日本獣医師会雑誌
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41 巻, 12 号
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  • 鎌田 正信
    1988 年41 巻12 号 p. 845-850
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 深瀬 徹, 板垣 博
    1988 年41 巻12 号 p. 851-855
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    カルバメート系の殺虫薬であるプロポクスルを0.1%(w/w) 含有するシャンプー製剤について, 犬に寄生するノミに対する殺虫・駆除効果を検討した.直径9cmの腰高シャーレ10個に円形濾紙を敷き, このうちの5個に, 有効成分量として10μg, 50μg, 100μg, 200μg, 400μgとなるようにプロポクスル含有シャンプー製剤を滴下した. また, 4個にはそれぞれ, プロポクスルを含まない対照シャンプー製剤と殺虫薬を含まない市販犬用シャンプー2種および蒸留水を滴下し, 残りの1個を無処置対照とした. これらの各シャーレにイヌノミを10個体ずつ投入したところ, プロポクスルを含まないシャーレではノミのノックダウンがほとんどみられなかったのに対し, プロポクスル含有シャンプー製剤を滴下したシャーレではいずれの用量においても24時間以内に供試したノミ全個体のノックダウンが観察された. さらに, イヌノミとネコノミの寄生を受けている犬60頭を1群10頭の6群に分け, そのうちの4群にそれぞれ, プロポクスル含有シャンプー製剤, プロポクスル非含有対照シャンプー製剤, 市販犬用シャンプー2種を使用し, 他の2群を水道水散布群および無処置対照群とした. その結果, プロポクスル含有シャンプー製剤を使用した群では, 他の群に比べて良好なノミの駆除効果が認められた, 以上の成績から, プロポクスルの0.1%シャンプー製剤は, 犬のノミに対する速効的な殺虫・駆除効果を有することが確認された.
  • 西條 加須江, 東原 稔, 蛭間 正己, 永口 良雄, 藤崎 優次郎
    1988 年41 巻12 号 p. 856-861
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    伝染性フアブリキウス嚢病 (IBD) ウイルスの弱毒ワクチン株を作出する目的で, IBDウイルスRF-1株のニワトリ胚線維芽細胞 (CEF) 馴化株 (以下RF-1tcと呼ぶ) からプラーククローニソグにより, 弱毒変異株の分離を試みた. その結果, 直径5mmのプラークを形成するLpクローンと直径1mmのプラークを形成するSpクローンとを分離した. これらのクローンはプラークサイズが異なるほか, ニワトリ胚に対する病原性およびCE芦での増殖態度に関してもたがいに異なる性状を示した. LpおよびSpクローンは交差中和試験でRF-1tcと区別できず, また, 雛において, 強毒IBDウイルスの攻撃を防御できる免疫原性があった.感染防御に必要な最小有効免疫量は, LpおよびSpクローンで, それぞれ, 104および105TCID50であった. 臨床症状とフアブリキウス嚢の病変を指標にして, これらのクローンの初生雛および4週齢雛に対する病原性を調べたところ, いずれも, RF-1tcより著しく弱毒化されていた. これらのクローンは, 現行の “伝染性ファブリキウス嚢病生ワクチン (ひな用)” の検定基準に適合する安全性と免疫原性を有していた. LpクローンはSpクローンに較べて免疫原性が強く, また, CEFでの増殖力も強かったことから, 弱毒生ワクチンの候補株としてはLpクローンが優れているように思われる.
  • 内田 幸治, 平元 清和, 原田 良昭
    1988 年41 巻12 号 p. 862-864
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ニューカッスル病・鶏伝染性気管支炎混合生ワクチンを噴霧投与 (21日齢) したブロイラー360羽 (180羽, 2室) に, テトラサイクリン系薬剤を含む多剤耐性犬腸菌を噴霧感染 (25日齢) させ, 自然例に類似する大腸菌症を再現した. さらに, 両室の各半数 (90羽) のヒナに対し, 1回 (27日齢). あるいは2回 (27と29日齢), ドキシサイクリン (ビブラベット) を体重1kgあたり24mg力価, 飲水投与し, その薬効を各室の非投薬群と比較検討した.
    両室とも, 28日齢以降, 非投薬群では大腸菌症で死亡する鶏が多く認められたのに対し, 投薬群では少なく, 出荷時 (56日齢) までの育成成績および生産指数の比較でも投薬群のほうがまさり, ドキシサイクリンの鶏大腸菌症に対する有効性が確認された
  • 斉藤 守弘, 安井 千俊, 板垣 博
    1988 年41 巻12 号 p. 867-869
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    S. miescheriana実験感染犬および豚に対するスルファジメトキシン, スルファモイルダプソンの治療効果, およびスポロシストと豚筋肉内のシストに対する温度処理の効果について実験し, 以下の成績を得た.
    1) 実験感染犬に対するスルファジメトキシンおよび実験感染豚に対するスルファモイルダプソン (SDDS) の効果は認められなかった.
    2) 筋肉内シストに対する温度処理では56℃ 以上で, 5分および-22℃, 24時間で効果が認められた.
    3) スポロシストに対する温度処理は70℃, 5分で効果が認められたが, -22℃, 10日間では効果は認められなかった.
  • 大内 紀章, 藤原 三男, 秦野 好博, 矢尾 正博, 宇野 文夫, 吉田 まり子, 山田 雅夫, 新居 志郎
    1988 年41 巻12 号 p. 870-874
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1984年8~9月にわたって, 岡山県下の20戸からなる養豚地域に豚痘が集団発生した. 発症豚は哺乳豚, 離乳豚, 肥育豚, 繁殖豚の総ての日齢に見られ, その発生率は24.3%(2, 597/10, 685頭) であった. 臨床症状は, 全身の皮膚に発痘がみられ, それらは約1ヵ月の経過で回復した. 病理組織学的には, 皮膚の有棘細胞層の増生, 核の空胞化および好酸性の細胞質内封入体が認められた. ウィルス検査では, 豚腎由来PK-15細胞を用いて, 円形のCPEを示すウィルスが分離された. 分離ウイルスの理化学的性状は, 核酸はDNA型と考えられ, エーテル, pH3.0の酸, および56℃, 30分の加熱には感受性を示した.
    動物接種については, 分離ウイルス (OV-1株) の豚への接種で局所に病巣形成を認めたが, 鶏家兎, マウス, 発育鶏卵漿尿膜については発症もしくは病巣の出現をみなかった.
    電顕では, 感染細胞内にポックスウイルス特有のウイルス粒子を認めた. さらに, 細胞質内および核内には豚痘ウイルス特有のラメラ構造を観察した.
  • 早瀬 正弘, 小野田 裕, 有村 明, 倉野 猛, 中澤 宗生
    1988 年41 巻12 号 p. 875-878
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1985年3月, 輸出検疫のために長野県内の16農場から動物検疫所に収容された80頭の山羊群において, Pasteurella haemolytica血清型2 (以下Ph2と略) の感染による肺炎の発生があり3頭が死亡した. この山羊群について間接血球凝集反応 (以下IHAと略) によるPh2の抗体調査を実施した.
    検疫2日目に採取した血清の抗体価は, 4倍以上を示したものが65頭 (81%), 幾何平均値は10.3倍であった. この65頭は16農場中15農場に由来しており, Ph2が長野県内の山羊農場に広く浸潤していることが明らかとなった. また, 呼吸器症状を示した27頭のうち9頭について, 14~16日後 (発症後後血清採取までの期間: 5~11日間) の対血清でIHAを実施したところ, 3頭で有意な抗体の上昇が認められた.
  • 山崎 洋, 御領 政信, 梅村 孝司, 戸井 典子, 春名 章宏
    1988 年41 巻12 号 p. 881-883
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    対称性脱毛, 痂皮形成および掻痒感を主徴とする難治性皮膚病を呈した雑種, 1歳の雄犬について, 1年間余にわたり臨床ならびに臨床病理学的検査を行い, 予後不良の判定で安楽死後病理学的検索を実施した. 皮膚病変の組織学的特徴は軽度の表皮棘融解を伴った角質層下膿庖であり, 直接免疫組織化学検査ではIgGの沈着は認められず, 角質層下膿庖性皮膚症を疑う像を呈していた. 本疾患は原因不明のまれな慢性疾患で, 本邦では初の報告と思われる.
  • 北野 良夫, 山下 静馬, 福山 孝人
    1988 年41 巻12 号 p. 884-888
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    鹿児島県下において1987年8月から11月にかけて, 105頭に泡沫性流涎, 飲水逆流, 咽喉頭麻痺, 発熱を主徴としたイバラキ病の発生が見られ, 16頭が斃死した. そのうち4例についてウイルス学的, 病理学的検査を行い, 下記の知見が得られた.
    1) 斃死牛4例中2例についてウイルス分離を試みたところ, いずれからもイバラキウイルスが分離された.
    2) 斃死牛は4倍ないし2, 048倍以上の中和抗体価を示した. また, 同居中の一見健康な牛は14頭中6頭が陽性を示した.
    3) 肉眼的には食道の弛緩と拡張, 食道筋の出血と白色斑, 咽頭筋の出血, 肺の肝変化と気腫, 気管支内の泡沫液貯留, 鼻腔内の膿様鼻汁が認められた.
    4) 組織学的には食道筋および咽頭筋の筋細胞の硝子様変性, 融解, 消失, 筋細胞の核の腫大, 間質結合織増生が顕著で, 2例においては重度の石灰化を認めた. 肺は重度の異物性肺炎像を示し, 口腔腺および食道腺の腺細胞は腫大, 崩壊していた. 1例において心筋細胞の萎縮, 壊死と間質結合織の軽度の増生が認められた.
    5) 死因は, 咽喉頭麻痺および食道麻痺による嚥下障害に起因する誤嚥性の急性肺炎であると考えられた.
  • 真壁 朝光, 長 茂, 大根田 智, 関屋 幸男
    1988 年41 巻12 号 p. 889-892
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1987年9月, 採卵養鶏場で108日齢雛4,000羽中, 約200羽が貧血, 沈うつ, 削痩, 肉冠の退色および脚弱を呈し, そのうち86羽が死亡した. これら発病鶏8羽について病性鑑定を行った結果, 血液所見はヘマトクリット値が15~20%で, 赤血球数は120~150万/mm3. であった. ウイルス学的検査では2羽からA亜群鶏白血病ウイルスが分離された. 剖検所見では, 肝臓はほとんどが腫大し, 脾臓は全例とも正常鶏のほぼ2~3倍に腫大していた. また, 大腿骨骨髄は3例がやや退色していた. いっぽう, 組織所見では骨髄球と思われる好酸性顆粒球が, 肝臓においては実質問に腫瘍性に増殖し, 脾臓, 胃, 肺等の主要臓器や消化器においてはび漫性に浸潤していた. さらに, 骨髄では骨髄球の過形成が顕著であった.
    以上の所見から本症は骨髄球腫症と診断された.
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