日本獣医師会雑誌
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39 巻, 8 号
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  • 成田 實
    1986 年 39 巻 8 号 p. 481-487
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 大沼 秀男, 内田 正博, 袴田 新一, 鳥谷部 昌三, 大浪 洋二
    1986 年 39 巻 8 号 p. 489-493
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種未経産牛55頭を4群, すなわち1-W群に分け, それぞれPGF2α 類縁物質 (ONO-1052) 0.4mg, 0.5mg, 0.8mg, 1.0mgを10日間隔で2回筋肉注射して, 発情同期化を試みた.なお, I群とIII群は12月, II群は2月, IV群は7月に実験を行った.
    第2回投与後4日までの発情誘起率は1群83.3%, II群100.0%, III群100.0%, IV群60.0%であった.IV群がII群およびIII群に比べ低かったが (II群vsIV群P<0.01;III群vs IV群P<0.05), その理由は無発情排卵のものが多かったためである.IV群は7月に実施したので, 夏季の高温が発情誘起率の低下の原因の一つではないかと考えられる.
    第1回投与後に比べ, 第2回投与後の発情が早く, かつ集中して誘起された.すなわち, 投与後2日に発情する牛が多かった (P<0.05).その原因は, 投与後の発情開始が遅れる傾向のあった性周期10~13日に相当する牛が, 第1回投与で卵巣周期が改変され, 第2回投与のときには極く少数となるためであった.
    第2回投与後5日までの排卵率は, I群・II群およびIII群がいずれも100.0%, IV群が86.7%であったが, 群間に有意な差はなかった.
    投与から排卵までの日数は, 第1回および第2回投与とも, それぞれ群間に有意な差はなかった. しかし, 第1回投与に比べ, 第2回投与は投与後3日に排卵する牛が多かった (P<0.05).
    第2回投与後の初回授精の受胎率は, I群45.5%, II群41.2%, III群45.5%, IV群35.7%で, 4群の間に有意な差はなかった.
    以上の結果から, 未経産乳牛にONO-1052を0.4mg以上10日間隔で2回筋肉注射する方法は, 卵巣機能の良好な条件下で行うならば, 発情の誘起率が高く, しかもよく集中し, 発情同期化法として極めて優れた方法といえる.
  • 深田 恒夫, 大西 堂文, 堀江 牧夫, 野田 周作, 荒川 皓, 栗本 浩, 是枝 哲世, 東田 和弘
    1986 年 39 巻 8 号 p. 494-496
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    大阪地区において計135頭の屋外飼育犬を用い, ivermectinの間欠投与による犬糸状虫幼虫の終宿主体内における移行阻止試験を行った.1983年11月以降, 1984年5月までに出生した犬76頭に, ivermectinを6-9μg/kgの割合で, 1984年7月から12月まで毎月1回ずつ経口投薬した.非投薬対照群として1983年11月以降, 1984年7月までに生まれた犬59頭をおいた.これらの両群の犬はすべて屋外飼育のものであった.
    投薬の翌年, すなわち1985年5月または6月に全供試犬につき末梢血中のミクロフィラリアの有無を検査した.投薬群の全例はミクロフィラリア陰性であったが, 非投薬対照群の59頭中38頭はミクロフィラリア陽性であり, 試験地において自然感染が成立することを確認した.
  • 大西 堂文, 星野 たかし
    1986 年 39 巻 8 号 p. 498-503
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    正常犬の血清および組織中のアミラーゼ活性およびそのアイソザイムを.それぞれ自動分析装置を用いたamyloclastic methodおよびセルロースアセテート膜 (Titan III-Lipo) を用いた電気泳動法によって調べた.血清アミラーゼ活性値の正常範囲 (Mean±2SD) は.種々の品種の成犬121頭と実験用ビーグル成犬59頭では, それぞれ462-1, 132および469-1.257アミラーゼ単位 (Smith Roe単位) であった.血清アミラーゼ・アイソザイムは.実験用雑種成犬38頭中5頭および実験用ビーグル犬59頭中12頭に主として4つのピークが認められ, 陽極よりそれぞれamylase-1, 2, 3, 4と命名した.それらの正常範囲は.雑種成犬ではそれぞれ0.10.9-22.0.3.7-17.8, 61.4-87.5%であり, 実験用ビーグル犬ではそれぞれ0-3.2, 0-27.7, 5.5-16.8, 59.2-84.3%であった.
    検索したすべての組織抽出液には, 膵臓.腎臓, 卵巣, 十二指腸, 肝臓.子宮, 下顎腺, 心筋, 骨格筋の順でアミラーゼ活性が認められた.しかし, 膵臓以外のそれらの値は低く.血清と同程度の活性かそれ以下であった.下顎腺を除くすべての組織抽出液には.血清と同様3つ, または4つのアミラーゼ・アイソザイムが認められた.しかし膵臓では, すべての検体でamylase-4の陰極側に新たなバンドが認められ, これをamylase-5とした.十二指腸, 子宮, および卵巣のあるものでもamylase-5が認められ, その他にamylase-3と4との間にも別のパミンドが認められ, amylase-3bとしたが, これらの値は低かった.
  • 菅野 紘行, 矢野 昭男, 南 博文
    1986 年 39 巻 8 号 p. 504-507
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ジアルジアに原因すると考えられる猫の下痢症の治療を, メトロニダゾールを用いて検討した.
    その結果, 40mg~60mglkg, 1日1回, 6~7日間, または50mg/kg, 1日2回, 4~5日間の経口投与により, 臨床症状の改善と原虫の陰転がみられた. また, 本剤投与と同時に止潟剤を投与したものほど臨床症状の改善が早かった. 今回の投与量では, 臨床上認むべき副作用はみられなかった. したがって, メトロニダゾールは猫のジアルジア症に有効な薬剤であると思われた.
  • 平田 清久, 後藤 仁
    1986 年 39 巻 8 号 p. 508-511
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    消毒剤5種を用い, 4種のDNAウイルスと6種のRNAウイルスに対する消毒効果を試験管内で比較検討した. 供試した塩素剤, ヨード剤および界面活性剤のうち, それぞれの培養細胞に対して細胞毒性を示さない限度内の薬剤濃度において, 塩素剤が10種のウイルスの全株に有効な殺滅効果を示した. このウイルス殺滅効果は, 高濃度の血清蛋白の添加によっても, ほとんど影響をうけなかった.
  • 平 詔亨, 枦山 正弘
    1986 年 39 巻 8 号 p. 512-515
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛の寄生虫検査における糞便の秤量作業を容易にするため, 糞便1g秤量リング (リング) を試作した. このリングは内径12mm, 深さ8.84mmで, 内容積1mlのステンレス製の輪に長さ11cmの柄を溶接したものであった. そして, このリングを用いた糞液作製過程から糞便の固さを有形便, 軟便, 下痢便および水様下痢便の4段階に分類する基準を考えた. すなわち, ポリ袋内に採取した糞塊にリングを押し込んだとき, 糞がリングに満たされる状態であり, かつ糞がリングから離脱しにくい固さのものを「有形便」とし, すぐに離脱するものを「軟便」とした. リングを糞塊に押し込んでも糞が取れず, かつ糞便の入ったポリ袋を傾斜しても糞が流出しにくい固さのものを「下痢便」とし, 傾斜すると糞が水のように流れ落ちるものを「水様下痢便」とした. このようにして分けた有形便, 軟便, 下痢便および水様下痢便各々12頭の牛の糞便を秤量リングで採取し, この重さをバランスで測定したところ, 平均重量は各々1.11, 1.16, 1.07, 1.06, そして総平均1.10gであり, いずれも1gにかなり近似した値であった. これらの成績をもとに, このリングは糞便検査における糞便1gの採取に利用できることを考察した.
  • 佐藤 良彦, 太田 俊明, 平澤 博一, 宮野 典夫, 田中 けい子, 望月 明義, 小泉 弘, 高田 俊也, 青木 守郎
    1986 年 39 巻 8 号 p. 516-519
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    大町山岳博物館で飼育されていた13カ月齢の日本ライチョウ (Lagopus mutus japonicus) が, 黄色水様下痢と沈欝を呈して死亡した.
    剖検で微細な白色点が肝と脾に密発していた. 肝の右葉および心外膜上に, 黄色チーズ様の滲出物がみられた. 病理組織学的検査で多数の肉芽腫が肝臓, 脾臓, 心外膜にみられた. 肉芽腫は中心に壊死巣があり, その周囲を巨細胞と類上皮細胞が取り囲んでいた.
    細菌学的検査で, 多量のPseudomonas aeruginosaが肝臓, 脾臓, 心臓, 腹腔滲出物から純粋に分離された.
    以上の成績から本症例は, 肉芽腫病変を伴った緑膿菌感染症と診断された.
  • 野村 紘一
    1986 年 39 巻 8 号 p. 520-524
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    患犬は2年7カ月齢の四国犬で, 血統的には祖父母が同腹子であり, 本例との同腹子のなかにもう1頭の半陰陽犬が存在したという. 本犬の外陰部には陰嚢様陰唇と発育不全の陰茎骨を入れた肥大陰核を備えていた. 膣の発達はやや悪く, 陰裂も狭小であった. 内部生殖器は精巣, 精巣上体, 蔓状静脈叢, 輸精管, 精巣導帯ならびに子宮と膣から構成され, 両性が混在しているものの, 雄性が優勢であった. したがって, 本犬は形態学的には雄性傾向のきわめて強い雄性仮性半陰陽と診断された.
    いっぽう, 本犬の末梢血中白血球による染色体分析の結果, 染色体 (2n) の数は78, 性染色体はXX型を示し, さらに, 口腔粘膜上皮の性染色質検査の結果も雌型を示していた.
    このように, 本犬は表現形が雄性化の強い雄性仮性半陰陽であるにもかかわらず, 性染色体構成はXX型を示しているところから, 雄性決定因子を活性化したのはY染色体以外の要素であり, 発育不全の精巣から十分なミラー管抑制因子が産生されなかったか, あるいはミラー管のこれらに対する感受性が著しく低下していたことが想像される.
  • 超音波診断機器
    戸尾 棋明彦
    1986 年 39 巻 8 号 p. 527-534
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 早崎 峯夫
    1986 年 39 巻 8 号 p. 535-538
    発行日: 1986/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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