当場の繋養健康牛15頭につき分娩前30日より分娩後60日までを5~10日間隔で, 頸静脈より採血し, その血液変化を調査した.
赤血球数は妊娠後半の減少, 分娩時の増量, 泌乳盛期の滅少を認め, 血色素量は分娩前高く, 後正常となり, ヘマトクリットおよび血沈は変化せず, グロス反応は分娩後陽性となる. 白血球数は変化少く泌乳時の淋巴球, 好酸球の増加を認む. 血清成分ではP, Caは分娩前高く, 分娩後減少し, Mgは分娩前低く, Kは分娩前後一時高くなる. Feは分娩前高く, 後は減少し, Bilirubinは分娩時高い. Naは分娩後に高くなり, Clは分娩崎増加, 分娩後一時減少する. 総蛋白質は分娩後高くGlobulinは分娩後高くA/Gは減少する. 従って健康牛でも生理的範囲内で軽度の産後貧血, 好酸球増加, グロスの陽転, K増量,Na減少, Bilirubin増量などで肝の蛋白, Hb代謝障害, 副腎皮質機能減退を認む.
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