 接種豚と非接種同居豚の咽頭, 鼻腔, 直腸ぬぐい液をプールして接種した1頭のSPF子豚と, 非接種同居豚1頭でも, 7日間の観察結果は同様に陰性であった.さらに, これら4頭の臓器からウイルス分離を試みたが陰性であった.
  • 白井 保次郎, 瀬戸 繁, 井沢 清, 松村 博敏, 矢後 啓司
    1987 年40 巻3 号 p. 203-205
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    鼻保定による頸静脈採血の省力化を目的として, ヘマトクリット毛細管のヘパリン管および無処理管 (プレイン管) を応用する尾静脈からの採血法を考案した.
    頸静脈から採取した血清ならびに, 尾静脈からヘパリン管およびプレイン管によって採取した血清177検体について, ELISAによるオーエスキー病の抗体検査を行い, 得られたOD値を比較した.その結果, 頸静脈血清との相関係数はヘパリン管血清r=0.987, プレイン管血清r=0.996であり, ヘパリン管血清に比べプレイン管血清の方が高い相関を示し, ELISAのように少量の血清での抗体検査に有用な方法であることを示した.
  • 神谷 真澄, 門田 耕一
    1987 年40 巻3 号 p. 206-208
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    2才, 雑種の雌豚に認められた骨髄性白血病を光顕的および電顕的に観察した.肉眼的には, 腫瘍は緑黄色調を呈していた.腫瘍性増殖は脾臓, 腎臓, 心臓, 肺, リンパ節, 子宮, 卵巣にあった.増殖の主体をなす細胞はヘテロクロマチンに富み, 比較的広い好塩基性細胞質を持っていた.電顕的には, ペルオキシダーゼ陽性顆粒, 中等度に発達した粗面小胞体および豊富なリボソームが認められた.
  • 酒井 健夫
    1987 年40 巻3 号 p. 211-215
    発行日: 1987/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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