日本獣医師会雑誌
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62 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
日本産業動物獣医学会会誌
  • 木南 藍子, 御領 政信, 佐々木 淳, 生澤 充隆, 岡田 幸助
    原稿種別: 原著
    2009 年 62 巻 4 号 p. 289-293
    発行日: 2009/04/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    3カ所のブロイラー農場において出荷前に自主淘汰された鶏84例について病理学的および細菌学的に検索した.臨床的にはほとんどが削痩および発育不良を示していた.剖検では淘汰鶏の70%以上(59/84)に脊椎症が認められ,31例は脊椎すべり症,27例では脊椎椎体に膿瘍を形成しており脊髄を圧迫していた.組織学的には膿瘍形成椎体では肉芽腫性炎がみられ,グラム陽性球菌およびグラム陰性桿菌が認められた.脊椎病変部における膿瘍およびその他感染性病巣部より,サルモネラ属菌,大腸菌,ブドウ球菌が検出され,黄色ブドウ球菌はC群の1例からのみ検出された.
  • 森岡 秀就, 神吉 武
    原稿種別: 原著
    2009 年 62 巻 4 号 p. 294-298
    発行日: 2009/04/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルス陰性農場で,ELISA抗体陽性豚(陽性豚)が多数検出された.豚種別の陽性率は,育成豚は5.4%(n=589)であったが,繁殖種雌豚(n=45)および肥育豚(n=29)では陽性豚は認められなかった.陽性豚5頭の病性鑑定の結果からPRRSウイルスの感染は否定された.陽性豚血清32例のELISA S/P比は0.431 ~3.346 を示したが,間接蛍光抗体法(IFA)は20倍未満,nested-PCRは陰性であり,ELISA陽性結果はすべて非特異反応と判断した.ELISAの非特異反応の判断手法としては,臨床症状を確認し,陽性豚のIFAおよびnested-PCR検査により,感染の可能性を検討する手法が有効と考えられた.
  • 高橋 真紀, 清宮 幸男, 古川 岳大, 関 慶久, 八重樫 岳司
    原稿種別: 短報
    2009 年 62 巻 4 号 p. 299-302
    発行日: 2009/04/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    牛ウイルス性下痢(BVD)ウイルスに持続的に感染していた16カ月齢の黒毛和種雌牛が削痩し,高血糖,糖尿およびケトン尿を示した.血漿耐糖能(糖消失率;0.25)およびインスリン濃度(2.7~4.9μU/ml)はともに著しく低下した.主要な病理学的変化は膵島の容積と総数の減少であり,少数の膵島における膵島細胞の空胞変性を伴っていた.同変性細胞の細胞質に少量のアルデヒドフクシン陽性顆粒あるいはインスリン抗原が存在した.以上の結果から,本病は1型糖尿病と診断された.
  • 畠添 孝, 帆保 誠二, 山下 紀幸, 小松 耕史, 三角 一浩
    原稿種別: 短報
    2009 年 62 巻 4 号 p. 303-307
    発行日: 2009/04/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    長距離輸送直後から発熱に対する治療を繰り返した後,腎機能不全となった1歳馬が,輸送後21日目に動物病院に搬入された.入院初日,可視粘膜充血,白血球数増加,高尿素窒素血症を認め,導尿によって得た尿沈渣および血液の培養液からPCR法で病原性レプトスピラの特異的遺伝子を検出した.輸液(75ml/kg/日)と抗生物質治療(セファゾリンナトリウム50mg/kg/日)を開始し,第11と21病日には,それぞれ白血球数および血中尿素窒素(BUN)は低下・安定化したが,多飲多尿,BUN/クレアチニン比の上昇,高カルシウム低リン血症が持続し,第33病日に安楽殺した.剖検では腎臓の腫大と皮質の慢性炎症を認め,病原体レプトスピラ特異的遺伝子も検出された.腎機能不全を主徴とした馬のレプトスピラ症と診断し,疫学調査の必要性が示唆された.
  • 芝原 友幸, 山口 聡子, 関口 真樹, 津波 修, 中村 理樹, 早稲田 万大
    原稿種別: 資料
    2009 年 62 巻 4 号 p. 308-310
    発行日: 2009/04/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
日本小動物獣医学会会誌
  • 森田 泰典, 森田 佳子, 西飯 直仁, 酒井 洋樹, 児玉 篤史, 柵木 利昭
    原稿種別: 短報
    2009 年 62 巻 4 号 p. 311-314
    発行日: 2009/04/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    トイプードル,雄,8歳齢が糖尿病を発症したため,インスリン投与を行った.症例には糖尿病発症の3カ月前に原因不明の低血糖がみられた.約3年後,血糖値がしばしば低値となったため,インスリン投与を完全に中止した.しかしその2週間後,低血糖に起因する強直性痙攣発作で来院した.ブドウ糖の静脈内投与などの治療に反応せず,発作が持続したため,安楽殺処置を行い,剖検を行った.膵臓はび漫性に腫大し,肝臓に直径約2cm の灰白色結節が7カ所認められた.病理組織検査の結果,膵臓はインスリノーマ,肝臓の灰白色結節はその転移と診断された.
  • 土居 弘典, 森 崇, 岩谷 直, 渡邊 一弘 , 酒井 洋樹, 丸尾 幸嗣
    原稿種別: 短報
    2009 年 62 巻 4 号 p. 315-317
    発行日: 2009/04/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    卵巣子宮摘出術および去勢手術後の病理組織検査で,生殖器系腫瘍と診断され,転移が認められたあるいはその危険があった犬3例が,術後化学療法のために来院した.各症例の診断名は,腹膜播種を伴う卵巣腺癌,脈管浸潤を伴う顆粒膜細胞腫,腹腔内リンパ節転移を伴うセミノーマであった.3症例に対しシスプラチン40~50mg/m2 を3週間おきに4回ないし5回腹腔内に投与したところ,2例に関しては現在までそれぞれ術後約31カ月および7カ月間転移は認められていない.リンパ節転移が認められた1例に関しては初診時に56.4×26.5mm であった下腹リンパ節が5回投与後に45.7×17.9mm まで縮小した.
日本獣医公衆衛生学会会誌
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